社内に講習会場
三条市金子新田   コスモスミス
 新潟県三条市金子新田、(有)コスモスミス(栗林達也社長・2社員)は、理美容鋏の専門メーカー。同社は1997年創業、今年で設立7年目という若い会社だが、独自の製造法を用いて、価格以上の高品質を目指す姿勢に評価も急上昇している。さらに栗林社長は「世の中に理美容鋏を伝えたい」と、今春には社内に鋏作りのノウハウを教える講習会場を設置、同社独自の鋏作りをフランチャイズ化する予定。

 栗林社長は、三条市内の機械メーカーに機械オペレーターとして勤務。1995年に一念発起して、理美容鋏の第一人者、高橋福太郎氏に弟子入り。その後、刃物素材製造の山村製作所、山村登社長の指導を受けさらに研鑽を重ねるなど、2年間の修業を経て同社を設立した。

 現在の主要な取引先は、シャンプーやパーマ液など理美容用品を扱う専門ディーラーで、一般的な金物卸商との取引はない。国内はもちろん欧米、アジア方面など海外との取引もある。  

 近年の動向について栗林社長は「アジアからの追い上げによって苦しいところもあるが、ここ1、2年は値段の高いものが出るようになってきた。値段以上の品質を心掛けている」という。

 同社で製造に使っている道具は、全て栗林社長が設計したものや、改良を加えたもの。従来の鋏職人とは違う、独自の製造法を編み出し、「当社と同じ加工を同じ方法で、できる社はない」と自信を持っており、「プロ用刃物、それもお客様に実際触れる道具である」との思いから、光を利用して精度を測るなど、ミクロ単位の仕事もこなしている。

 近年の理美容業界の傾向は単純に髪を切るというものから、髪を削るという鋏の使い方が多くなっており、より切れ味が求められているという。 

 同社では、顧客の要望に応じて、オーダーを受けての砥ぎ直しも行っている。ワンボックスカーを移動工房として改造。栗林社長が自ら現地まで駆けつけ、顧客の話を聞きながら、製造や砥ぎ直しを行う。鋏を製造する過程を実際に見ることができ、顧客満足も高いという。

 また、今春から同社の鋏製造技術を習得できる講習会場を開き、習得後は同社からの直売、メンテナンスなどエンジニアセールスを行う代理店として展開してもらう。栗林社長は修業時代の経験から「技術の伝承には、理論付けして伝えることが必要」と考えており、人材育成に意欲的だ。

 栗林社長は、近年の国内市場について「安ければよいから、値段以上の性能を持ち、自分に合っているものを買う時代となった」と可能性に手応えを感じている。「目覚ましい発展を遂げているアジア各国など、理美容鋏の市場はまだまだ大きい」とし、オリジナルブランドのさらなる拡大を目指している。 
                                                (外山)