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変革求めた県民 泉田県政の課題は重く  2004・10・27

 新潟県をリードする県知事に泉田裕彦候補が就任する。投票率は、53%と、有権者2人に1人は棄権するという低調さだったが、泉田候補は、34万4000票を得て、2位の多賀秀敏候補に、4万5000票の差をつけての文句のない当選だけに、自信をもって県政に当たってほしい。

 新潟県は、2兆円余の借金を抱え、人材輸出県として、これまで東京など大都市圏へ有能な人材を派遣してきた結果、高齢化も一段と進んでいる。2009年新潟国体を控えて、さまざまな建設事業を進めなければならない。

 財政再建と並行して、農業県から、複合的な産業立県への脱皮を図り、税収の上がる自立した県を目指すとともに、人づくりのための教育、高齢化社会に対応した福祉など、目に見えない形での行政支援も重要になってくる。

 泉田候補の公約には、小池清彦加茂市長の宣伝文句を拝借したのか、やたらと「日本一」が出てくる。今、全国都道府県のなかでも、教育、財政的な自立度など、極めてレベルが低い段階にあって、日本一などを期待すべくもないが、せめて、他の都道府県並に、県民が実力を養い、何事にも、果敢に挑戦していく気概を持てる県民性を滋養してほしい。

 その意味では、42歳の若さで、官僚の地位を投げ打って、貧乏県の県知事を目指した泉田候補の勇気と、当選に向けての努力は、賞賛に価する。

 今後は、公約に掲げた5つの「日本一」と1つの「最先端」の実現はもちろん、公約に掲げられていないさまざまな政治的課題に取り組まなければならない。

 2兆円の借金を抱え、財政再建団体への転落を回避することが最優先である。じっとしていても、毎日、県職に支払う給料、施設の維持費、借金の利息などが出ていく。市町村はじめ、さまざまな団体から補助金の要求が出てくる。恒常的なものも少なくない。

 その中で、何を切り詰め、ゆとりの投資資金を生み出すのか。これ以上、借金を膨らませてほしくない。ましてや2009年の国体に備えての施設整備などに必要な施設整備費なども、少なくないだろう。

 泉田候補は、選挙運動期間中は、財政再建はいとも簡単という印象を支持者に与えてきた。しかし、県知事になってみると、意外に難しい現状に直面するだろう。机上の空論ではなく、実務者として、具体的な政策を一つ一つ確実にこなしていかなければならない。大変なエネルギーを必要とする。

 当然、これまでの平山県政の継承では、財政再建もできなければ、新たな、日本一に向けての重点政策も行い得ない。大胆な変革を行わなければならないが、変化が大きければ大きいほど、当然、県庁の職員の抵抗、県議会との軋轢も避けられないだろう。

 県民に見えやすい形で政策を発表し、県民の支持を得ながら、保守的な勢力、利益誘導型の勢力を説得、懐柔して、目的を果たさなければならない。

 選挙中のパフォーマンス以上に、県知事のポストについてからの言動は、周到でなければならない。

 とにかく、若い県知事を生んだ新潟県民は、「生まれ変わること」を希求しているように思える。

 公約は公約として、どう生まれ変わるのか。泉田候補が県知事に就任する日から、県民とともに、新たな県史の第一歩を踏み出すことになる。政治空白は許されない。

 また、県央地域の有権者も、地元から県知事をという熱い期待の裏に、地元への利益誘導の期待があったとすれば、それこそが、県政の改革に大きなブレーキになりかねないということを肝に銘じておかなければならない。利益誘導の政治の終わりであり、泉田候補が県知事として新しい県政を果敢に推進していくための支援を続けこそすれ、ブレーキになってはならない。

 さて、県民も、新しい時代の到来に備えなければならない。





被災で会社への忠誠心高まる  2004・10・19

 7・13水害の被災地の事業所も、ようやく、災害復旧から立ち直り、経営者も、平素と変わらず、落ち着いて陣頭指揮を取れるようになっている。

 迷惑にならないようにと思いながら、最近、被災地の会社を訪問すると、悪い話ばかりではない。

 災害によって、社員の会社への忠誠心も高まり結束した。あるいは、いち早く手を打って、回復が早かった企業もあるし、予想外だったのは、営業を1日も休まなかった卸商社。被災したが7月の売り上げが、前年同月に比べ103%と、伸びたメーカーの話も。

