クロスオーバーで新たなものづくり
新越金網(株)の山後春信新社長に聞く
新潟県燕市小関、新越金網(株)は、4月21日から山後信二社長が会長に、山後春信常務が社長に就任した。
山後新社長は「自分たちはものをつくる、製造工場であるという原点に戻る必要がある」とし、新たな新製品づくりに意欲的だ。
山後新社長は、現在44歳。同社の常務としてだけでなく、アウトドア用品の「ユニフレーム」事業部を立ち上げ、統轄してきたこともあり、新たに社長に就任した感想についても、「今までもトータルで見てきたので、あまり変わらない。でも、今まで以上に頑張らなければと思う」と淡々と語る。
同社は現在、新越金網の業務用、家庭用、ユニフレーム、R&Dと、四つの窓口を持っている。
業務用、家庭用、ユニフレームは自社ブランド製品を扱っているが、R&Dは、ステンレスを使った一部電気を組み込んだ工業製品や、理化学実験の器材、病院で使う特殊使用の入れ物や部品などをオーダーメード加工する、言わば下請け業務部門。
このように窓口は四つあるが、すべて同じ工場で作っている。「これらをいかにクロスオーバーさせていくかが、今後の課題。例えば、業務用は耐久性や衛生面、異物混入などがないようにすることが課題。家庭用はデザイン性とコスト。では、この業務用の耐久性と家庭用のデザイン性が、キャンプ用品に無用かと言えば、そうではない」ということから、「4部門あるが、お客様は別々ではなく一緒かもしれない」との持論を持つ。
クロスオーバーに関しては、社内はもちろん、他のメーカーとの連携も挙げており、「いずれにしても、ものを作るということが大前提」とする。
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同社は主にステンレス製品を手掛けているが「ステンレスが得意というだけで、特にこだわっていない」とし、よい素材があれば積極的に取り入れており、最近ではシリコンを組み合わせた製品も売り出している。
4部門で一番伸びているのは、家庭用品。家庭用品は以前からあったが、一時中断しており、2、3年ほど前から復活したもの。現在では、6、70アイテム揃っている。
「業務用は必需品で、作業効率が重要視される、シビアな業界。キャンプ用品は、完全な道楽。その間がキッチン用品」と位置付け、「家庭用品自体、売場が少ないものの、『もっとおしゃれなものを』と求めている奥さんなどがいる。調理器具などキッチンウエアの専門店がないのは、先進国の中で日本だけではないだろうか。だからこそ、キッチン用品の充実を図りたい」と話す。
同社では、昨年、東京営業所を豊島区内のビルの2階から、千代田区九段南に移し、ショールームを設置した。「キッチン用品にしろ、キャンプ用品にしろ、サンプルができると、すぐにショールームに持ち込み、反応を見る。好感触なら本格的な生産に入る。当社は売れた分だけ作るので」と笑う。
同社の家庭用品は、同ショールームと生協で販売しているが、「どちらも反応が分かりやすくていい」とするものの、将来的には、県内にショールームを設置することも視野に入れている。
山後社長は「私たちは、ものを作る製造工場。この原点に新たに戻る必要があると思う。お客様が何を求めているのかも大切だが、自分たちに何ができるかを理解することが、もっと大切。エンドユーザーは何が欲しいか言えるが、その会社が何を作れるのかは分からない。それを知っているのはメーカー」とし、「今、『ニーズに対応』では遅いと思う。欲しいと思った瞬間が、一番の売り時で、適正な価格がいただける時。エンドユーザーの先を行き、どれだけ提供できるかが大事」とする。これらの考えを踏まえ、山後社長は「とにかく、いろいろなものを作っていきたい。きっといろいろなものができると思う」と、新たな製品づくりに意欲を燃やしている。
(廣川)
