県平均上回る1等米比率、復活を
新潟県三条地域振興局農業振興部長 宮里圭一さん(56)
 県平均を上回り95%だった1等米比率が、昨年の猛暑・少雨などによる全県的な1等米比率の低下で、県央地域では県平均の21%を下回る10%にまで下がった。今年は、優秀だった1等米比率を例年通りまで回復したい―。

 農家所得の向上と持続可能な農業の実現は不変のテーマ。昨年、米の品質低下と米価下落により大幅に低下した農業所得の向上を掲げる。兼業農家の多い県央地域、担い手への農地集積は進めながら、小規模でも成り立つ農業を支援する。

 「信頼される県央地域米」生産をと、今年度、追肥や、水管理など適切な稲作情報を個々の農家まできめ細かく発信する新潟米管理対策推進員を管内に7人配置した。予測が難しい気候の変化に対して「その都度、個々の農家まで的確な情報を流したい」とする。

 等級だけでなく食味の面でも、コシヒカリの区分集荷・販売の促進につとめ「県央地域米」のブランド化を進めたい考えだ。区分集荷は、米の含有たんぱく質が6・5%を超えると食味が低下することに着目。農協やその他の組合、法人で、これを考慮した集荷、販売を行うことでおいしい県央地域米をブランド化するもの。

 イチゴの越後姫に代表される稲作経営体への新園芸導入支援にも取り組む。越後姫以外にタマネギやブロッコリー、アスパラガス、中山間地では自然薯(じねんじょ)などを推奨、越後姫に勝るとも劣らないブランド化を目指す。

 ブランド化に成功した越後姫は県内全体で栽培面積が1ヘクタール不足しているため、県央地域でも現在より約13アールの栽培面積増を目指している。

 弥彦村ではイチゴの観光農園と旅館組合のタイアップで取り組まれているという。

 「独自事業化など確実に取り組む農家が増えており、マインドは高い。やればやっただけ実入りのあるものもあり、しっかりと支援したい」と話す。

 放射性物質による農作物の風評被害対策としては「県全体で情報を発信しており、今のところ県産作物では報告されていない。農業振興部としても対応策を練りたい」とする。

 昭和53年に新潟県へ奉職し農業土木技術職として、長く農地や灌漑用水、排水、農道などの整備事業に携わってきた。30年から40年と老朽化の進む管内の農業排水施設についても、早期の機能診断と適切な補強、補修により長寿命化、機能維持を図る。

 三条地域については県庁農地建設課課長補佐時代に7・13水害が発生。管轄していた旧栄町の刈谷田川排水機場に送電している三条市内の変電所の電線が水没しそうだと、電力会社から送電を止めるよう求められたが、排水機場を止めることで旧栄町の半分以上が水没する可能性もあり、ギリギリの折衝と排水機場への土のう積みなどで対応した思い出が印象深いと振り返る。

 三条地域振興局には農業振興部の前身、三条農政事務所時代の平成9年から11年まで勤務。やはり旧栄町の圃場整備事業に現場監督として携わった。「生産組合もあり、農業に対して一生縣命という印象。圃場整備も終わり、大型機械が動いている様子を見ると感慨深い」と話す。

 趣味は囲碁とラーメンの食べ歩き。「もともと背脂ラーメンが大好きだが、今は三条カレーラーメンのスタンプラリーに挑戦している」と笑顔で話した。
                                             (外山)
 2011年05月14日本紙掲載