 もちろんそれには訳がある。卸商社は、本社は水没したが、倉庫が、本社のほかに、水害に遭わなかった地域に分散していた。

 水没しなかった倉庫からの配送に切り替えて事なきを得た。水に浸かった商品は、直ちに処分し、本社オフィスの回復には時間と経費を要したが、仕事をストップせず、卸商社としての役割を果たし得た。

 また、売り上げが伸びたメーカーは、本社工場のほかに、市外に工場を持っていて、生産の7割を市外の工場が担っていた。本社工場が水没、一時はこちらを閉じることも考えたが、スタッフが、機械メーカーとともに懸命に回復に尽力。それと合わせて、市外の工場に移って休日を返上してのフル操業。むしろ、売り上げがアップしたという。8月も好調だった。

 いずれも共通していたのは、本社のほかに、倉庫や工場が被災地以外にあって、水害の際にも、機能していたことだ。

 水害を想定しての分散ではなく、平常は、むしろ、管理上、コストがかかるし、目が行き届かないという懸念もある。2社は、ともに、管理はうまくいっていた会社だから、災害時に、分散のメリットを遺憾なく発揮できた。

 2社に限らず、本社のほかに、被災地以外に倉庫や、工場をもっていた企業は、災害からの復旧が早く、自宅と会社が、異なった地域にあって、いずれか一方が被災から免れた会社は、経営者の受けるダメージも少なかった。

 もちろん、災害に備えてそうしたわけではなく、事情があって、分散し、自宅と会社が別の場所にあっただけなのだが。

 再び、このような災害が起きてほしくないというのが被災者の共通の願いだが、災害時の危機管理を考えると、住宅、工場、倉庫などを1箇所に集中することは、できれば避けたい。

 確かに、分散すると管理コストがかかるし、技術も必要だろう。社長自身が通勤しなければならない。

 僕も、個人経営から株式会社にした当時、自宅と事務所を分けたので、しばらくは不便だったし、今でも、自宅で事務処理をしようとなると、書類などが不ぞろいで困ることもある。ただ、通勤も慣れれば、苦にならないものだし、逆に、書類のいるような仕事を自宅ではしないと割り切れば不自由はない。

 工場、倉庫などを分散すると、逆に社長自身が1人では手が回らなくなるから、社長の右腕、左腕を育てて、管理するようにするから、会社経営としては、マイナスばかりではなく、プラス面もある。ましてや、工場別、倉庫別に生産性の違う仕事を行い、回転率の違う商品を扱っていれば、管理しやすい面も出てくるだろう。

 企業が発展すればするほど、危機管理意識を高めなければならないというのが、今回の7・13水害の教訓であり、今後も起こりうる水害への備えである。






気温低下で急がれる家屋の復旧
  2004・10・15

 10月1日午前3時に目覚め、布団を抜け出し、冬物の寝間着を着ているにも関わらず、「寒さ」さえ感じた。

 起きがけでこれだと、じっとしてパソコンに向かっていると、夏風邪ならぬ、秋早々に風邪を引くかもしれないと、押入れに投げ入れたままの綿入れを取り出して着てみた。

 さすがに、まだ早いようだが、気温は、夜明け前まで下がり続けるのだから、しばらくは着ていようと決めた。

 東向きの窓のカーテンを引いて、戸外を眺めると、新幹線駅前通りのコンビニだけが、変わらない明るさで灯がともるだけで眠りに落ちている。

 空には薄い雲がかかり、既に西に傾き始めている月の姿を見ることはできなかったが、全体が明るんでいた。

 日本に上陸した台風の数としては8個目と最多を記録した台風21号の通過した後、雨のせいで、気温が下がり前日夕刻6時過ぎで、三条大橋に設置されている温度計が摂氏20度を示していた。

 今年は夏が暑かったし、秋になって、このまま、一気に寒い季節に移っていくとは考えにくいが、いよいよ、嵐南地域のほぼ全域と、嵐北地域の一部の、7・13水害の被災者にとっては、辛い季節の到来を予感させる。

