新潟県吉田町西太田、ツインバード工業(株)(野水重勝社長)は、ヘリウムガスを使った自然冷媒冷却システム「FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)」を、オランダ、グローバルクーリング社から技術導入し、小型FPSCの開発に成功。東京都中央区、コールマンジャパン(株)(リチャード・ギルフォイル社長)から来春発売される、FPSCを搭載した新商品を発表した。

FPSCは、従来の冷却システムと異なり、フロンガスやその他の可燃性代替ガスを必要とせず、自然界に存在するヘリウムガスの膨張、圧縮によるガス式フリーピストンを利用した冷却方式。エネルギー効率が高く、小型で軽量なのが特徴。リニアモーターを高精度駆動させることで、精密な温度制御、低温までの急速な冷却ができる。電源も、交流、直流、太陽電池など、ほとんどの電源で駆動できる。自然冷媒を使用する上、既存技術と異なり、駆動系に潤滑油を使用しないため、環境にもやさしい。
これまでは、航空燃料の試験や人工衛星の冷却など、特殊な分野で使われていたもので、大量生産向きの生産方式も確立されておらず、システム本体のみで100万円から数百万円と非常に高価だった。
同社は、このシステムの民生品応用を目指し、平成10年度に技術導入。コア・テクノロジー・ラボトラリープロジェクト(CTL)としてシステムの小型化、生産方式の簡略化などについて研究開発に着手。同社の電子冷却技術、大学との共同研究、地場産業をはじめとした精密加工技術を結集した結果、昨年6月には、室温25度の条件下で、約1分間でマイナス50度まで達する試作品「FPSC−TB40」を完成、発表した。
今回、同社のFPSCが採用された商品は、世界最大手のアウトドアメーカー、コールマンの日本法人コールマンジャパン(株)から発売される「ポータブルフリーザークーラー25L」で、同社と販売提携し、来春から国内向けにコールマンブランドで発売する。
この商品は、FPSCによって庫内温度をマイナス18度まで下げることができ、冷凍食品、氷の保存など、アウトドア、キャンプなどで幅広い用途が期待できる。庫内容量も、25リットルと、500ミリペットボトルが25本入るサイズで、温度設定も10度からマイナス18度まで5段階の温度設定が可能と、FPSCの特性をうまく生かしている。希望小売価格は8万円前後になる見通し。
同社では今後も研究開発を進め、信頼性、品質を保ちながら、「コンプレッサー並み」の低価格化を目指していく方針。医療機器、産業機器、理化学機材など、幅広い分野への応用に期待している。
(外山)
