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   越後ジャーナル
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裸の王様に 届かない市民の声  2002・10・25

 今週から来週にかけて、新潟県加茂市では、合併問題についての、大きな出来事が重なっている。もちろん、平成17年3月、合併特例債を利用できる期限までに合併を進めるという意味では、すでにタイミングを失っているが、小池清彦加茂市長が合併反対の急先鋒の現実下で、それぞれの立場で最大限の努力をしている証左であることだけは確かだ。

 加茂青年会議所の合併についてのフォーラムが、10月8日夜、加茂市産業センターで開かれ、100人以上の市民と隣接市町村の合併問題に関心を持つ市民が集まった。内容は、本号で紹介しているのでここでは省く。

 合併研究会に参加している県央東部5市町村でそれぞれ開かれている、名称はさまざまだが、実質的な住民説明会では、賛成する市民の参加が極めて少なく、反対する市民がわずかに参加しているだけ。

 ところが、この日のフォーラムでは、賛成、反対の立場を超えて、合併問題に強い関心を持つ市民が多く参加したことが特筆すべき点だ。

 小池市長は、早くから合併反対の立場で、反対のための情報を重点的に市民に流し、合併問題の実体を明らかにしていない。隣接市町村はもとより、全国的にも合併を検討する市町村が圧倒的に多い時代の流れの中で、情報を欲しがっている市民が多いことをうかがわせた。

 パネラーのなかでも、明らかに合併反対である共産党の今井詔一市議が、「加茂市議会合併問題特別委員会委員長」の立場で発言。しかし、合併特例債についての説明で、「飴とムチと言うが、特例債自体、果たして飴かどうか」という疑問をあまりにも強く前面に出しすぎ、田上町との合併に前向きな関龍雄前議長から「委員長の立場で発言を」というヤジが飛んだほど。

 今井市議が共産党所属という立場上、合併反対であることは疑いのないことで、むしろ、その立場の今井市議が委員長に就いたときから、加茂市議会は合併に前向きに取り組めない情況にあることは明らかだった。

 小生は、委員会のスタート時から、すでに市議会に対する期待は抱いてもいないし、現実に、何度会議を重ねても、小池市長の合併反対に対抗してでも合併を推進するという強い意見は出てこなかった。ただ、調査の名のもとに貴重な時間が経過してきたに過ぎない。15日に、加茂市議会は、「議会だより」で、これまでの研究成果を報告するという。見物だ。

 また、加茂商工会議所は、小池市長は、最後には、合併反対の持論は持論として、住民の強い要望があれば、田上町との合併を承服するかもしれないという幻想のもとに、合併の研究を進め、田上町商工会とともに、両市町の合併を模索している。

 これもまた、「田上町が県央東部との合併協議会に参加したら、加茂市が合併する相手がいなくなり、合併のチャンスがなくなる」という消極的なもの。小池市長が全国に向けて大声で合併反対を叫んでいる現実を無視した淡い期待だが、フォーラムのパネラーとして参加した野沢幸司田上町商工会副会長に「加茂市と田上町が合併しても4万5000人で、4万5000人の町では立ちいかない。第一、市長がその気にならなければどうにもならない。市長が聞く耳を持っているのか」と、ズバリ指摘されてしまうほど。

 結局は、小池市長が加茂市長である限り、加茂市が他市町村と合併することなどあり得ないし、田上町も、小池市長が、まだ、合併反対を叫んでいて、ひとことも田上町に合併を申し入れていない現在、「選択肢のひとつ」とは言っているが、加茂市と合併するなどということを真剣に検討する段階に至っていない。

 小池市長の主張通り、現段階では「加茂市に合併の道はあり得ない」とみるのが、妥当な見方。田上町も、非現実的ながら、「加茂市との合併」を検討しようにも、小池市長ではその余地すらない。

 では、加茂市民は「小池市長を倒せるのか」。半年後に改選期を控えながら、対立候補の名前すら聞かれない。

 加茂市民は井の中の蛙で、合併問題だけでなく、まるよしの存続に対する署名運動と市長の対応、今ごろになっての法務局加茂出張所存続の署名運動など、選挙しか意識にない、最近の小池市長の「裸の王様」ぶりに、近隣市町村が、呆れかえっている現実を知るよしもないようだ。

 加茂市民は、小池市長の続投を許すことで、理屈はどうあれ、「合併しない道」を歩んでいるのであり、むしろ、ここまできたら、謙虚に「合併しないですむ市政のあり方」を考えるべきである。想像しただけでも身震いするほど大変なことだが。





中国製品との差別化目指す地元メーカー
  2002・10・18

 一方で中国製品の輸入に苦しんだり、積極的にそれを利用しようとする企業があり、他方で、開発力や技術力を生かして、中国製品と異なる製品を生産したり、あるいは下請け加工をしながら、仕事量のバランスを取っている企業がある。

 製品群で言えば、雑貨などは、もはや、中国との競合は避けられず、技術的、量的に、中国で生産しても採算が合わない分野に特化しなければ生き残れない。刃物などでは、中国製品では到達できない、やればできるが技術者を育ててまで製造しても採算が合わない、あるいは到達できたが売れる量が少なくメリットが少ないなどで、中国が敬遠している分野があるようだ。

