「本当にどうなる田上町」
田上町商工会 緊急フォーラム開催
 新潟県田上町の田上町商工会(佐野一雄会長)は、12月25日午後7時から、田上町商工会館で、緊急フォーラム「これからどうするこの田上町」を開催し、佐藤邦義田上町長らを招いて、特に今後の田上町の財政について意見を交わした。

 以前から佐野会長をはじめとする商工会3役は、町議会議長らと毎年懇談会を開き、町の現状などについて話を聞いていたが、今回、三条市などとの市町村合併を検討してきた合併協議会設立準備会から田上町が離脱したことを受け、合併推進の立場で活動してきた同会として、その話し合いを会員にも公開したもの。

 同フォーラムには、同会側からは佐野会長、野沢幸司副会長、金子静夫副会長、早津紳也総務委員長の4人、行政側からは佐藤町長、遠藤堅治助役、小日向至企画商工課長、石田道秀総務課長、田巻敏町議会議長、笹川俊一郎市町村合併問題調査特別委員長の6人が発言者として参加。会員も含め、四十六人が出席した。

 はじめに野沢副会長が同フォーラム開催の経緯を説明。佐野会長は「単独で行く道を選んだ以上、田上町はどうなるのか、いろいろな意見を聞きたい。厳しい財政状況は分かっているが、どうなのか。このディスカッションが、今後のまちづくりにつながれば」と挨拶した。

 佐藤町長は、なぜ合併が必要だったのか、今後の財政収支見通し、財政健全化対策案、財源(歳入)の確保、内部組織の見直し、と大きく五つの項目に分け、それぞれについて現状や考えを述べた。健全化対策については、「以前から検討し、数回見直してきた。これまで積み立ててきた基金の取り崩しや、特別基金の一般財源化、YOU遊ランドや学校給食の民間委託などのほか、経費削減はもちろん、保険料、手数料の見直しなど、住民負担もお願いしないと難しい」と理解を求めた。

 ことし7月に町が作成した資料「町の財政収支見通しについて」をもとに野沢副会長は、平成16年に町財政は4億円不足となるが、YOU遊ランド管理委託など佐藤町長が示した対策案に基づき、大まかに計算しても1億円ほどにしかならないことから、「今後、町は不足分をどうしていくのか」と質問。石田総務課長は「先日、係長以上の役場職員で、財政健全化委員会を組織した。この局面を、全職員が知恵を出し合って乗り切りたい。そこで、年末年始の宿題として健全化案を考えるようにとお願いしている」と職員の取り組みを紹介した。遠藤助役も「役場でも委員会を立ち上げたばかり。今後は、町民にどれだけ負担を求められるかも考えなければならないだろう」と答えた。

 さらに野沢副会長は「本当に自助努力で対応できるのか。残り3億円分を、職員給与カットにあてられるのか」とし、手数料や保育料などを値上げしても足りないと指摘した。

 議員給与カットについて、田巻議長は「これは個人的な独り言」と断った上で、「皆さんそれぞれ努力しているのであれば、私たちも議会として真摯に受け止めたい」とした。

 また、商工会側は、協議会離脱の引きがねとなった住民意向調査についても、「田上は、このままではウルトラCの秘策がない限り、2、3年後には赤字財政団体になる。でも、住民は『そんなの知らなかった』と言っている」とし、住民が理解していない状態で、意向を聞いたのではないかと質問。笹川委員長は、町の経済力や委員会の取り組みなどを踏まえながら、「合併を手段としてまちづくりについて勉強してきたが、単独の勉強はしてこなかった。調査結果による離脱はやむを得ないが、これからの展望はより困難になる」との厳しい見方を示し、「私個人の状況判断」と断りながら、「合併を一度の失敗で諦めてはダメ。望みを捨てず、機会を作り出す努力すべきだ」と、合併について模索する必要性を述べた。

 財政健全化のウルトラCの秘策を求められた、小日向企画商工課長は「ヒット策があれば合併する必要はないと思う。職員の知恵だけでは限界があるので、皆さんからも援助してもらえれば」と協力を求めた。

 佐野会長は「笹川委員長の、合併を諦めるなとの意見に同感。単独でいくことを決めたのはやむを得ないが、諦めずに合併の道を考えたい。それが将来の町、町民のためになる」と自身の考えを述べた。

 参加者からの質問では、「今さら三条の方には戻れないが、新潟、加茂に再度、田上から働きかけてみては」との問いに、佐藤町長は「合併は相手があること。今はそこまで考えていない」としながらも、「新潟は政令指定都市を立ち上げるので、その後ならとのことだった。加茂市は首長がしないと言っているので、このまま任期をまっとうすれば特例法期限には間に合わない」と合併の可能性が低いことを示した。

 そのほか、具体的な財政建て直し案や町長のまちづくり構想などについて、活発な意見が交わされた。

 具体的な取り組みなどについては、商工会の新春の集いでも話し合う予定。
                                                (廣川)