地域の医療と福祉支える 総合福祉ゾーン完成
新潟県下田村・社会福祉法人しただ
 新潟県下田村の社会福祉法人しただ(北澤幹男理事長)は、下田村の協力のもと、下田村庭月に、同村初の特別養護老人ホーム、ケアハウス、在宅介護支援センターを開設、10月15日から入所者などを迎え、動き始めた。

 新施設開設により同所は、総合的な福祉ゾーンとして、地域医療、地域福祉を担うことが期待されている。

 大瀧厚子施設長は、「介護者のペースではなく、お年寄りの生活に寄り添う介護をしたい」と意欲を見せる。

 同施設は、下田村長野、介護老人保健施設「いっぷく」、訪問看護ステーション「とんぼ」、かもしか診療所に隣接して建っている。特別養護老人ホーム、ケアハウス、在宅介護支援センターとも、すべて名前は「いっぷく」。北澤理事長のアイデアで、年配の人も覚えやすいように統一したもの。

 平成12年の夏ころ、特別養護老人ホーム、ケアハウス、在宅介護支援センターの3事業開設の話が出た。その後、開設に向けて法人化を進め、平成13年2月28日に認可、3月14日に登記となった。

 工事は、平成13年9月1日から着工し、ことし9月30日が引渡し日だった。総敷地面積が6624・08平方メートル、延べ床面積が5919・58平方メートル。鉄筋コンクリート4階建てで、総事業費は15億4675万5000円。建物外観は、ほかの施設との統一感を出すため、色調を合わせており、内装も随所に木を使い、ぬくもりが感じられるようになっている。

 水回りは「水色」、個人スペースには「赤色」、職員が使うところは「黄色」というように、各部屋のドアの小窓に色を塗り、入所者、利用者に分かりやすいようになっている。

 特別養護老人ホームは全室完全個室で、入所50床、短期7床。

 同ホームの特徴は、県内2番目となるユニットケア制の導入。10室ほどを1ユニットと考え、そのユニットごとにスペースを設け、食事や趣味の活動などをしてもらう。同ホームでは、介護者一人に対して、介護される人3人とする国の基準より多い、1・78人とし、よりよいケアを目指す。

特養の浴室 個室は、8畳ほどの広さで、イス、ベッド、クローゼットと、必要最低限のものだけが備え付けられている。これは、入所者が自宅にいた時と同じようにくつろいでもらうため、自宅からたくさんの荷物を持って来ても置けるようにとの配慮から。ショートステイ用には、たんすもある。

 食堂のイスも、入所者一人ずつに合わせて作られ、自分のいる場所を確認できるよう、ユニットごとに雰囲気を違わせているほか、お茶会などもできる和室も用意。

 浴室は、一人ずつ入れる浴槽と数人で入れる大きなもの、寝たまま入れるものが一か所にあるため、職員の目も行き届く設計になっている。

 ケアハウスも、30戸全室個室。広さは8畳ほどで、ちょっとした料理のできるキッチン、洗面台、クローゼットが備え付けられている。浴室は二つあり、日替わりで男女入れ替える予定。一つは、数人で入れる大きな浴槽で、もう一つは、一人用の浴槽が二つあるもの。これは、熱さを好みによって変えるなど、細かなニーズにも対応できる。

居酒屋風の交流スペース 地域交流スペースは、居酒屋をイメージした設計で、入所者と職員、家族、地域住民らの交流の場としての工夫が凝らされている。また、ゲートボールの試合もできる多目的体育館もあるほか、ベランダデッキには、イスとテーブル、ガスコンロも設置してある。

 そのほか、庭に池や畑などもあり、自然環境にも恵まれている。

 なお、同ホームには、定員50人に対し、200人ほどの申し込みがあり、すでに150人が待機状態。今回の入所者は、男性16人、女性34人で、夫婦も3組いる。

 大瀧施設長は、「介護者のペースではなく、お年寄りの生活に寄り添った介護を進めたい。在宅介護を支援するために始まった介護保険も、いつのまにか施設に入れた方が安く、楽だという方向に流れてしまっている。入れて終わりでは、福祉を支える機能としては不十分。私たちは、在宅、施設と両輪を成し、地域福祉を支えていきたい」と語る。
                                                (廣川)