53年の歴史幕閉じる
三条刺刀組合が三条市に寄付
8月に解散整理した、新潟県三条市の三条刺刀(さすが)組合は、11月20日、市の社会福祉に役立ててほしいと、10万円を寄付した。
同組合は、刃物の柄などをつくる木工職人の組合で、昭和35年に任意組合として設立された。設立当初は28人ほどの組合だったが、組合員の高齢化、後継者不足などで6人にまで減っていた。組合長である本田元一さんも体調不良などで組合を退職することとなり、今年8月に臨時総会を開き、解散を決めた。以前から、組合の整理時には市の社会福祉に寄付することを決めていたという。
この日、組合長だった本田元一さん、組合員だった板垣信一さんの二人が三条市役所を訪ね、高橋一夫市長に寄付金を手渡した。
高橋市長は、組合で一番多く売り上げた製品が包丁と分かると、各地の金物祭を見た印象を話しながら、「各地の金物祭では、普通の店にないような、いい品物を職人が買い求めている。プロ向けには、いい物の需要がまだあるようだが、家庭では包丁を研いで使ったりする技術がなくなってきており、使い捨てになっている。また、習慣として、年末には包丁を新調するものだったが、それもなくなってしまった」と話すと、本田さんは「昔は何でも売れたし、柄を付け直してくれという人もいて、使い捨てもなかった」と残念そうに話していた。
高橋市長は、来年の市政70周年を記念して、地場産センターでなく商店街など、市の中心街で金物祭、農業祭を開こうという動きがあることなどを話していた。
本田さんは組合について「組合を作ったころには、私は30代。一番威勢のいい時で、共同購入など進めた」、板垣さんは「半世紀続いた組合がなくなることは寂しい」と話していた。
(外山)