消費から再生へ「デザインが社会を変える」
トム・ジョンソンさん講演
(財)新潟県県央地域地場産業振興センター(理事長・高橋一夫三条市長)は、9月26日午後1時から、三条・燕地域リサーチコア3階デザインギャラリーで、現在開催中の「記憶のデザイン」展を記念し、講演会を開催した。
講師に同デザインの生みの親である、国際デザイン・リソース・アウォード(IDRA)主宰、トム・ジョンソン氏を迎え、ごみを出さない循環型社会のあり方や、環境に優しいものづくりに対して、熱のこもったメッセージを聞いた。
同センターでジョンソン氏が講演を行うのは今回で2度目。平成11年、同センターが日本で初めて「記憶のデザイン」展を開催した時以来。
リサイクル、リユースにより作られた商品を「記憶のデザイン」と呼び、IDRAは、国際的なエコロジカルデザインのコンペティション。同センターに展示されているのは、IDRAの受賞作品。
ジョンソン氏は第1回のコンペにアメリカ国外からの応募が多かったため、「世界的に関心のあることと認識した」。コンペは今年で6回目を迎える。
「記憶のデザイン」については、「記憶は使う人、商品、自然のカテゴリーに分けられる。再生された商品の元の形はなんだったのかと思うことが記憶のデザイン。考えさせられる商品には自然と思いが入り、デザインに力が生まれる」と説明した。
コンペのきっかけは「現在のように際限なく物を作っていくことは、天然資源を使いきってしまい、環境に悪影響を与えている。何か問題が起きた時は、その問題を解決する好機と思う。今が地球環境を守る絶好のチャンスではないか」と気付いたため。
しかし「新しい資源を使うのではなく、ごみ捨て場に行くようなものを再利用する。リサイクル可能な資源はたくさんあるが、それを生かすような市場はまだまだ未成熟」
そこで取った方法が、「再利用した資源を商品化するには、デザインという付加価値が欠かせない。創造性のある人と技術を有する人がチームワークを組むことが商品開発には重要」とデザイナー、芸術家に素材を見せることで商品化のヒントを得ることにした。
「リサイクルすることで、ごみ捨て場行きだった資源を再生できる。最終的な理想は、再生した物も土に返すことが可能なデザインにすること」と強調。
将来を担う子供たちには「人間は壊すばかりの生き物ではない。問題を解決する力、より良い環境を作っていく力があるとも伝えたい」とメッセージ。
「持続できるデザインであること。持続するデザインとは持続する地域社会と相互に成り立つ。コミュニティーを組織していくことが大事」と締めくくった。 (斎藤)
