日本金属ハウスウェア工業組合と日本金属洋食器工業組合が合併へ
2002・11・29
日本金属ハウスウェア工業組合(ハウス)が、独自の事務所を売却して、燕商工会議所の一角に入居したのに次いで、日本金属洋食器工業組合(洋工)が、現在の洋工会館を道路拡張用地として燕市に売却、燕商工会議所に入居する話を進めていた。
どの部屋に入居するかなどの話を進めていたかと思ったら、最近になって、急きょ、二つの組合が合併してはどうかという話が持ち上がり、合併することでは両工業組合とも基本合意、あとは、合併のタイミングだけとなった。
合併のタイミングと言うのは、洋工側には、洋工会館を売却したお金を組合員に配当し、ハウスと同じ財務状態にしてから合併を考えるか、売却したお金のあるうちにハウスと合併するか、という二つの考え方があるようだ。
売却のお金を配当してしまうと、組合員が大幅に退会してしまいかねない。さりとて、綺麗サッパリのハウスと資産を抱えた洋工が一緒になるのも不公平という考えもある。洋工内部でも合併を急ぐ組と、合併は配当が終わってから、とじっくり構えている組がある。
いずれにしても、洋工は、終戦後間もなく、対米貿易が盛んだったころにスタートし、米国の洋食器メーカーが、日本からの輸出攻勢の激しさに耐えかねて、米政府に洋食器輸入規制を訴えると、日本の洋食器メーカーが、完全に輸入をシャットアウトされてはたまらないと自主規制と称して、あらかじめ米国向けの輸出量を決め、各業者にそれまでの実績に基づいて「枠」を配分してきた。
30年以上前、駆け出し記者の頃、輸入規制になると「枠」の配分などを巡って、洋工を組織する業者の利害関係が分かれ、洋工会館で、それぞれ論客を立てて、深夜に及ぶまで論争を続け、洋工会館が「不夜城」とまで言われていたのを覚えている。元燕市長南波憲厚が専務理事を務めて、玉虫色の発言をしながら、必死でまとめる役回り。
当時は、小生も「枠」が業者の命綱だったことなど、よく理解しておらず、ただ、枠を持つ元請け業者と、プレス、研磨などの下請け業者が争っている図のように見えたが、業界をある程度理解している現在であれば、もう少し、争いの意味がよく描けたと思ったりもする。
いずれにしても、刃物の関のナイフ業者も含め全国組合だった洋工は、米国の洋食器輸入規制のたびに、市長、県議はじめ、業界団体で米国に輸入規制撤廃を働きかけるために渡米、あるいは、業界団体と政治家が一緒になって、市立燕東小学校の校庭に、日の丸の鉢巻姿で集合し、輸入規制反対の総決起大会を開くなど、活気があり、洋工会館はその舞台になってきた。
まさに、洋工は、戦後、燕の洋食器業界の盛衰とともに歩んできた。輸出から国内市場に目が向き、あるいは、逆に日本が、アジア諸国からの輸入品に脅かされるという一時代には考えられなかった状況に至り、燕市の道路拡幅に合わせて、不夜城洋工会館を売却することになった。
ハウスは、洋工の組合員のなかで、ハウスウエア、すなわち器物を生産した企業で設立した全国組合。ハウスは、組合企業が、かつて洋食器から器物に転換したように、ゴルフヘッド、魔法瓶、表面処理をはじめ、さまざまな業種に脱皮してきた。
洋工も、台湾、韓国などとの競争に打ち勝ってきた企業がリードしているし、何分、ハウスに比べ古い歴史を持っている。中国人研修生の受け入れ事業など、これまでは、独自の収入源もあった。
その二つの全国組合が、合併しようというのだから、燕工業界の状況も大きく変わってきていると言える。一時代前の両組合の活躍と、いい意味でのライバル意識の強さを知るものには、青天の霹靂である。
いずれにしろ、時代の変化に対応して、両組合が身を軽くしながらも、今後の工業界の発展のために、合併して対処するのは、おおいに歓迎すべきこと。また、合理的な判断をする燕業界らしい英断である。どのような手続きを踏むにしても、合併が成功し、新しい時代を迎えることを期待したい。

いよいよ県央東部結束へ 小池市長 商議所要望一蹴 2002・11・22
