中国との問題 空洞化だけでない
三条商議所の斎藤弘文常議員 日商中国視察を報告
 新潟県三条市、三条商工会議所の斎藤弘文常議員は、9月20日の常議員会で、渡辺勝利会頭の代理で参加した日本商工会議所地域産業空洞化問題特別委員会の中国視察の状況を報告し、コピー商品問題、日本人にはない中国人のハングリー精神、一人っ子政策により、戸籍のない第二子以降の今後の動向に注目すべきことなどを説明した。また、閉会後には、中国製ながら、安来鋼使用と日本語で印刷している鋏などを事例に、業界の現状を説明した。

 視察の旅程は、7月28日から8月4日までの8日間で、北京、大連、上海、蘇州、深セン、香港を周った。

中国の現状について話す斎藤常議員 まず、三条の業界全体にかかわりのあることとして、コピー商品問題について「日本の企業が、日本製品のコピー商品を輸入、販売して中止の処分を受けた例を聞いた。随所にあるという。道具類ならまだよいが、薬などだと大変な問題だ。野菜でも、中国人は日本向けの野菜は食べないそうだ。虫食いの方がおいしいという考えがあるそうだが、日本人は駄目。だから、日本企業が農薬を持ち込んで使わせるという話を聞いた。日本企業のモラルハザードを聞いて残念だった」と紹介した。

 中国人の精神性については「精華大学を訪れた時には、日本は世界で一番の社会主義国と聞いた。日本ほど平等な国はない、だからハングリー精神がない、このままでは駄目になると言われた。中国で売られているタバコは、2・5元(45円ほど)から69元(900円ほど)まである。食事も分かれており、小さな工場でもワーカー、管理者、役員の食事に差がある。こういうことがある国。日本のものが、国際競争で逆にマイナス面になるのでは。空洞化と騒ぐ以前に、グローバル化で負けているのも事実では」と述べた。

 戸籍の問題については、都市戸籍と農村戸籍があり、農村戸籍を持つものは、農村を長く離れることはできず、都市で働けるのは3年間ほどで、農村の若者が3年間で交代していくことを紹介し、「一人っ子政策から20年ほどが過ぎたなかで、戸籍のない人が3億人もいるといわれている。彼らが、正式に働けないなかで、食事のみで雇う工場で働くか、犯罪に走るか。彼らがどちらに行くか、今後に注目するべき」とした。

 閉会後、日本語の印刷された鋏を取り上げ「中国の国内で使う鋏は1元(15円ほど)、コーティングを施したものは2元(30円ほど)、日本向けの鋏は12元(360円ほど)。この日本向け鋏は、安来鋼を用い、長年の焼き入れ技術を用いて作ったとある。これらが、利器工匠具業界を大変苦しめている。これから、新しい発想で展望しなければ、明日の三条はないとも感じている」と力説した。
                                                (重藤)