カギ握る若手後継者
転換期迎えた 燕モールド金型組合
燕モールド金型組合(船山英幸会長・24組合員)が転換期を迎えている。歴史は長いが、対外的な活動をほとんどしてこなかった職人的な組織。しかし、組合員の代替わりが進むにつれ、海外に仕事が流れている現状を変えようとする動きが出てきている。
同組合は、40年以上の歴史を持つ任意団体。燕市内に事業所を置くプラスチック金型業者で構成している。
多いときには26の事業所が入会していたが、一時は19まで減少。
事業所が減った原因を船山会長は、「親睦団体の要素が強く、組合としてのメリットがなかったから」と退会者の声を代弁する。
組合の意義については、以前から課題となっていた。仕事の共同受注、材料の共同購入を検討したこともあった。しかし、任意団体であり、事務局を組合員が担当している負担を考えて、実現しなかった。
次第に、先代から後継者へと代替わりが進む。「景気が停滞している時期に、今のような燕市内の同業種の集まりでは、発展的な事業を望めない」といった意見も出てきた。
船山会長は、就任して3年目。職人気質の保守的な体質が残る組合を活性化しようと、段階を踏み、変革に取り組んでいる。
組合員資格の見直しもその一つ。対象とする業種や、事業所の所在地の範囲を広げる見直し案について、組合員にアンケートをとった。
意見をまとめた結果、事業所の規程は変更せず「燕市内」とし、業者については「プラスチック金型に関わる業種」とした。
これにより、メッキ、彫金、部品加工などの業種でも入会できるようになった。
船山会長は「我々が欲しいのは情報。そのために人が多く集まるような活動をしたい」と言う。
しばらく中断していた組合員と取引先との親睦ゴルフ大会も、2年前に復活させた。1年置きに海外と国内で実施している視察研修会にも、組合員以外の参加を歓迎している。研修会を始めて約6年。今後も継続していく。県外の金型組合との交流も、積極的に行っていく方針だ。
昨年の研修先は、中国・深セン市と香港。プラスチック金型、プラスチック成形を営む3社を見学した。
「業界の受注が落ちているのは、国内の需要が減っただけではない。台湾、韓国、中国に流れているため」と実感。
視察した工場は中レベルだったが、経営者の「指導者、技術者が欲しい」という言葉に、自信と熱意を感じたという。
船山会長や視察に参加した組合員の体験が、今後の組合活動に役立てられそうだ。
(斎藤)