先週末、田上町との合併を考えて欲しいという会員企業が80%を占めるアンケート結果を携えて加茂商工会議所幹部が、小池清彦加茂市長に合併反対の考えを変えるように要望、小池市長がこれを一蹴したことをもって、新潟県加茂市と田上町の合併に関する研究の場づくりの可能性は事実上なくなった。
田上町が、町民アンケートを実施する際に、新潟市との合併も選択肢に加えるかどうかはともかく、加茂市を対象に考えることはなく、現実的な選択肢である新潟県県央東部合併研究会との取り組みに本腰を入れることになるだろう。
三条市と燕市の両高橋市長はじめ県央東部5市町村長が、ガッチリと手を組み、合併に向けて突き進めば、加茂市を除いては、大局的には県央西部をも含めた大合併の可能性が大きくなってきた。そのためには、県央東部の合併をまず成功させ、市町村住民に、地方自治体の財政が今以上に厳しくなる将来に備えての行政のあり方を示すことだ。そうすることで、周辺市町村の信頼も勝ち取っていくことができる。
新潟県並びに県内の市町村は財政力が弱く、国に依存してきた。それだけに、地方交付税の見直しで最も打撃を受けやすい体質になっている。国内経済の悪化によって、地域経済は疲弊しており、税収も、法人税はじめ、市町村民税も落ちこんでいる。
固定資産税は、高度経済成長、バブル景気の時期を通して、段階的に課税標準額をアップし、今では、地価が下がっているのに固定資産税は高止まり。各市町村とも、税金が払えないため滞納が増えつづけている。納税者から固定資産税の引き下げの要求が上がり始めている。
政府の一部には、固定資産税の引き下げは、地方自治体の財政を圧迫するから反対という声もある。固定資産税を払っている市町村民側から言えば、減税こそが望ましく、減税してもやっていける行政システムにすべきだというのが望みだ。
税金が自動的に増え続けるなかで、固定資産税をアップし、湯水のように金を使ってきた行政。このたびの構造改革並びに輸入品の攻勢で、地域経済が疲弊している時に、行政の都合で、固定資産税引き下げに反対するのは、本末転倒。固定資産税の滞納が増えているという現実は無視できないだろう。
小さい政府、小さい行政にしていかなければならない。特に豪州など、国債ゼロを目指す話が聞かれるとき、建設国債はともかく、赤字国債の償還に苦しむ日本の姿が、世界の悪い見本にされている。この現実を、国民一人ひとりが正しく理解すべきだ。
政治家は票が欲しいあまりに、国家、地方自治体の借金に対して責任を負うことがない体制から、無責任な政策を取り続けてきた。その付けを始末させられている小泉内閣は、自民党はじめ与党の小泉内閣批判にもかかわらず、国民の支持率は大きく落ちない。
これほど、政治家が堕落し、国民が賢明な判断をしている時期はないだろうし、これからも起らないかもしれない。「景気がよくなって欲しい」というのは率直な国民の願いだが、これ以上の国債発行、地方債発行に依存した、問題先送りの解決方法は望んでいない。
各地の地方選挙でも、役人天国を許さず、民間感覚を取り入れるという候補が次々と勝利している。これは、地方だけでなく、国政選挙でも、やがて姿になって現れるだろう。「行政改革なくして、真の構造改革はない」というのが国民の考えだと思われるのだが。
地方交付税制度の抜本的な見直しで合併加速か 2002・11・15
新潟県燕市の高橋甚一市長が、片山虎之助総務大臣に会った機会に、合併に反対している加茂市の小池清彦市長のことに関連して、合併の問題について質したところ、片山大臣は、政府は合併推進の方向で政策を考えており、必ず、雪崩を打ったように市町村は合併の方向に向かうという趣旨の話をしていたという。
全国の都道府県や市町村には、合併推進を訴えながら、国は、地方交付税制度にしても、具体的にどのように改革するのか方向を示さなかった。小池市長のように地方交付税は現状でも大して減らず、合併するとむしろ大幅に減額されるというような発言がまかり通ってきた。
