ロシア市場に好感触
新潟県作業工具(協)が視察終えて
 新潟県作業工具協同組合(渡辺一郎理事長)は、9月中旬、海外視察としてロシアを訪れた。

 (株)五十嵐プライヤーの内山晃社長は、「今回、1回で終わらす気はない。今後も、対ロシアとして可能性を見出したい」と、成果に確かな手応えを感じている。

プレゼンの様子 同視察には、同組合から8社が参加し、9月14日から19日まで、ウラジオストクやハバロフスクなどを回り、自動車工場や地元企業、作業工具を取り扱うショップなどを視察した。

 メーンは、ウラジオストクとハバロフスクの日本センターでの、地元ロシア企業を招いてのプレゼンテーション。当初は、現地の会社から11社から20社ほどの申し込みがあったものの、日本センター側の都合による時間変更などで、ウラジオストクで6社、ハバロフスクで10社となったが、好感触を得た。

 若い経営者のところでは、ヨーロッパやイタリア製のものを手に入れているようだが、それ以外の人は、プロでも中国製の高級品や普及品を使っている状態。中でも、アメリカと台湾の合弁会社で、中国で商品を作っている「SATATOOL」は、値段もそこそこ、品質もまあまあで、壊れてもその商品を送ると新品に取り替える、25年保証付きということもあり、広く普及している。そのため、プレゼンでは「何でこんな高い工具を買わなきゃならないのか。あれで十分」という人も。

 しかし、「日本製の品質や機能性、使い勝手のよさなどは認めてくれた。熟練工になればなるほど、工具に対する思い入れは強い」と内山社長。特に、「耐久性」に対する質問などが多く、その背景には、「現状の中国製品への不安があるのでは」と分析する。

ズラリと並ぶ作業工具 工場視察などでは、視察に参加した企業の製品もあったが、現地で流通しているのではなく、日本に仕事で訪れた際、ホームセンターで買い求めたり、ネット販売で入手したもので、プレゼンで初めて日本製品のカタログを見た人も多かったとのこと。

 銀行取引については、視察前の会合でも話に上がっていたため、急きょ、ことし7月にオープンしたばかりの、みちのく銀行モスクワ支店も視察先に組み入れた。「日本並みの金利の安さだが、すでに1600ほど口座が開設されており、信頼されている」

 ロシアの様子については、「中古車の8割がトヨタ。ロシアは右側通行なのに、走っているのは日本車がほとんど。視察先の自動車工場に聞いたところ、1990年から右肩上がりで、30%ずつ伸びている」とし、「高級品が入れば、それを整備するための工具の品質も重要になる」とマーケットとしての可能性は大きいと見ている。

 本格的な流通への最大の課題は、いい仕入れ先を探すこと。「プレゼンに参加した地元企業に、『企業一つひとつでは少量のオーダーになり、その分、値段への跳ね返りも大きい。しかし、対ロシアとして考えればまとまったオーダーになり、価格も値頃になるのでは』と言われた。その通りだと思う。私たちも1社では難しい。例えば、代理店に置く場合も、組合で置いたり、県産品として置くのも面白い」と、単独ではなく組合としての利点を生かした戦略を思案中だ。

 内山社長は、「単発で終わらせたくない。時間で言えば1時間半と、新潟から北海道へ出す感覚。私たちはドイツ製にも負けない作業工具を作っている。工具は使ってみて、良し悪しが分かるもの。すぐにとは行かないが、継続していけば分かってもらえると思う。価格もさぐりをつけたい」と、今後もロシアの展示会に積極的に出品するなど、「メイド・イン・三条」のPRに力を入れていく。
                                                (廣川)