三条市 住基ネット静かにスタート
取扱業務8件、不安問う電話2件
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)が、8月5日午前9時から運用を開始。三条市では、システムも順調に稼動し、トラブルなどもなく、静かにスタートした。また、市内全戸に11けたの番号を通知するはがきを郵送。初日の住基関連の取扱業務は出生が4件、転出4件だった。
個人情報の漏えいが不安視されているシステムで、この日、三条市市民課には、情報漏えいを不安視する問い合わせが2件あった。だが、個人情報漏えいは、市レベルよりも、国、県レベルで起こりうるもの。市民課では、システム面よりも、端末ののぞき見対策の必要性などを考えている。
住基ネットは、全国民に11けたの数字、アルファベットからなる無作為の番号をつけ、氏名、生年月日、性別、住所の本人確認情報を識別するもの。国、県、全国の市町村を専用のネットワーク回線で結び、住民票添付を必要とする事務の簡素化を狙いとしている。行政、住民ともにメリットがあるというが、主に国、県が必要とするシステムだ。
市町村が管理している本人確認情報をまとめて、都道府県のサーバーが管理し、さらに各都道府県の情報を国の機関が運用する。住民からの申請に対し、国、県が市町村に、本人確認を照会する手間が省ける。
今回の運用は、第1次サービスで法律上にあげる9業務のみに限られ、住民が主に、そのメリットを実感できるのは年金の証明関係の事務が多くなる見込み。転入転出の際の簡略化も行える。三条市では、年金関係の事務申請については13年度中に2067件を扱っている。
将来、93業務にまで広げる予定で、パスポートの書き換えなどに利用することも検討されている。
第2次サービスの稼働は、来年8月からで、希望者にカードを配布し、印鑑証明、図書カードなどに利用する予定。
国が、電子政府・電子自治体の基盤として、強力に推進するものだが、個人情報漏えいの心配や国民総背番号制など、導入前の早い段階から、批判が相次いでいるシステムでもあり、導入直前になって、離脱を宣言する市区町村が出てきている。
本来、個人情報保護法と足並みを揃えて運用すべきものが、保護法案が見送りとなったため、個人情報漏えいへの不安が広がっている。
個人情報が漏えいする場合としては、職員が業者に情報を売り渡す場合などが考えられるという。
現在三条市では、住民情報の取り扱いは、特定の端末に各職員がパスワードを入力し、照会業務などにあたっている。メーンのサーバーでログイン、ログアウトの状況を追跡調査できる。
対策としてセキュリティポリシーを策定し、情報漏えいに対する意識を改めて示している。
また、住基ネットの運用にあわせ、住民基本台帳法による罰則も強化され、1年間の懲役または30万円以下の罰金が2年間の懲役または100万円以下の罰金に引上げられた。
罰則としては、軽い印象も与えるが、三条市市民課では「仮に市レベルで個人情報を漏らすよりも、国、県レベルで大量に情報を流すほうが危険では」と捉えている。また、本人確認情報が電算化されて数年経過しているなかで、漏えいなどはないともいう。
むしろ、市民課で心配しているのは事務室で端末を扱っているので、後ろからのぞき見られる可能性。市民に開かれたスペースとしているだけに「何らかの処置が必要なのでは」としている。
(重藤)