変革求めた県民 泉田県政の課題は重く 2004・10・27
新潟県をリードする県知事に泉田裕彦候補が就任する。投票率は、53%と、有権者2人に1人は棄権するという低調さだったが、泉田候補は、34万4000票を得て、2位の多賀秀敏候補に、4万5000票の差をつけての文句のない当選だけに、自信をもって県政に当たってほしい。
新潟県は、2兆円余の借金を抱え、人材輸出県として、これまで東京など大都市圏へ有能な人材を派遣してきた結果、高齢化も一段と進んでいる。2009年新潟国体を控えて、さまざまな建設事業を進めなければならない。
財政再建と並行して、農業県から、複合的な産業立県への脱皮を図り、税収の上がる自立した県を目指すとともに、人づくりのための教育、高齢化社会に対応した福祉など、目に見えない形での行政支援も重要になってくる。
泉田候補の公約には、小池清彦加茂市長の宣伝文句を拝借したのか、やたらと「日本一」が出てくる。今、全国都道府県のなかでも、教育、財政的な自立度など、極めてレベルが低い段階にあって、日本一などを期待すべくもないが、せめて、他の都道府県並に、県民が実力を養い、何事にも、果敢に挑戦していく気概を持てる県民性を滋養してほしい。
その意味では、42歳の若さで、官僚の地位を投げ打って、貧乏県の県知事を目指した泉田候補の勇気と、当選に向けての努力は、賞賛に価する。
今後は、公約に掲げた5つの「日本一」と1つの「最先端」の実現はもちろん、公約に掲げられていないさまざまな政治的課題に取り組まなければならない。
2兆円の借金を抱え、財政再建団体への転落を回避することが最優先である。じっとしていても、毎日、県職に支払う給料、施設の維持費、借金の利息などが出ていく。市町村はじめ、さまざまな団体から補助金の要求が出てくる。恒常的なものも少なくない。
その中で、何を切り詰め、ゆとりの投資資金を生み出すのか。これ以上、借金を膨らませてほしくない。ましてや2009年の国体に備えての施設整備などに必要な施設整備費なども、少なくないだろう。
泉田候補は、選挙運動期間中は、財政再建はいとも簡単という印象を支持者に与えてきた。しかし、県知事になってみると、意外に難しい現状に直面するだろう。机上の空論ではなく、実務者として、具体的な政策を一つ一つ確実にこなしていかなければならない。大変なエネルギーを必要とする。
当然、これまでの平山県政の継承では、財政再建もできなければ、新たな、日本一に向けての重点政策も行い得ない。大胆な変革を行わなければならないが、変化が大きければ大きいほど、当然、県庁の職員の抵抗、県議会との軋轢も避けられないだろう。
県民に見えやすい形で政策を発表し、県民の支持を得ながら、保守的な勢力、利益誘導型の勢力を説得、懐柔して、目的を果たさなければならない。
選挙中のパフォーマンス以上に、県知事のポストについてからの言動は、周到でなければならない。
とにかく、若い県知事を生んだ新潟県民は、「生まれ変わること」を希求しているように思える。
公約は公約として、どう生まれ変わるのか。泉田候補が県知事に就任する日から、県民とともに、新たな県史の第一歩を踏み出すことになる。政治空白は許されない。
また、県央地域の有権者も、地元から県知事をという熱い期待の裏に、地元への利益誘導の期待があったとすれば、それこそが、県政の改革に大きなブレーキになりかねないということを肝に銘じておかなければならない。利益誘導の政治の終わりであり、泉田候補が県知事として新しい県政を果敢に推進していくための支援を続けこそすれ、ブレーキになってはならない。
さて、県民も、新しい時代の到来に備えなければならない。