具体的な答え出ず 不信感
燕三条JC、つばめ生活学校 
燕市の今後のまちづくりについて意見を聞く会
 (社)燕三条青年会議所(杉野真司理事長)は、つばめ生活学校(渡辺祐子代表)の協力を得て、11月20日午後7時から、燕商工会議所で「燕市の今後のまちづくりについての意見を聞く会」を開き、住民投票で賛成に回った6市議、反対に回った3市議の計9市議を招いて、意見を聞いた。

 三条市など県央東部との合併を問うた住民投票での、反対多数の結果を受け、高橋甚一前市長が辞任、高橋前市長の後継者に最適任とされた中野邦雄助役が出馬辞退するなど、混迷を続ける燕市政にあって、市民に提供される情報が少ないことから、市議会議員の意見を聞こうと開かれたもの。80人ほどの市民が集まった。

 この日は、燕市議会から、浅野金六、大原伊一、大山治郎、川崎健吾、斎藤紀美江、タナカ・キン、星野義則、本多了一、渡辺正明の9市議が出席。事前に主催者側が提出した三つの質問事項に市議らが答え、これを受けて出席した市民らが質問する形で進められた。

 開会に続いて、杉野理事長、渡辺代表が挨拶。

 杉野理事長は「住民投票以来の混乱で、吉田町との合併か単独か、市長候補などで市議も戸惑っているようだが、住民も戸惑っている。ぜひ、忌憚のない意見を」と求め、渡辺代表は「市民は渦の中にいるような心境だと思う。合併が避けられないのならば、自分さえよければいいという考えでなく、みんなでよくなる合併ができたらと考えている。混沌とした現状だが、市議は私たちの代表として、自分たちさえよけばいいという考えでないと信じている」と挨拶した。

 主催者からの質問は、(1)燕市の今後のまちづくりについて、どのような合併を望むのか(2)合併するならば、吸収合併などいろいろな方向性があるが、選択肢としては吉田町との合併がよいと考えられる。吉田町と進める場合、平成17年3月の合併特例法の期限内に間にあうのか(3)投票運動の期間中に配られた反対派のチラシに、県立吉田病院に救急救命センターを誘致できるとあるが、誘致できる理由を知りたい、の3項目。一つの質問ごとに制限時間を設けて答えてもらった。出席できなかった市議にも文書で回答を求めており、回答のあった市議の意見を質問ごとに紹介した。

 (1)の燕市の今後について、賛成派は、住民投票の結果を尊重するとしながらも、旧県央東部合併が実現しなかったのは残念という意見が多く、浅野市議は「今でも考えに変わりはなく、将来的には大合併を目指さないと取り残される。結果についてとやかく言うつもりはないが、一部で自分の立場だけを考えて、反対に投票した市民もいると聞いている。県央東部合併がなくなって残念」と答えた。

 大山市議が「逼迫した財政のなか、財政改革を急ぐための合併だった。市議選の公約に、三条との合併を進め吉田とも進めると言っているように、三条と燕が核になったまちづくりが必要と考えている。賛成に票を投じた1万1000人の人を切り捨てられない」と答えると、タナカ市議は「今回の投票で、燕市には大きく分けて三つの考えがあると分かった。三条との合併、燕単独、吉田町・西蒲原郡方面の合併を志向する考え。三つに分けると三条との合併を考えている人が一番多い」と、賛成に回った人を切り捨てられないという意見もあった。さらに賛成派からは、吉田町との合併を望むとした合併反対派に対して「反対派から強力な市長が立って、吉田町との合併を進めるべき」という意見が出、吉田町との合併後、三条市などとの合併を検討する「2段階合併」を目指すことを条件に「協力する」という意見もあった。

 反対派では、住民投票の結果を尊重し、かつ単独でやっていかないとなると、吉田との合併を進めるべきという意見で、大原市議は「吉田も合併相手がない状況。(特例法期限の)17年3月までに合併し、一つの市として話し合って、(三条市などと合併して)30万都市を目指すべき。吉田町民は、燕と合併した後についてはいろいろな話は聞くが、まずは燕と一緒にと考えている。燕は吉田と合併しなければ先はない。30万都市をつくなければ、新潟、長岡の狭間に埋もれてしまう」と答えた。

 (2)の吉田町との合併の可能性については、完全に間に合わないと言い切ったのは、タナカ市議一人で、他の県央東部賛成派市議は、可能とする市議、難しい、吉田次第などと、含みを残した。東部反対派3市議は期限内に間に合うとした。

 (3)の救急救命センター誘致についても、吉田町との合併と同様、大山市議が「吉田病院にもってくる話は、誰も聞いていない。新たな展開が必要」としたほか、タナカ市議は「人口割や、県の計画を見ても無理。遠い将来にはあるかもしれない」とし、他の市議は、反対派も含め「今後の展開次第」、「強力な運動が必要」などと、含みを残した。

 質問に立った、ある市民は「投票の結果を分析すれば、県央東部合併を志向する人が一番多いと考える。結果の詳細な分析を進めてほしい」とし、「私は、きょうここで、市長候補に立つと言うくらいの人がいることに期待して来た。市議は人事のように考えている気がする。市民の投票行動への分析をし、市民が生きる道を示してほしい」と質問。賛成派は、「賛成した人が多かったが、負けたことは事実」とし、両派での話し合いや、反対派のリーダーシップに期待する声が上がった。

 反対派市議は、「今回の投票は可否を問うているもの。そういった項目はなく、過半数が反対だった結果を覆すことはできない」と答えた。また、星野市議は市長候補について「出す方向でいるが、快諾が得られない」と答えた。

 タナカ市議が「共産党はすべての合併に反対。もし、本多市議が吉田との合併を進めるというなら確認したいし、単独でいって、反対派のチラシとは逆に公共料金が上がったら、反対派には全員辞職してほしい」と意見を述べると、本多市議は反論し「吉田町とは、産業、水利、農業などで一体性がある。共産党は吉田町との合併に反対ではない」と答えた。

 市民からは、ほかにも「今の議会に、高橋前市長のように、必死になってまちを何とかしようとする人がいると思えない。反発する人を説得し、強い意思をもって引っ張る市議であるべき。もっと必死になって意見を交わして、市民が納得する方向付けを」と求める声が上がった。

 最後に、住民投票で賛成に〇をつける会の運動に加わったという、吉田町民が意見を述べ「今回の投票は、吉田の現状を浮き彫りにした。下水の進捗率も低く、小学校の老朽化による施設費、国道116号バイパス計画がなくなり、116号の整備を町が負担して進める可能性、吉田病院も県立でなくなる可能性もある。吉田町は、今後、500億円ほどの費用が必要となる可能性がある。町の空気の中では、今回の住民投票には、冷ややかな雰囲気だったし、合併論議は、巻町の町長選が終わってからという空気が感じられる。はっきり言って吉田町は1対1の合併はない。無条件合併はないと町議も言っており、町の状況は刻一刻と変わっていて、編入合併を進めるという状況になっている。(吉田町が脱退した西蒲原郡)南部はああいう状況で、飛び地での県央東部参加はない、となると最後はどうなるか考えてほしい。市議は吉田の状況を踏まえていない。一刻も早くコンタクトを取ってほしい。市長不在で、泉町長も困っている。吉田の流れをよく考えてほしい」と訴えた。

 市民らの意見の後には、大きな拍手が出たが、市議らの意見に拍手はなかった。これが今の燕市を象徴しているような、あからさまな不信感を市民は市議会に持っているようだった。
                                                (外山)