コンクールに果敢に挑戦
地場産業活性化にも一役   田上町・茂野タンス店
 新潟県田上町原ヶ崎、(有)茂野タンス店(茂野克司代表取締役)は、全国各地で開かれる、さまざまな公募展への出品に意欲的だ。

 昨年には、11月に行われた2003日本伝統工芸士会作品展で、同社の坪谷哲男さんが入賞、さらに12月に開かれた平成15年度全国伝統的工芸品公募展で、同社、野崎宏幸さんが佳作を受賞した。

 日本伝統工芸士会作品展は、伝統工芸士の技量を存分に発揮した作品を一堂に展示し、競い合う機会を設け、世間から評価を得ることにより伝統工芸士の社会的地位の向上を図るもので、2003年で6回目。伝産法をもとに認定を受けた伝統工芸士のみ出品でき、特典として、入賞作品は(財)伝統的工芸品産業振興協会主催の「全国伝統的工芸品公募展」に出品される。

 第6回作品展は、昨年11月6日から9日まで、富山県高岡市の高岡テクノドームで開かれた。

野崎宏幸さんの「La KIRI200」 坪谷さんは、「KIRI−DANSU・110」と「KIRI−DANSU・180」の2点を出品した。同作品は、昨年4月にイタリアのミラノ国際家具見本市で発表したもの。デザイナーの岩倉榮利氏がデザインしたもので、普通のタンスと違い、「足」があり、その向こうの空間が見えるのが大きな特徴。坪谷さんは同作品で、見事、同作品展初入選を果たした。

 平成15年度公募展は、昨年12月18日から28日まで、東京都豊島区の全国伝統的工芸品センターで開かれた。

 同公募展は、さまざまな意味でストレスにさらされている現代生活に、手作りの「あたたかさ」や心の「やすらぎ」をもたらしてくれる日本の伝統工芸品を、少しでも身近な存在として暮らしに取り入れてもらいたいと願い、洋風の食卓を意識した工芸品と暮らし全般にかかわる工芸品を公募するもので、誰でも出品できる。

 今回は329人、388点の応募があった。

 野崎さんは、「La KIRI 200」を出品。同作品は、イタリアのデザイナーと共同制作したもので、今年のミラノ国際家具見本市で発表する予定だ。前面はもちろん、本体の天板と側板も柾目で統一。その流れを壊さないように、引出しの端に45度の切り込みを入れ、枠組みをなくした。真鍮にメッキした金具の、独特の色と光沢もポイントになっている。足の部分も、少し浮かんだ感じに仕上げている。

 野崎さんは一昨年の初出品で、全国商工会連合会会長賞を受賞したものの、昨年は入賞できず、今回、見事、佳作に入賞した。

 作品展に出品する際は、会社名や会社の社長名で応募することが多いが、同社では、会社名とその作品を作った職人名でエントリーしている。会社名で出すことで、会社ぐるみで取り組んでいる姿勢を打ち出し、職人名を出すことで、作家として育ってほしいとの願いを込めている。

 茂野社長は「当社では、毎年出品しようというスタンスでやっている。出品することで、異業種交流にもつながる。それに新商品を作ろうとする時、いろんな知恵を借りなければならない。作品展は、そういった際のヒントにもなる」と作品展への出品の意義を語る。

 「今は、生活様式に合ったスタイルの家具を提案することに移っている」と現状を分析、「伝統工芸士が作った家具ということで、買った人にステイタスはもちろん、満足感などを与えられるものを作り、提案していきたい」と話す。

 また、今後の取り組みとして、「イタリアは、今でこそデザインの国、輸出型の国として確立しているが、歴史的に言えば40年くらいに過ぎない。それだけ国策がきちんとしていたということ。しかし、加茂産の桐たんすが、技術や品質などで劣っているとは思わない。今後、日本国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカに輸出できればと考えている。そのためには、どんどん他のメーカーなどが参入してくれればと思っている。そうすることが、地場産業の活性化にもつながるのでは」と期待を寄せる。         
                                                (廣川)