日本の未来捨てたものではない
杉野三条信金理事長 新潟経営大で講義
新潟県加茂市希望ヶ丘、新潟経営大学(蛯名保彦学長)が学生や一般市民を対象に開講している総合講座で、10月23日、新潟県三条信用金庫の杉野良介理事長が講師を務め、金融や経済について話した。
杉野理事長は、同講座開講当初に講師を務めて以来、2回目。
実質GDP成長率の推移や今後の見通し、日米の産業別生産性、業態別金融機関数の推移などの統計やグラフをまとめたレジュメを元に、統計表の見方や、「底入れ」「底ばい」「底割れ」など、最近よく耳にする経済用語の解説を加えながら話を進めた。
杉野理事長は、介護や年金、金融機関の不良債権問題などを挙げ、「株もダメ、景気もダメ、ものを作れば中国にやられる。国債も先進国では最低レベル」としながらも、「ゼロ成長、マイナス成長と言われる中、GDPはアメリカに次いで2位、貯蓄は1400兆円あり、世界一海外援助をしていることなどから、今は大変だが、決して捨てたものではないと思っている」とし、輸出入の推移やIMFの実質GDP成長率見通しなどを用いて根拠を説明した。
「日本には中小零細企業が500万社あり、これらが日本を支えている。中には、世界に誇れるものを作っているいい企業もたくさんある。大企業じゃないからと悲観しないでほしい」と、自身の経験談を交え、就職難時代の学生にエールを送った。
小泉政権の構造改革については、「流通は終わった。これからは建設、金融」とし、アメリカと比べ、労働生産性が低い分野が多くの雇用を抱えていることから、「この部分を構造改革しなければならない。もっと生産性の高いところに優秀な人材を入れた方がいい」と述べた。
構造改革の歴史として、鎌倉時代の2度にわたる蒙古襲来に始まり、織田信長による下克上、明治維新、第二次世界大戦敗戦と、今回に至るまでの経緯を簡単に説明。「今回は不良債権問題と特殊法人改革。特殊法人に手をつけようとすると、いろんなところから反対を受ける。しかし民営化すべきだ。また、ペイオフが2年延期になったが、妥当な判断だろう」と話した。
日本の金融システムについての説明の中で、「都銀の中には、公的資金を導入しなければダメになると言われているところもある。今の日本の金融を支えているのは、地銀と信金」とし、「自分のところの宣伝みたいですが」と苦笑いする場面も。
最後に、会社の創業、廃業件数の推移のグラフを示し、「ベンチャーとは小さい企業がたくさんできることだと思う。その企業が上場するなど、素晴らしい企業になればいい。確かに廃業も多いが、それ以上に新しい企業もできており、希望がもてる」と、講座を締めくくった。
(廣川)