努力なければGマーク商品は売れない
地場産主催 激論バトルロイヤルで直言
(財)新潟県県央地域地場産業振興センターは、12月17日午後3時半から、三条・燕地域リサーチコアで激論バトルロイヤル「売れない商品とGマーク」と題した討論会を主催し、グッドデザイン賞の審査員を務める工業デザイナー4人を招き、意見を率直に語る場を設けた。
参加した4人のデザイナーは「Gマークを取っても売れる商品とはならないのは当然。この地域では売れる努力をしておらず、真剣さが足りない」、「売れるか、売れないかは会社の努力」などと直言する一方で、今後の製品販売について「作り手が、消費者の顔を見られる仕組みを作っていくことが必要では」と今後の方向性も示唆していた。
参加したパネラーは、(株)オーシマ・デザイン設計代表の大島礼治さん、(株)クルー代表の馬場了さん、(株)コポ代表の山村真一さん、(株)オープンハウス代表の益田文和さん。
表題が、激論バトルロイヤルというだけあって、会場はリングに模した演壇を観客席で囲む配置で、パネラーの入場音楽、司会進行など、格闘技の試合を思わせるような調子で進められた。
観客は、100人ほどが集まった。地元企業家のほか、デザイナーを志す学生の姿も見られ、熱心にメモをとる姿も目立った。
討論は、Gマークを受賞しても、必ずしも商品の拡販につながらないとの論点からスタート。「この地区に来て思うのは、売る努力をしていない。真剣さが足りない」、「商品を使っている人の姿が分からないと、よいデザインでも売れない。この地域で作ったスプーン、フォークがどのようなレストランで使われているか知らないようならば、文化になっていないということ」などと厳しい論調で幕を開けた。
Gマーク受賞商品を磨き上げ、拡販する手法としては、自動車のボルボを例に「ボルボは、Gマークを取得したことは、オーナーのセンスが認められたこと、という手法で宣伝していた」と紹介。
また「ものづくりと消費者をつなぐバイヤーが情報を持っていないのに、価格設定のキーを担っている。バイヤーに振り回されて値段競争しかできていないのが現状」、「中国、アジアからものが入ってきて、日本は消費地に変わっているが、きちんと日本から発信するためには、安物競争ではますます駄目になる」、「この産地でも品質のよいものを作り、中国に輸出もしているそうだし、その後ろには物流もある。こういうものも含めて商品化するべき」と持論を展開していった。
Gマーク賞のカテゴリーにもあるロングライフデザインについては、「爆発的ではなくとも、ファンがいて誠実に作っていくものがロングライフ」、「少しのものを大事に使っていく人が増えている中、今の技術をその方向に変えていくことも大切」
技術を振り向ける先については、「例えば、研磨技術を応用すれば、世界に通じるものになるだろう。デジタル化の時代、CDやDVDの情報を保存するには、酸化を防ぐ手だてが必要で、これを研磨する技術があれば、何もブランドを売らなくてもビジネスとなる」との案を示す場面も。
最後は、客席からの「昔の職人は縁側で、お客の指示を受けて製品を作ったが、今はお客との距離が遠くなっている」との意見に、「複雑な流通システムある中、トヨタ自動車のような、作る人からお客が見える仕組みが大切になっている」などと述べて締めくくった。
(重藤)
