実用に耐えうるマグネシウム合金表面加工
中野科学が県知事賞受賞
新潟県燕市小池、(株)中野科学(中野信男社長)は、マグネシウム合金の表面加工処理技術で、新潟県技術振興賞(通称、県知事賞)を受賞した。同社が新潟県技術振興賞を受賞したのは今回初めて。
マグネシウムは実用金属のなかで最軽量であるが、空気に触れると急激に酸化が進行し、「無加工のマグネシウム合金は半日で錆びてしまう」ほどに錆びやすい。その他の加工処理も難しく、実用化するのが困難な素材だったが、マグネシウム特有の軽く、丈夫という特性、リサイクルの観点から、新潟県工業技術総合研究所、県央アクションプランでのマグネシウム・プロジェクト支援事業などで取り上げられるなど、注目度が高い。
これまでにもマグネシウム合金を使った製品は存在していたが、錆びやすいという特性をカバーしきれず、実用に耐えうるような製品が少なかった。同社の技術では「日常生活で使うものには十分に対応できる」ほどに耐久性を増している。さらに既存の技術では、表面の塗装処理に有毒な成分を含む薬品を使用していたが、今回受賞した技術では環境にやさしい薬品を使用している点でも既存の技術を凌駕している。
同社では、錆びにくく、かつ、マグネシウム合金特有の金属光沢を生かした見栄えがよいマグネシウムの表面処理技術を研究するため、プロジェクトチームを結成、新たな加工施設を設置するなど体制を整える一方で、国のコンソーシアム事業に参加するなどして情報収集に努め、昨年から研究活動を本格化させた。また、県央地域で行うアクションプランにも積極的に参加し、今年4月には実用化に踏み切ることに成功した。大手電機メーカーのIP電話の本体ケース、10月26日に閉会した技能五輪にいがたの記念品などに、同社の表面処理加工を施したマグネシウムが使用されている。
中野社長は受賞について、「国の事業や、商工会議所の勉強会、新潟県工業技術総合研究所、県央アクションプランなどをフルに活用し、支援、アドバイスを受けながら、当社の独自性を積み上げた結果。関係各位の協力のおかげで現在に至っており、県総合研究所での表面処理に対する考え方の基本が、当社の技術にも生かされている」と話す。県内でマグネシウム合金の表面加工を大々的に行っているのは同社だけだという。
アクションプランなどへの参加で、すでに引き合いも多く、中野社長は「マグネシウム合金の表面加工を核にしたい。これからは実績を重ねつつ、コストダウンも視野に入れ、改良を進めたい」と話していた。同社では自動車の関連部品などへの採用に期待している。
(外山)
