農業水利施設の更新課題に
三条地域振興局農業振興部長 鈴木国男さん(57)
 奉職35年の職歴のなかで、一貫して農地部関係の部署や出先機関に勤務してきた。専門は、ほ場整備や農業用水、排水などを整備する農業土木で、県央地域への赴任は今回が初めて。

 県央地域について「平成20年度末の速報値で70%超と、ほ場整備率が、管内は県平均を上回っている。なかでも加茂郷、田上郷は輪中地域のため排水に大変苦労した跡が見て取れる。米づくりをベースに、果樹や大豆などの出荷額も多く、園芸農作物の出荷額は県下2位で、赴任前に考えていた以上に、地域の農家は農業に一生懸命取り組まれている」と、話す。

 推進方針として、県央産米のブランド力強化や売れる農産物づくり、環境と調和した農業生産、食の安心安全の確保、農業を継続的に発展させる生産基盤確保改善、担い手や農業生産法人の支援、地域特性を生かした農業・農村振興などを掲げる。

 米づくりについては「20年度産米は一等米比率が85%となっており、これを継続的に維持したい。うまい米づくり、環境と調和した農業生産のため、農家が現在行っている慣行栽培に比べ、農薬、化学肥料とも使用量を3割減らした『減減栽培』を指導していく」と言う。

 売れる農産物や、地域特性を生かした農業振興については「稲作と果樹などの特産物を生かした複合経営、特別栽培の認証活用、農商工連携による新たな販売ルート開拓」とし、にいがたフードサポート研究会の活動に期待しているほか、設立後間もない農業生産法人などを積極支援する。「高齢化が進んでいるとは言え、しっかりとした後継者による世代交代も進んでおり、将来性の高い土地と考えている」とする。

 当面の課題は、古いもので昭和40年代に建造され、更新時期を迎えつつある農業水利施設の更新や改修で、「県の財政が厳しいなかで、適正配置や機器の簡略化も含めて計画的に更新を進める。信濃川のおかげで渇水は心配ないが、集中豪雨の発生も懸念される。公共事業と言っても地元負担を要する事業であり、農家経済を盛り上げながら、施設の更新を進めたい」と、専門家として気を引き締めている。

 旧中里村出身で、現在は長岡市在住。趣味はウォーキングやクラシック、ジャズなどの音楽鑑賞。テニス、野球などスポーツ好きで「体を動かすことでリフレッシュする」と温和な笑顔を浮かべた。 
                                                (外山)