ところが、片山大臣が述べていたことかどうかはともかく、毎日新聞は11月13日付朝刊トップで、日本経済新聞は、同日付五面に、地方交付税について「財源保障廃止を」などの見出しで、予算編成に影響を与える財政制度等審議会(会長・今井敬新日鉄会長)の予算分科会が、12日、「2003年度予算編成等に関する建議」(原案)を明らかにしたとして、その内容を報道した。
建議は、地方自治体の歳入不足を国が補てんする地方交付税の財源保障機能について、「地方の財政運営にモラルハザード(倫理観の欠如)をもたらしている」と廃止の方向性を打ち出し、地方財政の抜本的な改革を求めているもの。20日の財政制度等審議会で正式決定し、塩川正十郎財務大臣に提出する。
憲法は国民が等しく最低の文化的な暮らしを送ることができるよう保障している。しかし、バブル期を通じて保障は行き過ぎたものとなり、経済的な発展が遅れている地方自治体に対して、分厚い地方交付税を交付する形になった。このため、県央地域でも、税収の多い燕市と、税収の極端に少ない加茂市で、多少の差はあっても、ほとんど変わらない財政運営ができるという矛盾を生んできた。
これが、小池加茂市長の、「市民は税金を納めない方がいい。国からお金を持ってくる」という暴言にも通じていた。いわゆる、「地方自治体の財政運営にモラルハザードが起きている」と言われる現象だ。
政府は、明治、昭和の大合併が政府主導で行なわれ、地方自治体レベルで大きな衝撃があったとして、平成の大合併の推進に当たっては、あくまでも、地方自治体の自主性に任せるとして、強いイニシアチブを取ってこなかった。
せいぜいが、合併特例債くらいで、それも、平成17年3月までに合併しなければ期限が切れるというもの。現行の地方交付税制度であれば、極端に税収の少ない地方自治体に対して手厚くしている分を削減されるくらいで、大きな影響はないという見方も出てきて、なかなか合併の話が進まなくなった。さまざまな理由から合併を断念する市町村がでてきた。合併に取り組む市町村から、政府の考えはどうなっているのかという不信感さえ聞かれる昨今。
しかし、借金漬けの地方交付税会計を見ても、政府としては、速やかに市町村合併を進めないと、財政健全化が図れなくなる。このたびの財政制度等審議会の建議原案は、そうした実情を踏まえた上での内容で、地方交付税会計の現状を知る国民には当然行きつくところという印象。
小池市長のように、依然として、「今のままでやれる」と合併絶対反対を叫んでいる首長がある。地方交付税制度の改革の必要性が、政府の今後の方針に影響を与える財政制度等審議会の建議の形で示されてきているのだから、地方自治体としては、真剣に合併を含めた、維持管理費の掛からない地方自治体づくりに取り組まなければならなくなっている。
市民への過剰サービスを抑制し、減らせる経費は減らす努力が、地方自治体にも求められている。
小泉内閣の財政健全化よりも一足早く取り組んだ高橋一夫三条市長の市財政の健全化策は時代を先取りしたものである。8年近く続いた国依存を強める小池市政は、時代に逆行した市政であることが日ごとに明確になっている。小池市長の政治手法の終わりを宣告する建議の内容だ。
気は持ちよう 2002・11・12
小泉内閣の「構造改革なくして景気回復なし」の謳い文句も、今夏、政府の景気底打ち宣言も影が薄くなっている。
大手銀行の不良債権隠しが根底にあって、いつまでたっても、経営改善を図ろうとしない銀行に対し、政府が遂に、強行に不良債権処理を迫る事態になった。
もちろん、理屈を付けて、不良債権処理を先延ばしにしてきた大手銀行の責任は大きい。そして、ことここに及んで、与党政治家や、長引く不況に耐えられない中小零細企業、職を失っている国民の小泉内閣批判をバックに、逆襲に出ている体たらく。
しかし、中小零細企業にとって問題なのは、そんな、政府と大手銀行、大手銀行から利息減免の特典を受けながら生き延びている大企業などの攻防ではない。仕事が不足している状況下で、仕事があっても、日増しに単価が下落、利益を確保できない現状をどう打破して、明日に向かって生き延びるかが重大な問題だ。