 それを敏感に感じているのは被災者自身であることは、被災地を、毎日、車で走っているだけで、感じ取れる。

 営業を少しでも早く再開しようと、まず、店舗や、工場の復興を先駆けて行っていた事業所だが、最近は、住宅の補修が本格化している。

 家族が、窮屈でも、2階で寝起きできる家庭では、できるだけ、泥に浸かった床下の土や土台、柱などがよく乾燥するのを待っていたのだろう。

 大工さんが、引く手あまたで足りない状況。さりとて、知らない大工さんに頼みたくないというので、待っていたせいもある。もちろん、被災後、復旧にどれほどの資金が要るのか、どう手当てするのか思案して、ようやく、修復の目安もついて、着手したという被災者もあるだろう。

 いずれにしても、ガラス戸1枚でも、閉めておけばよかった残暑の季節は終わりに近づいている。今から工事をしなければ、寒い11月、12月での完工は難しくなる。待つのも限界に来ている。

 被災地の金融機関では、災害後も、7月、8月と預金が増え続けてきた。保険金や、見舞金など収入があったし、使う方は、慎重で、様子を見ながら使っている。復旧にどれだけお金がかかるか分からないのだから、財布の紐はいやがおうでも固くしなければならなかったのだろう。

 すなわち地域経済は、硬直化しているといえる。もっとも、本当にお金が動き始めたのは、9月末頃の支払い時期からで、家の補修が始まり、完成するこれからが本番。果たして7、8月と同様に預金が増え続けるのか、逆に減るのか。注目して見ていかなければならない。

 久しぶりに、9月末に集金に出てみた。水害とはほとんど関わりのなかった須頃地域のあるオフィスで、泥にまみれ、千切れそうな札を拝見した。さすがに、それを支払いに向けられることはなかったが、被災者が、新札に両替することなく支払って行ったのだという。

 被災地のあちこちに水害の爪跡が残っているが、流通している泥にまみれ、傷んでいる札を見て、悲惨だった7・13水害を思い返すのは、僕自身が被災者だからだろうか。

 人並み以上に寒がりの僕だから、痛切に思うのかもしれないが、被災者の誰もが、寒い季節の到来までに、漏れなく、家の修復、暖房設備などの整備を終えることを願ってやまない。






県知事選 新人6人で短期決戦

 新潟県知事選挙が、9月30日告示され、立候補を表明していた新人6人が、立候補届けを済ませて、街宣や支持者回り、個人演説会など激しい選挙運動に入った。期間は、投・開票の行われる17日の前日、すなわち16日までの17日間。新潟県全県が選挙区だけに、長いようで短い選挙期間だ。

 特に今回は、現職の平山征夫県知事が任期満了で退任し、新人6人で争うだけに、全県に名前と思想、信条を直接伝えていくには時間が足りない。

 従来型の大集会などのほか、マスコミを利用しての宣伝合戦、あるいは、パンフレット、インターネットなどによるPRなど、前哨戦でさまざまな手法を駆使して戦ってきているが、知名度は浸透していない。

 特に、平山県知事が、長引く不況、国家財政の逼迫など財政事情が苦しくなる中で、箱物行政を展開、来年度は、収入不足で、赤字再建団体に転落するのではないかというような厳しい時だけに、県民に夢を売るような派手な公約もできない。

 手法はそれぞれ異なっても、行き着くところは、財政再建であり、垂れ流しの財政を、切るべきところは切り詰め、積極的に投資すべきところは投資して、財政的に足腰の強い新潟県にすることが主眼。

 そうした面では、よほど政治に関心のある県民は別としても、一般の県民は、興味をそそられない。もともと、道州制がささやかれて久しく、市町村の合併が進む中で、中2階の県は不必要なのではないかといわれているくらいで、県政の魅力は乏しくなるばかりだ。

 加茂市の場合は、今回、加茂市出身の前岐阜県新産業労働局長、泉田裕彦氏が立候補しているので、他市町村よりは関心が高まっている。

 後援会組織も、推薦団体の自民党をはじめ、支持している民主党の旧自由党、公明党、それに、他地域では多賀秀敏氏を支持しているはずの民主党まで支部長がずらりと名前を連ね、小池清彦後援会、金谷国彦後援会など多岐にわたり、産業界は、加茂商工会議所の政治組織、日本商工連盟加茂地区会が後援づくりの母体になるなど、加茂市挙げて泉田支援体制ができている。新潟市をはじめとした各市の商工会議所の政治団体などが推薦しており、県内の産業界の動きが活発化すれば、広く集票できる可能性がある。