 また、下請けの仕事は、大手メーカーが海外に生産をシフトし、それに伴って海外に進出した下請けもあるのだが、製品によっては、あくまでも、重要な部分は国内生産というメーカーもある。特に資本力の乏しい中小のメーカーは、中国にシフトしようにもできない。また、製造コストに占める人件費割合が比較的少なく、付加価値が高いなどで、シフトの必要性が当面ないなどのメーカーもある。

 こうした国内メーカーと連携し、量的には仕事が不足していない中小企業も少なくない。下請け工賃は切り下げられ、品質管理、納期などが厳しく、忙しい割に儲からないと言うが、逆に言えば、品質管理、納期が厳しいから海外にシフトできない分野だとも言える。

 もっとも、日本の下請けメーカーの品質管理、納期の的確さは、トヨタ看板方式ではないが、大手メーカーに徹底的に鍛えられているから、国内のメーカーの仕事はもとより、米国など海外のメーカーの注文にも対応できるほど。県央地域でも、そうした海外のメーカーの仕事を受注しながら業績を上げている中小企業もある。

 総体的には県央地域の仕事量は減ってきているが、全体量から見たら決して失望するほどの減少量ではない。一方で大手メーカーの下請け仕事を取って、社内の生産システム、技術などをアップし続け、他方で高品質のオリジナル製品を生産、販売する。長引く世界市場の冷え込みで、仕事量が減る中、自社の仕事量だけは確保する。

 経営者にその意気込みが見られる中小のメーカーは、まだまだ将来に希望を見出している。日本の工業のレベルは、世界の最高水準にあると言われている。世界を知らない人の話ではなく、現場で活躍している経営者の実感である。

 各地の工業団地を見ると、確かに廃業、倒産によって、寂れている一角があるが、一方では、工場を拡張し続けている企業もある。韓国、台湾、中国、そしてインド、さらには、今後、中国方式で資本主義社会に参入するだろう北朝鮮など、まだまだ世界の工業生産力は拡大する。


 先進国の工業力は相対的に圧迫されるだろうが、そのなかで、日本の工業が担う部分、県央地域の工業が担う部分を意識的に把握していかなければならない。企業訪問をしていると、不況を実感しながらも、当面の仕事に追われているし、将来に希望を持っている企業の経営者の話を聞くことができる。

 決して、「中国製品の輸入に圧倒される」と憔悴しきる必要のないことを実感できる。時代の潮流に流されることなく、潮流を見極めながら、自らの企業を取り巻く環境に目を配り、対応策を講じていくべきだ。工業界全体の話と、個々企業の話は、決して同じではない。






構造改革と地域経済
  2002・10・11

 小泉首相が、世界に「日本の構造改革の推進」を約束。なかなか進まない金融機関の不良債権処理など構造改革をより強力に推進する第二次小泉内閣を発足させた。

 国内市場は、さらに消費が冷えるものとの警戒感が強まり、金融機関も、前期決算時に貸倒引当金を積み増すなど準備してきたなかで、破綻懸念先など、経営の行き詰まりが見られる取引先への融資を絞り始めている。

 その結果、帝国データバンクの30億円以上の企業倒産情報も、今夏、やや減少したかに見られたが、9月末から、再び増加しているように見える。

 新潟県の県央地域でも、老舗の大型スーパーまるよし(本社三条市)が8月末に、経営に行き詰まり、新潟地方裁判所三条支部に民事再生法の手続き開始を申請、認められてから既に1か月以上経過したのをはじめ、弱電関連のマルス電子(本社寺泊町)がこのほど破産。さらに、小規模な金物卸、木工家具メーカー、鋼材卸など、地場産業の不振による破産が相次いでいる。

 国内市場の冷え込みと、中国をはじめとするアジア各国からの輸入品攻勢の両面から、各産業分野とも過当競争に晒され、経営が行き詰まっているもの。小泉首相のいう「構造改革の強力な推進」で、地域の中小企業の経営環境は一段と厳しさを増すことになる。

 破産した企業の債務を見ると、多くの場合、一般債務を金融債務が大きく上回る場合が多い。取引先が破産した場合、不動産は金融機関などに担保として抑えられ、納入業者はほとんど債権を回収できないので、勢い納入に慎重になるためだ。結局、運転資金の詰まった企業の継続は、地域の金融機関がどこまで融資するかによって決まる。

 大手金融機関だけが、不良債権問題を抱えているわけではなく、地域金融機関も、バブル時の不動産投資の失敗などによるものではないが、中小零細企業の経営内容の悪化で、似たような状況に置かれている。

 統廃合が叫ばれている政府系金融機関は、実績づくりのため、地域の優良企業に向けて固定で低利の融資を積極的に行なっており、地域の金融機関を圧迫する一面も。
さまざまな要因を見ていくと、新潟県の県央地域だけでなく、全国の地域経済は想像以上に悪化しているものとみられる。

 もちろん、県央地域は全国でも有数の中小零細企業の集積地で、破産する企業が増えているものの、国内市場の冷え込みと、アジアからの輸入品攻勢にもめげず、独自の技術を生かしながら商品開発し、あるいは輸入品を扱うなどで、実績を上げている企業も多い。

 今後、どのような産業にシフトしていくか、構造改革は地域経済の重要な課題である。