もちろん、業種を問わず、どの企業も、社員を減らせるだけ減らし、最小限の人数で、急ぐ仕事はサービス残業も含めて、残業や休日返上で間に合わせながら対応している。仕事がゼロになったわけではない。工夫次第で仕事はあるし、現実に、昨年よりも仕事量が増えている中小零細企業もある。
「体が忙しくなったが、儲からない」という経営者の表情に暗さはない。いまどき、仕事があるだけでも贅沢。社員ともども、仕事のあるうちに働いておこうという気持ちで立ち向かっている。これが中小零細企業のいいところだ。
とてつもなく厚い管理職層があるわけでない。働けば働いただけ、業績に反映する中小零細企業は、こうした厳しい経済環境の中でこそ、社員一丸となって、財布は乏しくとも努めて明るい気持ちで働けるのが救いだ。
中小零細企業の経営者が努力すべきことは、小泉内閣の悪口をも、一服の清涼剤にしながら、仕事を見つけて、社員共々かいがいしく働き、その結果、社員が明るい毎日を過ごせるよう環境を整えること。
どうみても、「構造改革なくして景気回復なし」の小泉医師の外科手術は、患者が処方箋通りに健康管理しないから、失敗に終わっている。まさに、構造改革が遅れるだけ、景気回復も遅れているのだから、ここは一番覚悟を決めて、落穂拾いをしながらでも、食いつないでいこう。
今の50代後半以降の経営者は、高度経済成長の時代も知っているが、「貧乏でも楽しかった少年時代」も知っているはずだ。気は持ちよう。経営者も社員も元気を失わないことが今一番大事なことだ。
ホームページ開設3か月 2002・11・8
インターネットが、情報伝達の一つの手法として定着した観がある。
弊社も、今年8月から実験的にホームページを開設、本紙が発行している日刊越後ジャーナル(ただし日、月曜日は休刊)、週刊越後ジャーナル加茂・田上版、タウン紙PALGE(ぱるじぇ)のなかから情報を抜粋して、新聞の販売エリア外、PALGEの配布エリア外の人たちにも情報をお届けしている。
新聞とは違った保存しやすさ、カラーで楽しめるという手軽さからか、Yahoo!にはまだ登録していないが、自然とホームページのアクセス数が増えてきている。
トップページに表示しているカウントとはやや異なるが、アクセス・データの訪問者数を見る限り、8月が422件、9月が757件、そして10月が1799件。
本紙やPALGEで、弊社のホームページのアドレスを知ってアクセスし、アドレスをお気に入りに保存、定期的にアクセスしているリピータが増えているものと想像される。
もちろん、有料の本紙越後ジャーナルの情報を全て掲載しているわけでもないし、掲載にあたっては、一件ずつ、丁寧に、取材先の了解を得ているので、速報性も劣る。
掲載する情報は、できるだけ、新潟県の県央地域を超えて広く全国に知らせたい情報を優先的に選んでいる。
ホームページの開設にあたっては、自社で、無理なくホームページを作れ、いつでも更新できる体制を整えることが重要だったし、どの程度の情報を掲載するか検討してきた。
また、無料での情報公開であり、どの程度、新潟県の県央地域を全国、あるいは世界に伝達できるかというボランティアの意味合いからも、十分、内容を吟味している。
ローカルな情報機関のホームページという特殊性と、暮らしに役立つ地域情報は意識的に省いて、政治、経済、文化に関する情報に特化しているので、現在の件数が、多いのか、少ないのかは、比較するものがないし、判断しにくい。
今のところ、アクセス数が順調に伸びている。地域のホームページ開設者からリンクを求められているので、さらに、弊社ホームページの存在が広く知られ、アクセス数は伸びて行くだろう。
ともあれ、これからさらにホームページを充実していく必要がある。果たして、無料サービスを続けるには、どのような方法が好ましいのか。将来有料で配信できるのか。
新潟県の県央地域にも、さまざまなホームページが誕生し、訪ねても、「工事中」になったまま、あるいは、アクセスできないなど、いつのまにか、消えているホームページもある。おおいに研究の余地のあるホームページ事情である。

