財政健全化策の早期策定を
田上町商工会 新春会員の集いと町政懇談会
 田上町商工会(新潟県田上町、佐野一雄会長・390会員)は、1月27日午後3時半から、田上町湯田上温泉、ホテル小柳で、平成16年新春会員の集いと町政懇談会を開催。町政懇談会のパネルディスカッションでは、パネラーとして参加した佐藤邦義田上町長に、財政や合併などについての意見を聞いた。

 田上町では、昨年末、市町村合併に関する住民意向調査を行い、反対多数の結果を受け、三条市など4市町村での合併協議会を離脱している。一部では、同調査での反対票は4市町村での枠組みに反対するものであって、合併そのものには反対ではない、との声もあるが、田上町とつながりの深い加茂市では、市長が「合併絶対反対」を繰り返しており、政令指定都市を目指す新潟市への吸収合併も実現の可能性が低いため、田上町は事実上、単独でのまちづくりを余儀なくされている。

 パネルディスカッションは、コーディネーターに野沢幸司同会副会長、パネラーに佐藤町長、関根一義田上町議会議員、佐野会長、三基物産(株)代表取締役の高野義夫同会理事を迎え、「どうするこれからの町づくり」のテーマで意見交換した。

 司会進行の早津紳也同会総務企画委員長が、単独のまちづくりに至るまでの経緯を説明。佐野会長は「合併すれば、合併特例債で100億円を超える金が使えた。しかし単独の道を選ぶことにより、特例債がゼロになる。商工会としては、とにかく合併をしなければならないという考えで今日までいる。会独自のアンケートで、青年部はかなりのパーセントで新潟圏域を望んでいたが、会としては、新潟圏域とか、県央東部圏域とかは町民に委ねるとして、とにかく合併しなければ死んだ町になると言ってきた。その中で、新潟圏域の情報も、県央東部と同様、公平に情報がほしいと要望してきた。しかし意向調査の結果、単独の道を選択した。町長の合併に対する姿勢はいいとして、会としては合併すべきだと思っている」とし、同会の考え方への理解を求めた。

 佐藤町長は「平成13年に財政シミュレーションを作成した結果、このままでは大変な状況になると思い、才歩川以南の公共下水道事業を一時休止した。昨年来の住民説明会でも、対等合併の三条圏域で合併する必要があると訴えてきたが、私の説明不足か、十分に理解を得られなかった。住民意向調査の結果は尊重しなければならないと思い、離脱した。いずれにしても町民は合併を望んでいない」とし、今後の財政対策について、「地方交付税が減額されるとしても、臨時財政対策債で補えると考えていたが、それも難しいようだ。職員給与減額などの自助努力はもちろん、町民の協力を求めなければならない」と話した。

 関根町議は、合併について、「選挙に立つ際、合併は避けて通れないものという程度にしか認識していなかったが、国の地方財政に対する動向などを勉強するにつけ、財政基盤の確立なくしてまちづくりはできないと思い、合併推進の立場を取ってきた。調査結果に対し、住民の意見は尊重すべきとの立場をとってきた。しかし、こんな大変な財政状況だということをきちんと説明してくれなかったじゃないかという意見を聞くにつれ、十分な理解がもらえるような活動をしてきたかという責任を感じている。町長の離脱の決断と前後しながらも、危機感を持つ意味で、合併の視点を捨ててはいけない」と持論を述べた。

 アンケートを踏まえた今後の可能性などについて、高野理事は「調査結果の六十数%は、会社で言うとプレゼンテーションが失敗したということ。商工業者を取り巻く不況環境は深刻で、事業所の70%は赤字。中小企業の数も減っている。町民が説明不足と言うのであれば、プレゼンの意味がない。大多数は、このアンケートで、こんな重大なことが決まるとは思わなかったと思う。本当なら、調査票に『結果により合併を取り止めることもある』と付け加えれば、取り組み方も違ったのではないか」とし、「今後、田上がよくなるようなシナリオづくりが求められる。人口増加のためのプランニングも必要だ。例えば、県下2位に保育料が安いのであれば、それを平均に引き上げるのではなく、県下1位まで引き下げ、『安いから住んでください』というくらいの逆転の発想が必要。そして今後の合併に備え、有利な条件のまちをつくるべきだ。赤字の会社がもうダメということはない。赤字会社ほど、他とは違ったことをやるべきだ」とした。

 野沢副会長は「平成17年から赤字になる。その対策について考えがあるなら、早めに挙げて住民に示してほしい」と要望。佐藤町長は、5月までに健全化策をまとめ、町民に知らせていくとした。

 佐野会長が「私たちは霞を食べて生きていけない。財政が逼迫し、予算が立てられない中、改めて単独でいくのか考えなければならないのではないか」と、再度、市町村合併の方向を模索してほしいと提案した。

 最後に、来賓で出席した町議から「ある一定の意図によって進められている」との異議も出され、野沢副会長は「議論を高めずに今後のまちづくりを進めるのはどうかと思って開いた」と開催趣旨を説明する場面もあったが、午後5時半ころ終了した。
                                                 (廣川)