入ってよかったと思う会社目指す
県中小企業家同友会三条支部準備会
三条経営者交流会で原田平作原田乳業会長報告
 新潟県中小企業家同友会三条支部準備会(小嶋勝美代表世話人)は、1月19日午後6時から、三条市横町2、餞心亭おゝ乃で、三条経営者交流会を開催。30人ほどが出席し、交流を深めた。

入会呼びかける小嶋代表世話人 中小企業家同友会は、全国45都道府県、3万8千の会員数を誇り、「よい社会をつくろう」「よい経営者をめざそう」「よい経営環境をつくろう」の三つの目的を基に、自主・民主・連帯の精神、国民や地域と共に歩む中小企業を目指す経営者団体。

 県内にも新潟東や長岡、県央など8支部ある。同準備会は9番目の支部として、「三条市で3月3日、33会員での設立」という三つ揃えを目標に、一昨年秋から活動を開始。1カ月から1カ月半に1回のペースで交流会を開いており、今回で10回目。同会の趣旨に賛同する会員も徐々に増え、現在では14人となった。

 交流会では、報告者の会員から、会を通して得たものなどの体験を聞く、基調報告会を行っている。

 今回は、新潟同友会副代表理事を務める、原田乳業(株)の原田平作代表取締役会長が「良心・良質を送り届けて〜やる気を引き出す社員教育」をテーマに、同社の転機や、同友会とのかかわりなどを話した。

 開会の挨拶で、小嶋代表世話人は「私たちは三条支部として、3月3日、33人で設立したいと思っている。きょう参加している人には、ぜひチャーターメンバーになってほしい」と呼びかけ、「日本の景気が若干良くなったと言っても、中小企業にとって依然として厳しい。同友会は、中小企業同士で意見や体験談を発表してもらい、同じ目線でいろいろな意見を言ってもらう。結論は出ないと思うが、それを各自が会社に持ち帰り、いいところは取り入れ、直すべきところは直してほしい。私自身、入って一年と日が浅く、勉強不足なところもあるが、これから一生懸命頑張りたい」と述べた。

 続いて、古川敦義経営指針副委員長が、同友会について説明した。

報告する原田会長 基調報告で、原田会長は「私は牛乳屋の3代目として生まれた。32歳で結婚した頃、乳業会社は全国で200社ほどあったが、今は25社ほど。今後は5社ほど残ればいいという厳しい状態」と業界を分析。昭和40年頃、アメリカのスーパーが経営する牛乳工場の写真を見て、「スーパーが牛乳工場を持つようになったら、俺の代で終わりだ」と思い、「『燕の原田乳業』ではなく『新潟県の原田乳業』にならなくてはダメだ」と感じ、昭和50年から紙容器牛乳の製造を始めた。

 昭和49年には、同社労組が給料のベースアップを求め、ストライキを決行。労組を作るよう提案した原田会長自身、「以前から経営公開をしていたが、ストライキを通して、社員が私の出す数字を信用していないことが分かった。腹が立ってストライキを破ろうと考えたが、思いとどまり、条件を飲み、報復しないと話した。今後はもっと経営公開を進めたいと言うと社員から拍手が起きた」と当時の様子を語る。ストライキの中で、社員の「会社が儲かりそうになると、すぐに投資する。それではいつまで経っても利益が出ない」という意見を聞き、「社員に減価償却の概念がなく、設備投資にも理解がない」と気付き、原田会長をはじめ社員八人で経理学校に通い、試算表の見方などを学んだ。「ついでに全国の賃金を調べたら、意外にも当社はいい方だった。だから、その後もうまくいったのかも」と笑う。

 同友会は企業の継続発展を担う人材の採用として、共同求人も行っており、同社も参加している。原田会長は「以前、共同求人で学生と面談する機会があり、そこで学生に、『欲張りな社長の金儲けの手伝いはまっぴらごめん』と言われた。今の優秀な学生は、ある程度の賃金はもちろんだが、理屈の通じる社会を求めている」と話す。

 原田会長は、リーダーの条件として「いやしい人は不向き。いやしい人とは、例えば1万円落ちていて、1万円を拾った時、『儲けた』と思う人。その時、『落とした人は困っているのでは』と思わなければダメ。そういうことから、私は常に他人の目で自分を見てもらっている。それに恥じない行動をとっていきたい」とする。

 また、同社の社是「良心・良質」を挙げ、「社是は社長より優先。社長も従わなければならない。新商品を作る時も、社是に沿っているかどうか判断し、決めている。青臭いかもしれないが、生きていくための言葉だとも思っている」とし、「こういった中で、何とか昨年も赤字を免れ、やってきた。うちの商売に社員が希望を持っている。これが何より」と会社の体制や社員の姿勢を評価する。

 最後に、母親への感謝などを挙げ、「いろんな人に支えられて今がある。社員がいい会社に入って良かったと思うようなところを作りたい」と報告を結んだ。引き続き、「社員のやる気を引き出すためにどうしていますか?」のテーマでグループ討論を行い、その後、グループの代表らが話し合いの内容や感想を発表し、懇親会へ移った。
                                                (廣川)