被害出ず生産順調
深センの工場 消毒マスク着用で対応
SARS 県央経済に及ぼす影響(2)
三条市西大崎1・下村工業
 中国深センに工場、香港に別会社を持つ新潟県三条市西大崎1、下村工業(株)(下村栄蔵社長)では、SARSによる被害などは受けず、順調に生産を続けている。

 対策としては施設の消毒のほか、工場従業員のマスク着用など健康管理を徹底した。主力の取引先であるアメリカ、ヨーロッパの企業が訪れる回数は減ったが電子メールで対応している。

 下村啓治専務は「幸いにして、関連のところについても被害はなく順調。今後は徐々に沈静化していくのでは」と見ている。

 同社の中国の事業所は、深センの工場では家電メーカーの中国工場に納入する部品の生産、香港ではアメリカ、ヨーロッパの企業との取引が中心。日本の企業とはほとんど取引はない。

 SARS発生後の対策として、深センの工場では、工場内の消毒、従業員宿舎の清掃を徹底させたほか、マスクを着用しての業務などを指示し、生産については順調に進んでいる。従業員の外出禁止などはせず「普段のことを徹底させたほか、従業員の健康管理にも気を使ったので、特別な影響は出ていない。流通関係でも悪影響は出ていない。幸いにして関連のあるところについても患者は出ていない」という状況。

 取引先の関係では、主力としているアメリカ、ヨーロッパの取引先が、中国に訪れる回数が減ったが、電子メール、電話で対応している。

 ゴールデンウイーク中に深センと香港を商談のために訪れた下村専務は、当時の様子について「観光関係が特に打撃を受けているようで、食堂はガラガラだった。飛行機も観光客だけでなく、ビジネスマンも乗っていない状況だった」と振り返る。

 一般市民の反応などについては「深センの場合、一般の人の認識は、特に気にしていないようで、街を歩く際にマスクをつけている姿などはあまり見なかった。もっとも香港の企業が多いビル街などは、敏感になっていた」。企業が多数入居している雑居ビルなどの場合は、一社から患者が発生すると、ビル全体が閉鎖されてしまう。すると入居しているすべての企業に影響がでるため、企業は他への影響を防ぐ意味でも敏感になっているという。

 仮に一社内で患者が出た場合は、取引先への部品納入が不可能になり、大きな損害が出ることになりかねない。

 今後の展開については「SARSは、寒い地域だと発生しやすいということを聞いたことがある。深センのある広東省は温暖な地域。ただ、SARSが発生した場所ともされているので、まだ分からないだろう。香港に関しては、WHOが渡航延期勧告を解除したと聞いているし、これから徐々に沈静化していくのでは。取引先も徐々に中国に来るようになるだろう」と見ている。  
                                                (重藤)