コロナ 暖房10%増見込む
世間では暑い日が続いているが、新潟県三条市東新保、(株)コロナ(内田力社長)では、例年より2週間ほど早く、8月上旬から暖房機器の生産に入った。石油暖房機器業界トップシェアを誇る同社。「長期の暖冬は、2年連続はない」との読みで、国内で前期比10%増の業績を見込んでいる。また、多くの電機メーカーが生産拠点を海外に移転するなかで、国内生産を貫いている。そのなかで、新たなにセル生産方式を導入し、多品種小ロット生産体制を確立し、3年間で30%のコストダウン実現に向けて取り組んでいる。
ことしは、業界各メーカーとも、例年より早く暖房関係の商談を進めており、同社では、すでに、毎年季節変動が少なく、計画的に取り組める北海道での商談が終盤を迎えるなど、順調に進んでいるという。
生産する製品も新たなラインアップを揃え、メーンに展開する商品の全てで拡販をはかる。
暖房機も含め家電は、消費者のニーズを捉えた高付加価値商品と、低価格品とに二極分化する傾向を強めるなか、同社では、高付加価値製品の開発、販売に力を入れており、今期、暖房機メーンの石油ファンヒーターでは、業界初のマイナスイオンを発生するタイプを発売する。
同社は、エアコンでも業界で初めてマイナスイオンを発生する「異風人」を発売し、他社の追随を受ける立場となっているだけに、ファンヒーターについても、性能的には絶対の自信を持っており、「マイナスイオンというと最初に空気清浄機などで取り入れたため、温風のイメージは薄いが機能はまったく関係ない」という。
石油ファンヒーターの国内市場規模は385万台で、同社のシェアは30%とトップ。今期は、この市場で10%成長を目標とするほか、輸出関連では、昨年暖冬に見舞われたヨーロッパ方面が、ことしは通常どおりに冬になると見越し、例年並にあたる前期比30%増を見込んでいる。
また、国内で10%成長を見込む背景の一つには、大手家電メーカーのサンヨー電機が、石油ファンヒーター市場から撤退し、ことしで、在庫などの流通が完全になくなることがある。サンヨー製品は、高付加価値に特化していただけに、同社ではこの市場の取り込みも狙っている。
新製品開発による売上増を図る一方で、工場の生産体制の見直しによる効率化にも取り組んでいる。セル生産方式を導入し、現在、三条工場で実施している。
三条工場の100メートル5本のラインを30メートルほどに短くして、多品種、小ロットの生産体制を築く。小ロット生産に対応できるため、中間在庫の減少とそれに伴う管理費の削減につながる。また、多品種を同時に、早く生産できるため「色、タイプなどの違いでビジネスチャンスを逃す」ことを防ぐこともできる。顧客の要望に柔軟に応える体制を目指す。
4月から新たにSCM推進室を設け、三条工場では2年かけて、新たな生産体制を構築する。
同社のポリシーは、海外で生産は行わず、国内のみで行うこと。このポリシーを貫くべく、現在、工場員の多能工化、年功序列制度の廃止など、売価の下がりつづける国内での販売競争に打ち勝つ方針だ。
(重藤)