 もっとも、経営者層が支持しても、労働組合はもちろん、未組織の勤労者も、言うことを聞かなくなっている時代。

 社民党系で、民主党推薦を得られなかったものの、連合新潟など労働組合をバックにしている多賀氏、加茂市に学校のある加茂農林高校OBや県庁OBなどの支援で、前回の県知事選で44万票を獲得、人気が低落していたとはいえ、現職平山氏に肉薄した元新津市長小林一三氏なども、金谷県議と加茂農林高校の同級生ということで、支持基盤はある。

 事実上の本命と見られるこの3氏の激しいレースの中で、泉田氏の支持率がどこまで高まるのか。

 隣三条市では、民主党が割れているが、自民党も、泉田支持と、小林支持に割れ、特に、前回平山県知事を押した自民党市議まで、加茂農林高校OBということで、今回小林支持に回るなど、むしろ前回の2人から、4人に増えている。

 泉田氏の実父が、加茂農林高校のOBなだけに、加茂市では三条市ほどには、小林氏の支持は広まらないだろうが、水面下の動きは侮れない。

 小林氏の立ち上がりの遅れが歴然だが、前回の実績を踏まえてどこまで票固めができるのか。

 各陣営とも、浮動票、あるいは無関心層にどれだけ浸透できるかが大きな鍵。投票率も含め、各陣営の得票の伸びが注目される。






乱戦、混戦模様の県知事選 多賀、泉田両氏軸に

 来年度には財政再建団体に落ちるかもしれない新潟県の新しい県知事を選択する県知事選挙が、9月30日告示され、出馬表明している6人の予定候補者が揃って届出を行った。

 しかし、全県1区の県知事選挙で、当選者が1人というだけに、組織、知名度などがないと、なかなか当選圏内で選挙を戦えない。

 組織では、自民党推薦、民主党の中の旧自由党勢力が支持し、県内の商工会議所の政治団体がこぞって推薦している泉田裕彦氏が、もっとも有利な立場に立っている。

 次いで、民主党の旧社会党勢力、社民党が支持し、労働組合などをベースにしている多賀秀敏氏。ただ、当初、民主党推薦が得られるものと思われたが、渡辺秀央参議院議員はじめ国会議員3人を擁する旧自由党勢力の反対の前に、結局、民主党本部は、告示前のぎりぎりの段階で、多賀氏の推薦決定を見送った。

 保守乱立で、絶対的に有利と考えられた多賀氏の民主党推薦見送りは、選挙を戦う上で不利な材料。

 泉田、多賀両氏については、保革の本命と見られているが、いずれも、個人的な知名度は低い。短期決戦で、どこまで、一般有権者に、名前を覚えてもらい、思想信条、政策などを理解してもらえるかが課題だ。

 一方、知名度で抜群なのは、元新津市長の小林一三氏。加茂農林高校OB、県庁OBで、前回の県知事選では44万票を獲得している。今回の選挙とは状況がまったく違い、現職の平山征夫氏を相手にして、多くの平山批判票が上乗せされたとみていい。それにしても、44万人の有権者が小林氏の名前を書いている事実は大きい。ただ、出馬表明が遅れたことで、加茂農林高校OB、県庁のOBなどの組織的な展開が軌道に乗っていないだけに、どこまで票を伸ばせるかは未知数。

 保守層を狙って組織的な展開を図っている泉田氏がいるだけに、農村部や建設関連などで伸びても、全県的に保守層をまとめて、革新勢力の多賀氏に迫ることはできないだろう。

 知名度では、小林氏に劣るが、現県議で、前上越市長の宮越馨氏も、上越市などを中心に、知名度がある。前回は小林氏を支援しており、今回は、出馬が出遅れているのと、全県での選挙運動が難しいことからか、パンフレットを作成して、有権者などに送り届けている。

 多賀氏が、新潟市や長岡市など大都市部で革新勢力をまとめて当選圏入りを達成できるか。泉田氏が、都市部の保守層にどこまで浸透を図り、保守乱立で分散しがちな票を糾合して、多賀氏に王手を掛けることができるか。また、多賀氏が民主党推薦を得られなかった弱点を突いて、民主党内の旧自由党勢力の票を基礎に、どこまで民主党の票を取り込めるかも、争点のひとつになる。

