大震災影響県央にも、官民協力し乗り切りたい
新潟県三条地域振興局長 岡田伸夫さん(56)
 4月1日付で新潟県教育委員会教育次長から着任した。

 昭和52年に奉職。主に企画や内部管理の部門で勤務し、平成16年からは総合政策部市町村合併支援課長、平成17年から総合政策部情報政策課長、平成19年から教育庁総務課長、平成21年から新潟県教育委員会教育次長と歴任。

 「市町村課だったころに新潟市と旧黒埼町の合併があった。合併の1ページ目から関わってきた」と話す岡田局長。当時、合併推進室の室長を務めていた三条市の吉田實副市長、燕市の菊地剛副市長らとは顔なじみ。

 二転、三転した県央地域の合併。当時を振り返り、「県の立場としても合併のパターンを出したが、住民の意見を踏まえて合併の枠組みが変わるのは当然のこと。ただ、合併特例法のことがあったのでタイムリミットは常に気になっていた」と話す。そして、新潟県では当時112あった市町村が30市町村にまで減った。「各市町村の首長さんが熱心に取り組んでくれた結果」と感謝する。

 三条地域振興局での勤務は初めてで、県央地域の印象は「地場産業のメッカという認識だったが、まさにその通り。それだけに地場産業の活気が地域の活気にストレートに結びついている。日本全国、世界の景気の情勢が結びついていると感じる」。

 現状については「リーマンショック以降、落ち込んでいた税収も少し持ち直していたところに今回の震災。話を聞くと、直接的、間接的に影響を受けている企業もあるよう」とし、産業界にとっては夏の電力不足への対処もポイントと、「県でもピークカット15%大作戦を提唱しているが、燕商工会議所からはサマータイム導入の相談も受けている。各業界でも知恵を出し合って、この危機を乗り切ってほしい」と、官民一緒になって計画停電の危機を乗り切りたい考え。

 三条地域振興局が管轄する三大整備事業の国道403号線バイパス、国道289号燕北バイパス、国道289号線八十里越え。中でも国道403号線バイパスについては「予算がつかずに厳しい状況だが、全通させることが一番。幅員の調整でコストカットしたりと、知恵を絞って1年でも早く完通させたい」との方針で取り組む。

 また、昨年県境の9号トンネルが貫通した国道289号線八十里越えについては、國定勇人三条市長が観光面、医療面での暫定供用の考えを示しているが、「話は聞いているが、その場合は安全面を確保しないといけない。例えば旧道を暫定供用する場合に安全面を確保するために数億円がかかるとして、そうした方がいいのか、あるいは、その予算を本道に充てた方がいいのか。市や国の意見も踏まえた中で協議し、実現可能性について検討したい」と慎重姿勢。

 今年度、新たな取り組みとして考えているのが「ピンクリボンほっと語らい温泉街づくり事業」。乳がん手術後の女性への支援や乳がん予防の啓発活動を湯田上温泉や弥彦温泉と共同で進めていこうというもの。「女性の情報交換、クオリティオブライフの手伝いができれば。合わせて自分で行う検診方法や予防など啓発に取り組みたい。そのきっかけづくりになれば」と岡田局長。今後、具体的に話し合いを進めていく。

 農業面では、昨年の春先の冷害と夏の高温で大打撃を受けた管内のコシヒカリの一等米比率については、同じ轍を踏まないよう、今年度から管内の農業者七人を新潟米管理対策推進人として委嘱し、担い手農家に情報提供するなど売れる米作りに取り組む。

 観光面では、産業観光の振興に力を入れる。特に岡田局長が考えているのが、大河津分水や大島頭首工、大谷ダムなど治水施設、農業水利施設に着目した仕掛け。「徹底的に水を活用するという江戸時代からの努力はすばらしいものがある。どれだけの人の興味があるかは分からないが、素材としてはおもしろいのではないか」と、地場の工場見学などの産業観光と合わせ、新たな観光メニューの提案や実際のビジネスに結び付ける検討を、関係機関と一緒に進める。

 出身は新潟市秋葉区で、現在も秋葉区の自宅から通っている。

 「筋がね入りの無趣味」と話す岡田局長。「合併の担当だったころは、各地を回ってラーメンの食べ歩きが好きだった。最近はやっていなかったが、せっかく三条に来た。カレーラメン、背油ラーメンとまた食べ歩いてみようか」。
                                             (石山)
 2011年04月19日本紙掲載