9月以降の影響を懸念
対策は短納期の商品優先
SARS 県央経済に及ぼす影響(3)
栄町福島新田 コンヨ
 中国からDIY関連商品などを輸入する、新潟県栄町福島新田、(株)コンヨの近藤孝社長は、一連のSARS騒動のなか、商品発注から到着までの時間差や、主な取引先のある地域が、感染者多発地域でなかったこと、インターネットなどの情報網や、流通網の発達によって、今のところそれほど大きな影響は出ていないとしながら、9月以降の影響を懸念し、対策を講じている。

 SARSの同社への影響は、4月26日の帰国を最後に見合わせている中国への定期出張以外には、今のところ大きな影響もない。

 「うちは完成品のサンプルを見て、ただ発注するだけでなく、改良を指示して発注を掛けるので、他社が2、3カ月でできるところ、発注から商品の到着までに4、5カ月かかる。今来ている商品は、4月頃、発注したもの。感染者多発地域ではなく、営業停止などもないし、継続品の追加オーダーも順調」とし、「今はサンプルなども4日ほどで到着するし、情報交換も情報網の発達で容易になってきている。4、5年前なら被害が大きかっただろう。途中で開発をストップした人は困っているだろうが、他社も同じような条件なので、会社間で影響に大きな差はないのでは」と話す。

 SARS騒動が起こった当初の、中国のまちを見た感想も、「感染者が多発している地域以外では、普通に生活している。特に我々が行っている上海、南京、寧波(にんぼう)などでは、それほど騒いでいない。全く影響がないという訳ではないが、手洗い、うがいの励行など、普段の生活のなか、少し気を付けている程度。まちからまちへ移動する人は不便だが、まちの中は、普段と同じ生活をしている。騒動もすぐに収束するものと考えていた」と話し、5月以降に騒ぎが拡大したと感じている。

 「中国は、車で移動するにも、まちごとにゲートがあるなど、日本より、人々の移動を管理しやすいはず」と指摘して感染の収束をにらんでいる。

 今後の見通しについては「7月末ごろには、向こうへ定期出張を再開するつもり」と発生源の特定、感染者の減少などを受け、7月末以降は、中国への対応を通常に戻す予定。

 SARSが収束に向かうなか、9月以降の影響を懸念しているのは、出張に行かないため、事実上、新製品開発を休んでいる空白期間が生じたこと。「休んでいる5月から7月の3カ月が、9月から11月に響いてくると思う。まだ1カ月半しか経っておらず、見通しが立たない状態で、影響の大きさや内容などは予想できない」と話す。

 秋以降への対策として「できるだけ、短期で仕上がる商品から発注を掛けるようにする。向こうも不景気で、仕事がなく必死。発注から到着までの時間も早くなりそう」と、商品の発注から流通ラインにのるまでの時間差を利用して、対策を講じていく考え。

 中国との関係がある企業のほとんどが、足並みを揃えるように中国への渡航を控えるなか、逆にチャンスとみて、中国に行くという考えもある。

 「担当者の中には、早く中国に行きたいという声もあるが、絶対に感染するという確証も、感染しないという保証もない。万が一を考えると、リーダーとして行かせるわけにはいかない。他社も同じ考えなのでは。足並みを揃えている訳ではないが、揃ってしまう」と今、中国へ行くメリットよりも、社員の健康を第一に考えている。
                                                (外山)