 先行する多賀氏、知名度の低い泉田氏が組織でカバーしながら、保守乱立のなかから、知名度の高い小林氏を振り切って急浮上し、当選圏に駒を進めることが出きるか。

 10月17日が投・開票日。行楽シーズンであり、不在者投票を含めて、どこまで投票率は伸びるのか。

 30日から投票日前日の17日間、乱戦、混戦模様の県知事選の戦いが繰り広げられる。






泉田予定候補、自民崩壊でどこまで浸透
  2004・10・8

 新潟県知事選の告示を間近に控え、出馬表明した予定候補者は、土、日曜日はもちろん、敬老の日、秋分の日もなく、全県一区の新潟県を懸命に走っている。

 それぞれの地元の案内役に言われるまま、連れ回され、村々の要人宅を訪ねて、選挙の支持を訴えていく。

 市町村の首長の選挙とは違い、衆議院議員選挙よりも広い選挙区を駆け回るのだから、靴を何足も履きつぶし、予定候補者自身、どこをどう回っているのかも分からない状態だろう。

 マスメディアを使っての出馬表明や、集会の報道などで広く県民にアピール。あとは、推薦団体に票集めを依頼し、各地区の選挙を知る議員や積極的に政治活動を展開している要人のところを回って、支援を頼むしか方法はない。

 今回の県知事選は、各政党とも、推薦を決めるに当たって、政治的にいたって不明朗な経緯をたどっただけに、政党の組織といっても、勝利するためには役立たない。

 予定候補者の知名度や支持者の集票能力に頼るしかない。

 知名度では、元新津市長の小林一三予定候補が、他を圧している。出馬表明が遅れたことと、政党の推薦を得られていないハンディをどこまで跳ね除けることができるか。また、年齢だけで高齢と推し量られるマイナス面を、本人が直接県民の前に顔を出すことで、元気振りをアピールできるか。

 その意味では、これまでの選挙とは違い、こまめに、各地区を回っている。

 加茂農林高校OBということで、農村地区には強い絆がある。県庁OBで、特に河川、都市計画関係のつながりが強く、市町村のOB、あるいは議員などに人脈を持つ。

 多賀秀敏予定候補が、新大の人脈や、民主党の支持基盤の上に乗っかって、連合、労働組合など革新の組織的な支持を得ながら、新潟市など都市部で集票を目指すのと好対照。

 民主党でも、旧自由党の渡辺秀央参議院議員のバックアップと、自民党の推薦を得た泉田裕彦予定候補。新潟商工会議所の政治団体新潟経済人連盟など、県下の経済団体の支持も取り付け、形の上では、保守本命に見えるが、知名度はなく、厳しい戦いを強いられている。

 泉田予定候補は、政治家としての資質、政治的な実力も試されていない。民主党の主流は多賀予定候補であり、自民党でも、表立って堂々と小林予定候補の運動をしている県議などがいる中で、自民党推薦は形だけ、押さえは利いていない。

 既に、小林予定候補の出馬から、多賀予定候補と小林予定候補の熾烈な戦いになると予測して戦線を組み立てている陣営もある。

 泉田予定候補の加茂市、出身校の三条高校などの関係で三条市などでも、支持者は増えるように見えるが、逆に渡辺秀央参議院議員のバックアップが、全県的にはプラス、マイナス半々の状態。

 ことここに及んで、自民党がなぜ泉田予定候補を推薦したのかと、自民党員の中から疑問の声が上がっている。 

 加茂市、三条市よりも、南蒲原、西蒲原などでその声が強い。

 新潟市、田中真紀子代議士のお膝元長岡市など都市部でも、自民党と、旧自由党の渡辺秀央参議院議員が足並みをそろえたことで、反発が出ている。自民党県連執行部の責任問題になるところだが、独自の候補を立てられなかった力のない執行部、党としての凋落は甚だしく、県知事選をもって、ますます信頼されない自民党に成り下がった。

 それだけに、今度の選挙は、民主党の多賀予定候補と、個人票、自民党の執行部批判勢力、無党派票を狙う小林一三予定候補の戦いを軸に、台頭してきた旧自由党勢力と、自民党執行部の力を頼る泉田予定候補が絡む構図になりつつある。加茂市、三条市だけ見ていては分からない奇妙な現象が、南蒲、西蒲などで見られる。県議宮越馨予定候補のお膝元上越市などではどう展開しているのか。






