
ことしで創業100周年の新潟県三条市南新保、(株)田中衡機工業所(田中悌司社長)は、11月1日に本社を、同県栄町福島新田地内の新社屋に移転した。現在の本社を売却し、事務所、工場のすべてを移転。新工場では、生産設備の一部を更新して、トラックスケールなど、より大型の秤の生産に対応する。
田中社長は「1世紀を機に移転するが、新工場では効率アップを図り、コスト面でのメリットも出していきたい」としている。
同社は、現在の本社工場のほか、今回の移転先となる福島新田地内で昭和46年から第2工場を稼動しており、新社屋は、第2工場隣に用地を拡幅取得して建設した。
新工場の敷地面積は、4000平方メートルほどで、うち工場は事務所も含めて5000平方メートル。
移転は、本社工場の老朽化によるもので、昭和35年に建設して以来、増改築を重ねてきたことや、かつて倉庫だったこともあり、生産効率の悪い造りになっていた。

メンテナンスに年間300万円かかるなど、経費がかさんでいたため、平成7年に拡幅用地を取得し、移転の計画を立て、景気の回復を待って建設に入ることにしていたが、景気が回復しない中で、「建設費も安くなってきた」との判断で着工した。
現在の本社については、売却することにしており、売却益も新工場建設費に充てていく。
同社の創業は、明治36年で、昭和11年に県度量衡検定所三条支所の官有地の払い下げを受け、14年には同市島田地内に鋳造工場を新設し、46年、53年と栄町に第2工場、トラックスケール製造工場を新築している。
同社を取り巻く、秤生産業界も他業界と同様に厳しさを増しており、本社移転も厳しい中での判断だった。その中で同社ではさまざまな工夫を行い、生産する秤の種類を多様化する方針を採り、少ないニーズへ対応している。
秤を生産するメーカーは、店頭などに並ぶ商業用と設備関係で用いる工業用に分かれ、同社は工業用秤のメーカー。
1キロから100トンの秤とさまざまなものを生産しており、トラックスケール、畜産用秤、ブレンド米の配合秤、フォークリフトのフォーク部分を秤としたものなど、特定の業界のニーズに対応した秤を生産している。
同社が、こういった方針を採ったのは、20年ほど前の秤業界の電子化による影響で、当時は、生産の多くを占めていた規格台秤の受注が減少し、その対応のために現在の体制へ変化している。
現在では、他にはないほどの機種数を生産するようになっており、ことしからは、廃業などをした他企業の業務引継ぎを行い、警察などが用いる携帯用の重量測定器を生産し、幅を広げている。
また、世界大手の秤メーカーと提携し、中国工場で生産されたOEM製品の供給を受けており、時代に対応して成長している。
田中社長は「新工場でもニーズに合わせて求められる機種をそろえていきたい」と、今後も同様の路線を継続していく考えだ。
新本社の電話番号は(TEL0256・45・1251)となる。
(重藤)