新潟県指定天然記念物 西明寺の大モミジ枯れる
「子どもたち」はすくすく
新潟県三条市吉田、西明寺(佐藤明臣住職)の樹齢400年と言われる大モミジが枯れてしまった。
同寺の大モミジは、学名イロハカエデといい、秋の紅葉を代表するもので、庭木としても植えられ、園芸品種も多い。
昭和55年3月25日に三条市の、翌年3月27日に県の指定天然記念物となっている。
この大モミジは、明治32年、本堂が全焼する火災が発生した時、幹の腹の部分が燃えてしまったことから、脇からしか水を吸い上げなかったが、毎年11月15日ころになると、見事に紅葉し、訪れた人を楽しませていた。
この見事な枝振りから、三条市在住でさまざまなネーミングや、歌の作詞でおなじみの長橋正宣さん作詞、平野伸一さん作曲の「もみじ慕情」が出来たほど。
しかし、年を追うごとに少しずつ弱り、数年前には雪の重みで、枝が折れたほか、3年ほど前からカミキリムシが木に入ってしまった。県の命令で、市が業者に駆除を依頼。防虫剤のほか、栄養剤なども入れたが、ことしは春に一旦、芽が出たが、夏の暑さで枯れてしまった。現在は、幹や枝に添え木をして支えている状態。
佐藤住職は「これだけ見事なモミジが枯れたのは、とても残念。『来年、また芽が出るのでは』と言う人もいるが、難しいだろう。毎年、このモミジの紅葉を楽しみに来る隠れファンもいるが、今は、見に来た人たちの頭の上に、枝などが落ちてこないか心配」と、寂しそうな表情を浮かべ、「時々、檀家の人が歌った『もみじ慕情』を聞いて、在りし日の姿を懐かしんだりして、家内に笑われている」と照れ笑い。
同寺に来ていた造園業者は「やはり、生きているものには、例外なく寿命がある。大モミジが枯れた原因の一つに、寿命もある。しかし、大モミジの周りには、その子どもたちが芽を出し、育っている。また、この大モミジのように育つ可能性もある」と話す。
なお、大モミジは本堂の裏手にあり、初めて来た人には分かりにくい。同寺では、「一声かけてくれれば案内します」と、ベルを鳴らすよう呼びかけている。
(廣川)