地域おこしに必要な3つの『ア』
新潟県下田村で「知事とのふるさとを考える集い」
 平山征夫新潟県知事は、11月12日午後1時半から、下田村庭月、漢学の里「諸橋轍次記念館」で開催された、「知事とのふるさとを考える集い」に出席し、地域住民と意見を交換した。

 平山知事は、市町村合併や河川公園整備、八十里越、県立月ヶ岡養護学校に隣接する斎場建設計画などについての質問に答えた。

 この日は、下田村をはじめ、三条市や加茂市などから150人ほどが集まり、知事の話に耳を傾けた。

 初めに平山知事は、地方分権について、「親からの仕送りを子どもが言われた通りに使っているうちは、自立しているとは言えない。子どもが自分で稼ぐようになり、自分でやりくりを考え、工夫するようにならないとダメ」と例を交えて話した。

 行政のシステムについて、「今までのような縦割り、横割りでは、予算を工夫すればできるものも、できないことがある。そこで、土木や農業など、さまざまなものを組み合わせ、総合行政ができるよう行政を組み直した。これらをうまく組み合わせ、どれを優先的にやったらいいかなど、住民が参加して地域発展のために意見を出してほしい。国と県、市町村の連携はもちろんだが、企業、住民、ボランティアなど、人材や組織の結びつきで変わってくる。官民の枠組みを外し、一番良い計画を作っていきたい」と、地域住民の積極的な参加を求めた。

下田中学校の生徒も発言 平山知事との意見交換では、三条市や下田村在住の9人の発言者が、市町村合併や五十嵐川下田大橋下の河川公園整備、県立月ヶ岡養護学校に隣接する斎場計画などについて質問した。発言者の中には、下田中学の生徒もおり、市町村合併や交通整備などについて意見を求めた。

 市町村合併について、平山知事は「明治、昭和と大きな合併があり、その都度、市町村数が3分の1ほどになってきた。戦後行われた昭和の合併は、それまで県が担当していた中学校を市町村に担当を移したことが大きな要因。中学校を維持するために人口8000人をメドに合併を進めた。今の合併にも似たようなことが言える。中学1校持つために、全国的に見ると人口が1万3000人ほど必要。県内では1万3000人以下のところが多い。では、2、3の市町村で一緒に一つの中学校を、ケンカせずに持つことができるのかというのが、裏返しである。こう言うと押し付け合併になるのであまり言わないが、どこに設置するかだけでももめるだろう。行政はいろいろなサービスを行っているが、今はニーズも多様化しており、対応するにはある程度の大きさが必要だ。効率など、さまざまな面から、昭和の合併から50年経ち、今後50年を考えたとき、どういう体制がいいのか、どういう力を持っていくべきかを考えた方がいい。合併すればよくなるのではなく、どのように合併をすればよくなるのかが重要。よく議論し、合併に意味がないと思うならやめればいいし、いいと思ったら前向きに検討していけばいい。平成17年3月末までの期限を考えると、来年3月までには法定協議に入らなければならないし、どういった地域振興をするのかも問題になる。支援が厚く出る、一体感を出すためのものに取り組むなら、合併特例債を使い、国の事業に乗ることが得策」とした。

 また、「大事なことはどういう合併をするか、どういうまちにするか。合併は手段の一つ。合併の説明会を始めた当初、『手段としての合併は分かるが、地方分権は地域の個性、価値を守るためにある。合併することで個性が消えてしまうのではないか。言っていることが矛盾している』との意見があったが、その通り。合併して大きくなってできた新しい個性はもちろん、個々の個性も大事にしていかなければならない。私は地域を興すのに、『アイデンティティー』『アメニティ』『アクティビティ』の三つの『ア』が必要だと思っている。特に『アイデンティティー』が大切」と説明した。

 河川公園整備については、「ロケーションがよく、地域ニーズがあり、需要も上がってきている。合併後も地域振興の場になるなら、支援をしていきたいと思っている」とした。

 県立月ヶ岡養護学校に隣接する斎場問題については、「2年近くもめていると言ってもいいだろう。墓地、埋葬等の法律では、知事の許可が必要となっているが、平成12年に市町村長に委譲したため、三条市長が権限を持っている。まだ三条市長がジャッジを出していないうちに私の立場で発言することはできないが、十分意見を聞くように言っている。私は住民の理解を得るべきだと思う。十分に話し合うよう指導する」と答えるにとどめた。

 会場に集まった人たちは、知事や発言者の意見を真剣に聞き、中にはメモをとる人の姿も見られた。
                                                (廣川)