渡辺三条商議所会頭強く要望 上海に現地事務所を
県主催 上海調査報告会で
 新潟県国際経済課が、8月末から9月中旬にかけて行った上海地域の調査報告会が、10月21日午後3時から、三条・燕地域リサーチコアで開かれ、調査に赴いた県職員が上海の現状などについて紹介。その後の質疑では渡辺勝利三条商工会議所会頭が、中国の経済の中心となりつつある上海の現状を民間に有益な情報として提供できるよう、アクションプランの要望項目にも掲げている「上海に県現地事務所設置」を強く要望したが、県職員は「現地事務所については、現在まったくの白紙状態」と述べるにとどまった。

 上海調査は、アクションプランの一環として「地場産業の事業展開の可能性を探るとともに、県としての支援体制をどう整えるか検討する」ために行ったもの。県国際経済課から二人、県工業技術総合研究所から二人の計四人と、途中から産業労働部長が加わった。

 調査は、上海市内の経済状況のほか、県内地場産業に関わる繊維・アパレル産業、洋食器・ハウスウェア産業、金型、鋳造、鍛造等の金属加工業の31企業・団体を調査。この日は、このうち、洋食器・ハウスウェアと金型、鋳造、鍛造の金属加工業の計13企業からの調査結果を総合的に紹介した。

 この日の報告会には、三条、燕両市の業界関係者50人ほどが参加した。

 上海市は、人口1600万人ほどで、2010年の万博に立候補し、都市基盤の整備が急速に進んでおり、都市部では「日本と変わりない状況」。経済圏を上海市内だけでなく、半径300キロに広げてみると、人口は2億5000万人で、日本と同等の市場であると報告された。ワーカーの月給は500元から1100元(7500円から1万7000円程度)。

 外資系進出のための賃貸工場の整備も進んでいる。

 調査を行った企業のうち、洋食器・ハウスウェアは、五金の都・永康市にあり、日本、欧米の商社からの委託生産が主流で、中級から高級品を生産。高級品の素材は日本から輸入しているが、材料費の価格差はほとんどないという。

 中国国内では、近年、ステンレス製品が普及しており、ブランド志向が強く、欧米製品が売れている。

 機械加工業では、立ち上げて数か月で黒字に転じるなど発展している一方で、技術力が頭打ち状態で日本企業との提携を望む声が出ているという。また、日系進出企業は、日本では営業活動のみで生産機能をシフトしているとの報告だった。

 質疑では、渡辺会頭が、これらの報告に対して「ジェトロに聞けば分かるようなこと」ではなく、上海に現地事務所を設置して、有益な情報を提供することを要望。

 県側は「上海に事務所を置いて、そのようなことができるかという声を汲み取れていないのが現状」、「産地の声と個々の企業の声にギャップがあるように思える」、「現段階では設置するかどうかも白紙状態。方針を出す際にはぜひ意見を」などと回答。

 これに渡辺会頭は「ある程度の規模の人ならば、進出できるだろうが、小さい人が協力して進出する場合などは、行政の底上げ支援が必要。また、中国はASEANとの接近も進めており、上海は、その変化が現れてくる場所でもある」と強く要望した。

 また、他の出席者からは「施設を設置しても県がどれほどの情報を提供できるかという問題もある。予算だけ出して地元にまかせるなど、即座に工場進出ができるような支援を」との意見を出していた。 
                                                (重藤)