三条市 後継者育成最終年に
手仕事で商品として通用するモノを
 新潟県の(協)三条工業会(斎藤弘文理事長)が、三条市、三条商工会議所とともに、鍛冶職人の後継者育成を目的に実施している、伝統地場産業後継者育成事業の平成16年度開講式が、4月12日午後6時から、三条市金子新田、(株)山村製作所内の三条鍛冶道場で行われた。

 手作業で、鍛造品を手がける職人の減少、手作業経験者の高齢化などを背景に、三条鍛冶道場師範を務める現役の鍛冶職人が、市内メーカーに勤務する若手に技を伝授する事業として、平成14年度に3年計画でスタート。ことしが最終年にあたる。

 受講生は、当初10人が参加していたが、現在は8人。職種は、包丁、鋏、ハンマーなどさまざまだ。

 開講して、2年間は、和釘、掴み箸など、与えられた課題をこなしていたが、ことしは、前半に、刃物の鍛造を行い、後半は、商品として扱える製品製作に入る。

 この日、開校式では、涌井清次工業会専務が「2カ月前まで、ものづくりをしていたものとして、みなさんが頑張っている姿は大変うれしい。かつて、イギリス、アメリカで国力が低下したのは、ものづくりを軽視し、金融、保険など数字を動かす仕事に力を入れたからだ。近年、日本でもその流れだが、例え、全自動で製品を手がけても人の技術がなければ駄目だし、コスト面では中国に勝てない。機械化よりもこれからは、独自の商品を確立することが重要」と、受講生の頑張りに期待した。

 続いて、指導を行う、鍛冶道場師範らが、「2年間で習得した技術を生かして商品化を意識してほしい。商品として通用する均一な製品を作ってください。並べて、ずれているようなら商品として成り立たない。同じ物を作るのが職人の腕です」と、最終年の方針などを説明。さっそく会場を移動し、作業に入った。

 この日行った作業は、刃物を作る際に行う、鍛接と呼ばれる工程。地金に鋼を貼り付ける作業で、日本の刃物の特徴とされている。

 受講生一人に指導者一人のマンツーマンで進行。

 受講生は、鋼を貼り付ける際には、鉄との接合部分にコークスの粉末が入らないように注意することなどのアドバイスを受けながら、真剣な眼差しで、赤く焼けた鉄を叩いていた。
                                                (重藤)