遠藤田上町助役退職
合併推進で町長と食い違い
新潟県田上町の遠藤堅治助役は、2月10日付けで退職した。
同町では、昨年11月、三条・田上・栄・下田合併協議会設立準備会から離脱後、厳しい財政状況を乗り切るための健全化計画を策定していた。その中で、遠藤助役は合併推進を訴え、佐藤邦義町長がいったん辞職し、再び合併推進を主張して出馬することを町長に直談判していた。
一方の佐藤町長は、合併推進の考えは遠藤助役と変わりはないものの、すぐに辞職して立候補することは責任回避につながるとの考え。両者の考えが食い違った結果という。
遠藤助役が、退職届を提出したのは2月2日。一身上の都合と健康上の理由という内容だった。
佐藤町長は、退職届をいったん預かるという形で留意したが、6日に再度確認したところ、遠藤助役の考えは変わらなかった。
田上町が4市町村の合併の枠組みを離脱したのは、住民意向調査の結果、合併反対の割合が6割に達したため。
離脱後、町では財政健全化に向けた検討委員会を立ち上げ、数年後までの財政計画の立案に取り組んでいる。
「去年、11月の段階では、単独でも何とかすることはできたが」と佐藤町長。ことしに入ってから、内閣の三位一体改革で、臨時財政対策債のカットなどが分かり、今後の財政運営の見通しが立て難い状況になっていった。
こうした中、遠藤助役は、早期の合併を考えてか、佐藤町長が辞職した上で、再び立候補し、改めて信を問うということを主張。佐藤町長によれば、町長自身に直接訴えたこともあった。
しかし、佐藤町長は、財政健全化計画の立案を優先させ、「町民に現状を説明していかないのでは、説明責任を果たせない。まずは、町民に現状を説明するべきで、順序がある」との考えで、隔たりがあるまま、遠藤助役の退職に至った。
遠藤助役は、役場に奉職36年。土木関係一筋に31年間務め、その後、助役として5年の間、町政を支えてきた。
10日午後5時過ぎには、退庁する遠藤助役を100人ほどの職員が送り出す退任式が行われ、佐藤町長は「田上町の建設一筋に三十数年を尽くしていただいたことにお礼申しあげます。辞職は、この町の行く末を心配されてのこと。私と少し食い違ったが、考えは同じ方向だった。長い間ありがとうございました」と労をねぎらった。
遠藤助役は「突然のことで申し訳なく思っているが、2日付で辞職を申し出て、10日に退職したいことをお願いした。遺留されたが、ここで一つの区切りをつけたいときょうに至った。これから、大変に町の行く末が心配される。町長を中心として、町民福祉の向上、1万3800人の幸せのために、一丸となってがんばってほしい」と求めた。
最後に、玄関で「今まで、大変ありがとうございました」と一礼し、公用車で役場を後にした。
なお、佐藤町長は、後任人事については、白紙の状態としている。
昨年まで田上町と一緒に合併を協議していた三条市、栄町などでは、突然の辞職に驚いた様子で、「まったく分からなかった。それぞれの考えはあるのだろうが…」などの声が聞かれた。
(重藤)