売上げ減少70.7% 助成の拡大、周知望む声多く
燕市で初の製造業実態調査まとまる
 新潟県燕市は、このほど、平成15年度燕市製造業実態調査の調査報告書を取りまとめた。

 新潟県が定期的に実施してきた工業統計調査では、従業員3人以下の事業所を対象としないため、従業員3人以下の事業所が製造業の約7割を占める燕市では、実態が見えにくかった。市では事業所の実態を調べ、企業者の施策ニーズを把握しようと今回、初めて調査を行った。

 調査は、(株)ホクギン経済研究所に委託。昨年11月1日を基準日として、昨年10月21日から11月21日までの1カ月間にわたって行った。市内で製造業を営む事業所2072件を対象に、調査員が訪問し調査票を配布、回収。調査内容は(1)事業所の概要、(2)設備について(3)業績動向について(4)今後の経営方針について(5)燕市の産業振興策について(6)市に対する要望や経営上で困っている点等(7)聞き取りによる事業所の声、の7項目。回収事業所数は1817件で回収率は、87.7%だった。

 調査結果は、事業所の概要について、業種では、金属研磨・電気めっきなどの「金属被覆・彫刻業、熱処理業」が629件で最も多く、回答のあった事業所の34.6%、次いでプレス金属製品・打抜プレス機械部分品など「金属素形材製品製造業」が345件で19.0%、「洋食器・刃物・手道具・金物類製造業」が235件で12.9%と続き、金属加工の集積地、燕を裏付ける結果となっている。

 生産形態は全体でみると「賃加工業」が918件で最も多く、56.4%と過半数を占めた。次に「自社製品主体の製造メーカー」が250件で15.4%、「下請製造メーカー(賃加工業を除く)」が206件で12.7%、「一部自社製品を製造する下請製造メーカー」が156件で9.6%、「独立した加工専門企業」が98件で6%だった。

 業種別の生産形態は、「金属被覆・彫刻業、熱処理業」では賃加工業が大半を占め、453件、88.1%。「金属素形素材製品製造業」でも賃加工業が180件、53.9%と最も多く、「洋食器・刃物・手道具・金物類製造業」でも賃加工業が93件、42.5%と最も多かった。「自社製品主体の製造メーカー」の割合が高かった業種は、非鉄金属製造業で5件、55.6%、「下請製造メーカー」の割合が高かったのは「ゴム製品製造業」の3件、50.0%だった。

 従業員数では、3人以下の事業所が1087件で69.8%、4人から9人の事業所が266件、17.1%と、従業員数が9人以下の事業所が9割近くを占める。50人以上の事業所は33件で全体の2.1%と最も少なかった。

 自社の強み、弱みを複数回答で聞く項目では、業種、生産形態を問わず「製造技術」、「短納期」、「小ロット生産」を強みとして挙げる事業所が多く、弱みでは「営業力」、「製品開発」を挙げる事業所が目立った。

 近年の業績動向については、「減少した」が最も多く、1242件、70.7%。「増加した」が101件、5.8%、「横ばい」が413件、23.5%。

 今後の経営方針については複数回答で、「現状維持」が1136件、67.7%と最も多く、選択肢として「廃業」も考えている事業所が373件、22.2%でこれに続き、市内製造業の厳しい現状を反映している。「規模拡大」は90件、5.4%だった。業種別で「廃業」の回答割合が高かったのは、「金属被覆・彫刻業、熱処理業」の188件、34.8%。「規模拡大」の回答割合が高かったのは「金属線製品製造業」の3件、13.6%、「一般機器具製造業」の21件、10.2%。

 後継者問題では、「後継者がいない」と答えた事業所が882件、56.3%に上り、特に業種別では「金属被覆・彫刻業、熱処理業」で81.7%、生産形態別では「賃加工業」で74.1%に達し、後継者不足が顕著だ。

 市に対する要望では、「見本市出展助成金の増加」、「海外市場に関する情報強化」、「公的融資制度の枠拡大」などの助成の拡大や、周知徹底を望む声が多く、経営上で困っている点では、「仕事がない」、「工賃が安い」や、海外製品の進出による価格面での競争力低下を挙げる声がある一方、「行政は民間企業に対し口も手も出さないほうが良い、(企業の営業担当者は)もっと積極的に全国へ出て、仕事を探してはどうか」という声もあった。

 聞き取りによる声では、新製品開拓や業種転換、業績向上、高付加価値追求などのための技術情報、情報の提供を望む声などがあった。     
                                                (外山)