三条工業会が鍛冶職人育成講座
プロがプロに3年間で技伝授
(協)三条工業会(斎藤弘文理事長)は、三条市、三条商工会議所と共催で、現役の鍛冶職人の技術向上を目的とした鍛冶職人育成講座の受講生を募集している。プロがプロに教える講座。普段、工場内に勤務して一工程の作業を繰り返しているだけでは学べない鍛造、研磨など、製品を造り上げるまでの全工程を3年かけて教える。従来までの三条市の刃物製作関連事業とは性格を異にした内容だ。
三条市内の技術を持った鍛冶職人の高齢化、事業所数の減少など、直面する技術継承問題への対応策のひとつだ。
市の工業統計をみると、利器工匠具事業所数・従業員数は平成5年には294件、1344人だったものが、平成12年には、225件、991人にまで減少している。事業所数減少の多くが廃業によるもので、製品を最初から最後まで造れる職人が減っているという。
市では、9年度から12年度までの4年間、卸商社や木工業者などを対象とした鍛冶アカデミーを開催し、経営ノウハウや市場視察なども行ってきたが、今年度からの事業は、対象を鍛冶職人とし、カリキュラムを実技に特化した。行政が関わると単年度事業が主となってしまうが、工業会が主催者なので、3年間という長い間取り組める。
また、今回の事業は、三条の工業全体のイメージを残すことにもつながる。市商工課では「鍛冶屋があるから、卸商もメーカーも外に出ての仕事がうまくいくということも聞いているので、技術は残していくべき」としている。
受講対象者は、商工会議所、工業会会員事業所の鍛冶作業従事者の中でも「意欲のある者」として、募集人員も12人に限定している。
指導は、三条鍛冶集団、岩崎重義代表をはじめ、現役の鍛冶職人で、応募書類の審査なども行う。
指導方法は、受講生に課題を与えて、均一な製品を数個造らせるなど、さまざまな手法が考えられているが、基本的に参加者全員ができるようになるまで続けることにしている。
受講者側は、1年間3万円を負担し、原則月2回、月曜日の午後6時から3時間という時間を拘束されることにはなるが、普段の仕事では得がたい手造りの技術を学び取ることができる。手で造ることを知っていれば、機械加工についての考えなども変ってくるという。
14年度のカリキュラムは、手作業による自由鍛造で鉄、鋼を加工することとして15年度以降に次の工程の指導を行う。
手作業の鍛造などを教える場としては、以前は、県立三条テクノスクールに科が設置されていたが、現在は廃止されており、教える場がないのが現状。今回の要請講座がテクノスクールのなくなった鍛造科の役目を補うものになればとの声もあるという。
申し込みの締め切りは、19日(金)。
問い合わせは、三条商工会議所商工振興課(TEL32・1311)へ。
(重藤)