流通業界・安物とよい物で二極化
パール金属グループ 新年会で高波社長示唆
 新潟県三条市五明、パール金属(株)の高波久雄社長は、1月5日午後5時から、同市旭町2、ハミングプラザビップ三条で開催したパール会の新年会で、今後の同社の方針を示したほか、流通業界と安物商品の供給源である中国の現状について語った。

 流通業界では、スーパーセンターの出店攻勢と価格破壊競争で「仁義なき戦い」が展開される一方、この流れを嫌忌して、輸入に頼った安物から、よい物を扱い利益確保を目指す新しい動きがあり、二極化する流れと言う。

 同社でも、輸入品に頼らない方針をとっており、高波社長は「メードインジャパン。ことしは、ブランド価値を高める企業へと変化したい」と強調した。

〜燃えよ!今こそ攻めの一手 「仁義なき戦い」に突入〜

 同社の取引先でつくるパール会の新年会の冒頭で、高波社長が同社の業績や今後の方針などを講演するのは、毎年の恒例となっている。

 市内の業界の代表格をはじめ、多くの産業関係者が集まり、会場を埋め尽くした。

業界関係者で埋まった会場 高波社長は、まず自社の今期の動向について「冷夏、暖冬の影響で厳しく、流通業界の低迷もあり、苦労したが、ようやく前年対比で100%を維持できた。決算まで、あと4カ月あるが、3月、4月が、弊社の一番の売上げがアップする時なので、がんばってアップさせていきたい。新アイテムと経費節減したおかげで、粗利益と営業利益はいずれも110%。決算時には利益を確保できると考えている」として、利益を伸ばした原動力を「昨年、クー・フー・グーというブランドを発売し、これが全国的に売れて人気を得た。新商品として、メードインジャパンを売りにしようと開拓しており、このような商品開発が粗利アップにつながった。また、物流システムも整い、よりよくサービスできる体制もでき上がった」とした。

 物流業界の現状については「流通業界は今、戦国時代。合併、業務提携が繰り広げられている」とし、「昨年、日本で一番の人気があるビルが、丸ビルから六本木ヒルズへという流れに変わったが、それと同じようなことが起きている。県内では、見附市、聖籠町にプラント、豊栄市にベイシアという食品スーパーとディスカウントストアが合体したスーパーセンターが、売場面積4000から5000坪という大きさで出店している」と出店手法の変化を挙げた。

 「これまでの出店手法は、他社がある地域に出たら、自社は違う地域に出店するということで、ある程度競合を避けていたが、昨年からは、ライバルの目の前に店を出す状況。また、小さい規模の店もどんどん増え、仁義なき戦いを行っている。古いものは次々と壊れている」

 また、価格競争の激化を挙げて、「流通業界では安く売るものを求めて、中国へ行っている。本来、貿易は安く求めて高く売って、儲けるものだが、安く買って、安く売るという状況では、何のための貿易なのか分からない。現在、円高で1ドル106円の大台に乗っており、また価格破壊になりそうだ」と指摘。

 「3、4年前から中国からの輸入が増えた。業界では、より安く売るために問屋・商社から離れ、直接海外に走り、安く買い入れて倉庫に山積みにしている。お客からのクレーム問題に発展するケースが多いため、直接購入がクレームになるので、弊社などに直してほしいという動きが出てきている。流通業界もギブアップぎみで、流れが変わってきている面もある。そして、高級品が売れており、これからは二極化していくだろう。ある量販店では、できる限りよい物を売ろうとしており、しっかりと検品されたものだけを扱っている。かたや、直接購入で買って、どんどん売るところもあり、市場は混乱している」と語った。

 世界中を騒がせている新型肺炎や中国の現状についても触れ、「昨年は、バイヤーが中国に行けず、商品開発、発注ができない状況になった。反面、仕入れできないために、買った在庫がさばけたということもあった。中国の商品はよくなったというが、まだまだ、商品管理に問題がある。今後も、中国とは付き合っていかなければならないが、国産品を大切にしていきたい。今、中国は高度成長しており、年7%から8%のスピードで成長している。その中で、人件費が伸びている。一般の労働者の給料は変わりないが、管理者は上がってきている。また、1日から輸出品についての課税も始まった。中国では、商取引に17%の消費税を課しており、従来は輸出に関しては、これを還付することになっていた。しかし、ことしからは13%の還付となる。人件費増、税金などの理由で、関係者の間では、商品の価格が10%増になるのではと予想されている」との見方を示した。

 また、「よく中国に行くが、ある会社を訪問したら、馴染みの幹部社員が辞めたという話を聞いた。中国では、優秀な人は、次々とよい会社に行き、できない人はすぐクビになるという。辞めた人が、どこで働いているかも分からず、人間関係が切れていくようだ。ある中国人が言うには、中国は、国は社会主義だが、企業は資本主義。日本は、国は資本主義だが企業は社会主義と言っていた」とも紹介した。

 続いて、国内流通業界の話題に戻し、もっぱら関心の高い消費税総額表示に触れ、「100円で並んでいる商品が105円として並ぶようになる。しかし、105円では中途半端な感があるので、価格は100円もしくは110円になっていくだろう。今、値上げすることは難しいので、105円から100円でということになるだろう。そうなると、従来から並んでいる商品をそのまま値引きするということはしがたいので、商品の入れ替えがたくさん出てくる。今並んでいる商品は返品となる。今、一番の悩みの種だ。ホームセンターは、元の表示のままで売りたいから、納入業者に圧力がかかる。すべての業者が反対すればよいのだが、賛成する業者もある。そうすると、また価格競争になっていくだろう」との懸念を述べた。

 ただ、同社では価格競争に巻き込まれないとの方針を示しており、「厳しい年になるだろうが、弊社では、(1)企画力(2)営業力(3)デリバリーシステムで信頼を得ていきたい。(1)では、メードインジャパンのブランドを開発して、価格競争に巻き込まれないようにしたい。アメリカの商品開発は、お客に感動を与えるものとしているそうだ。私どもでも、楽しく、アイデアのあるものを開発していきたい。(2)では、お客に喜んでもらえるものを提供する。(3)では在庫管理を徹底して進めていきたい。ことしは、ブランド価値を高める企業へと変化したい」と締めくくった。  
                                                (重藤)