9月定例会真っ盛り 将来に向けて重要な議会に
  2004・10・5


 各市町村では、9月定例議会で、行政の当面の課題について、理事者側と議員の応酬がみられる。

 三条市議会は、重藤規夫記者が担当している。7・13水害について、一般質問などで本格的な論議が始まったことから、いつになく緊張した議会の取材を続け、市議別ではなく、質問内容別に組み立て直して記事に仕上げており、理解しやすい。読者の立場に立って校正しながら、成長振りを確かめている。

 燕市議会、栄町議会は、外山敦洋記者が担当。

 先の任期満了に伴う市長選で、再選された高橋甚一市長が、まずは、公約の燕、吉田、分水の3市町合併を平成18年3月までに達成する決意を新たにして臨む構えだ。

 同時に行われた市議補選で、まず、3市町合併を果たした暁には、寺泊町、弥彦村などを含む県央地域の大同合併を公約に掲げる中山眞二市議が誕生。

 県央東部合併を反対していた古寺正晴市議が亡くなって、欠員を生じたための補選だから、その意味では、市議会の勢力も変わる。中山市議は、出馬、当選にあたって尽力してくれた酒井基市議と志が同じ。酒井市議が、県央東部での合併推進派だったはずの燕和会が、その面ではトーンダウンしていると感じていることから、同会派を出て、中山市議と2人の会派を結成。9月16日、「大きな夢の会」として会派届を出した。

 合併問題のスタンス以外は燕和会と同じスタンスなので、視察などは同行する構え。

 ただ1人、会派に所属していない田辺博市議を含めて、市議会は微妙なバランスになる。もっとも、県央東部合併問題が、今回の市長選をもって、一応終息したので、既に市議会を二分するような事態はそうないだろう。

 加茂市議会担当の廣川和子記者は、今週、タウン紙「PALGE(ぱるじぇ)」の取材、編集で、加茂市議会と、田上町議会は、僕が担当する。久しぶりに田上町に出向いたら、県央東部合併から離脱し、当面田上町単独で進むことにした同町の財政の困窮振りを目の当たりにすることになった。先月末、広報の号外を出して町民の理解を得るようにしているというが、内容は本号で読んでもらうとして、惨憺たる状況。

 それを分かっていて、合併反対、あるいは、新潟市との合併などと呑気なことを言いふらしてきた反対派、新潟市との合併派、それを説得できなかった佐藤邦義町長以下理事者側、そして、ほとんど合併の意味を理解しようとしなかった町民。

 まさに、財政的に弱体な小規模の自治体であり、自らの努力で、これまでしてきた借金(起債)の返済と、建設した施設の維持費、職員の給与を払うために、汲々としていなければならない。

 切り捨てられるのは、もっとも弱い立場にある町民への支援、補助などである。合併反対の急先鋒を務めて来た共産党議員はどう考えるのか。

 加茂市議会は、市議5人が、加茂市長を告訴した加茂美人の湯問題。今、全国的に温泉と称していながら、真水を沸かして社会問題になっているが、小池清彦加茂市長は、一切秘密にして事実を公表していない。果たして温泉は出ているのか、出ていないとしたら何の水を沸かしているのか、また、出ているとしたら、どの程度なのか。入湯税を減額したくらいでお茶を濁しているが、今議会でも骨のある市議は追及の手を緩めないだろう。

 さて、新燕市の将来のことを考えて、今回は、吉田町議会の一般質問を聞いた。吉田町も古い歴史持つ町。国道116号線沿線や越後線北吉田駅周辺の開発が進んできたが、町全体としては、昔のままの集落も多い。工業出荷額が燕市を上回るほどで、一時は20億円を超えた財政調整基金(貯金)も、今は数億円に減っている。大型の公共施設が目立ち、その維持管理費やこれから本格化する公共下水道の整備事業などで、財政は決して楽でない。

 国道116号線のバイパス建設工事はこれからで、発展の可能性は大きい。3市町の合併では地理的に中核となることが、高橋燕市長の再選で決定的になった。

 それにしても、新三条市、新燕市の2つが、一方で大合併のロマンを語り、他方では、企業誘致を含めて、新たな都市づくりで競い合うことになる。

 この関係市町村の9月定例会は、さまざまな意味で、記者にとっても、読者にとっても、重要な議会になる。