ステンレス材料価格問題に決着
ステンレスメーカー6社と合意
 燕産地におけるステンレス鋼材の二重価格問題が、ひとまず決着した。燕市議会全議員で構成する、燕市産業振興対策特別委員会(川上靖夫委員長)は、18日午後1時半から協議会を開き、問題の交渉にあたってきた大山治郎市議会議長の報告を受けた。

 大山議長は「行政と業界が結束した結果。すべての皆さんに感謝したい」と報告。対中国製品との材料価格問題は解決し、産地再生は新たな段階を迎える。

 燕産地の要望に対し、ステンレスメーカーが答えを出したのは今月3日。

 業界を中心に組織した、燕地域ステンレス対策委員会(柄沢好兒委員長・11委員)と、国内のステンレスメーカー6社の代表が、東京で顔を揃え、合意に達したもの。

 対策委員会は、0・5ミリのステンレス鋼板について、手動生産の頃から30数年来続いてきたエキストラ(圧延手数料)価格の廃止もしくは改正、日本と中国との材料価格差の解消を強く要望してきた。

 協議の結果、メーカー側は、(1)個別ビジネスとして地元ユーザーとの個別交渉に委ねる(2)産地問屋任せであった価格設定については、メーカーが自ら誠意を持って産地問屋に指導を行うことを確約。

 すでに内外価格差とエキストラ価格の見直し、対処を前向きに進めている。地元ユーザーの要望を最大限に取り入れた対応に努め、技術支援を図って共存共栄を図ることも確認した。

 昨年11月、燕市経済再生戦略会議(遠藤栄松議長)の中国視察に高橋甚一市長、大山議長が同行し、中国でのステンレス鋼材の価格、日本国内との材料価格差の実態をつかんだ。
 燕産地の存続に関わる重要問題として、業界4団体と行政が結束。メーカーとユーザーの力の差は歴然としており、国の介入が必要と判断。今年1月、平沼赳夫経済産業大臣への陳情をはじめ、関東経済産業局など政府へ積極的に働きかけてきた。

 一方、産地では対策委員会を立ち上げ、4月から国内のステンレスメーカー6社と協議を始めた。対策委員会は、産地の生き残りに関わることだと、エキストラ価格の廃止を訴えた。

 メーカーは当初、中国との取引きは、スケールメリットや支払いの点で日本と大きな違いがあり、同価格にするのは無理とし、メーカーの経営に関することを対策委員会で取り上げることにも不快感を示した。

 5月下旬、平行線をたどる協議を見かねた経済産業省が介入し、ようやくメーカーも歩み寄りを見せた。

その後、協議を重ね、6月25日に燕産地としての要望書をメーカーに提出。結果、7月3日に合意を得た。

 大山議長は「産地ユーザー、行政が一体となった取りまとめがこのような成果となった。完全な内容ではないが、双方の納得を得た。今後、要望の内容が徹底され、燕産地のものづくりの勢いが復活することを望んでいる」と述べた。

 高橋市長は「材料価格の問題が解決した。産業の発展にますます努力せねばならない」、本多了一委員は「大山議長の執念にも似た活動に、党派を超えて議会も動かされた。問題はこれから。地場産業の振興に本腰を入れて取り組む必要がある」と、業界、行政の両面で交渉にあたった大山議長に敬意を表し、これからが産地再生の正念場と気持ちを引き締めていた。
                                                (斎藤)