21世紀にふさわしい役所
三条市新年度新たな組織に
 新潟県三条市は、新年度、健康福祉課に食育推進室を設置、教育委員会学校教育課指導主事の倍増、経営改革本部設置と、新たな組織体制を敷いた。縦型の組織から各課が連携する組織に変え、効率的な住民サービスの提供を目指す。

 食育推進室では、役所内の栄養士をまとめ、地産地消の普及を図る。学校教育では現場の教員指導を充実させる。さらに、経営改革本部では、各課が連携して、民間の経営感覚を取り入れ、市役所のあるべき姿を描く。

 高橋一夫市長は「21世紀の自治体にふさわしい仕組みをつくりたい」と成果に期待する。

〜役所内の栄養士を結集 食育推進室〜

辞令受ける関室長 従来、三条市には、3人の栄養士が各課に散らばっていた。幼稚園・学校給食の献立を立てるため教育委員会に一人、保育所の献立をたてるため社会福祉課に一人、高齢者に適した食生活指導などを行うため健康福祉課に一人。

 食育推進室は、この3人をまとめると同時に、さらに2人加えて設置した。加えた2人のうち、一人は、室長の関千鶴子さんで、栄養士の資格はあるが、事務職として勤務していた職員。もう一人は嘱託員として新たに雇用した。

 高橋市長は「バラバラだったものをまとめ、従来の縦割りから、各課の協力体制が成り立つ」と、相乗効果に期待する。

 各課の栄養士は、年間を通して、業務の忙しい時期にズレがあったため、食育推進室を設置したことで、より効率的に業務が行えるという。

 もう一つ、食育推進室が担う大きな役割が、地産地消の普及啓発。

 三条市では、昨年から、学校給食をすべて米飯に切り替えると同時に、地元産野菜を取り入れており、これを「三条の給食ブランド」として、売り出していきたい考えだ。

 高橋市長は「例えば、外国から輸入した野菜と、三条で、旬の時期に取れた野菜では、栄養価が違う。また、食の安心、安全、しかも旬である野菜など、三条で採れたものを、三条の人が食べるのが、一番よい。こういったことをすぐに行うのは難しいが、できるだけ早く実現したい」とする。

 食育推進室では、給食食材を売り出すため、農林課、商工課と連携して、販路拡大などを試みる。

〜教育研修に力 指導主事を倍増〜

 指導主事とは、県教育委員会から教職員経験者を「割愛人事」として派遣を受け、市内の小中学校でアドバイスや研修などを行っている。

 昨年度までは3人体制だったが、新年度は割愛指導主事を一人増やしたほか、すでに退職している校長経験者2人を嘱託指導主事として迎え、6人にした。

 全国的に、学校内での児童生徒の問題が報じられる中、三条市では「学校教育の充実は、教員の資質と指導力に負うところが大きい。また、総合的な学習の導入や学力向上の気運、生徒指導の充実など、学校の抱える問題は年々増加している」との趣旨で、指導主事を倍増。

 具体的に行う事業は、大きく分けて研修事業と支援事業の二つ。

 研修事業では、新人研修と中堅研修など、教員の経験年数別での内容を増やす。支援事業では、教員の相談に乗り、メンタルな面でサポートする。

 金子周一学校教育課長は「今までも主任研修などを行ってきたが、教員といっても経験年数によってニーズが違ってくるはず。だから、ニーズごとに、よりきめ細かい研修を行って、教員をサポートしていきたい。市民の教育に関する期待は強くなっている」と拡充の意図を話す。

 また、教育の充実に力を入れる高橋市長は「鍛冶道場が出来たら、技術科の授業を行うなどしていきたい」としている。

〜より民間感覚へ 経営改革本部〜

 経営改革本部は、三条市役所の将来に向けてあるべき姿を定めるために設置した。

 三位一体改革による地方交付税の削減、行政に対する住民ニーズの多様化など、自治体を取り巻く環境が大きく変化している中、三条市が何をすべきかについて抜本的に取り組む組織。

 企業を中心に取り入れられている経営品質の考えを取り入れた。経営品質とは、顧客本位の組織経営を理念とした思想で、全国的に取り入れる自治体が増えている。

 三条市の経営改革本部は、國定勇人情報政策課長を本部長とし、三役、市長公室長、総務部長で組織。下部組織として政策推進課、財務課などによる各課横断の経営改革チームを設置している。

 「財政、行政サービスなど、全体を考え、今後の三条市のあるべき姿の青写真を描きたい」と國定本部長。

 市では、まちづくり総合計画などで将来像を描き、個別に施策を展開していたが、「一つひとつではパワー不足な面があった。今まで以上に、民間経営の考えを取り入れていきたい」とする。

 今年度中には、市役所のあるべき姿を描きだす。
                                                (重藤)