業種垣根越えブレイクスルー
三条商議所青年部設立 
初代会長に山井太スノーピーク社長
抱負述べる山井会長 新潟県の三条商工会議所青年部の設立記念式典が、4月15日午後5時半から、三条市旭町2、ハミングプラザビップ三条で開かれ、初代会長に山井太(株)スノーピーク社長を選出した。山井会長は、最初に同青年部発足を提案し、設立準備委員長を務めていた。

 青年部は、工業、金物卸商、木工の三業界団体の青年団体が、昨年から準備を進め、小売、農業関連にも参加を募り、合計145会員が集まった。

 山井会長は「今後、三条がよい形で生き残るかは、我々若者にかかっている。業種の垣根を越えて、ブレイクスルーしていきたい」と抱負を語った。

 この日は、開会後、記念事業として「若手経済人の課題と今後のあり方」をテーマにしたパネルディスカッションを行い、その後、設立総会、祝賀会に移った。

 パネルディスカッションのパネラーは、高橋一夫市長、渡辺勝利会頭、山井スノーピーク社長、坂田匠(株)サカタ製作所社長の4人。コーディネーターは、小林知行(株)諏訪田製作所社長が務めた。

 パネルディスカッションの要旨は次の通り。

 *  *  *  *

青年経済人について語ったパネルディスカッション小林―
市長、会頭は、自身が若手だった時は、どのような経営者だったか。また、今の経営者との違いは。

市長―
34歳から25年間社長を務め、売上げが前年同月を下回ったことは、1割もなかったし、2カ月連続で下回ることもなかった。そして、たまたま若い人が社長になった会社が、勢いで成長していった時代だった。そう考えると、今の人はお気の毒。

会頭―京都の大学を卒業した後、大阪で営業員として勤め、昭和37年に三条に帰ってきた。その時に、三条と違う土地を見て、営業職を経験したことで、他の人と違う視点を持つことができてよかったと思っている。問屋へ恨み節の仲間と違っていた。26、7頃の時に父が病気になって、早く世の中に出ることができたこともよかった。そういう意味で若い人にもっと頑張ってほしい。

小林―若手はどうか。

坂田―商、工、農が一体化することは意義がある。メーカー、金物卸は悪口を言い合っている。私の会社では、ものをつくり、売っているが、社内でも悪口を言い合っている。一つの会社でもそうなのに、3団体となるとなおさらのこと。だから、青年部の話が出た時もすぐ賛成した。

小林―異業種が立場を超えて取り組むことが最も重要だと思うが。

山井―なぜ、青年部をつくりたかったか。三条のまちが大好きであり、産業が興った経緯として、五十嵐川が氾濫し悲惨な状況だった時、先達は他所から和釘職人を呼び寄せ、産業を興した。普通ならば、飢えるか、他所に移るかだが、先達は残った。今はシビアな時代だが、三条のまちは、持っている力を自覚して、将来を創りだせるという思いがある。そして、具体的には、今、成功しているビジネスは業種を越えているところ。メーカーが小売までを手がけている。だから、我々が垣根を越えて集まっていけば、ブレイクスルーできるだろう。

小林―若者に向けてアドバイスを。

市長―メーカーと問屋のケンカの話、垣根を越えること、青年部の発足など、立派なことだと思っているが、注意することがある。私の会社では、最初はのこぎりの鍛冶屋だった。私の時にも製造していた。ただ、販売が中心で、販売はお客のために、製造計画を変えさせることもあった。そうすると、製造の計画が狂う。どちらか一方が強くなると、儲かるかどうかは全部、販売に任せるということになってしまう。だから、ある程度ケンカしていないと、一方が他方の面倒を見なければならないということになってしまいがちなので、ケンカしながらも仲良くすることを目標にしてほしい。団子になることは慎むべき。

会頭―私は鍛冶屋の息子だが、問屋に勤めることができてラッキーだった。今、66歳になって思うことは、人の心は歳をとらないということ。66歳になっても20歳の頃と意外に変わらない気持ち。これが、逆に世の中の害になっていると思う。だから、禅譲はない、奪い取れ、くらいがちょうどよい。アメリカの真似は終わりでモデルのない時期。古い成功体験者を追い出すのが一番よい。

小林―このことについて、若手はどうか。

坂田―私は、25の歳で入社して、父親の会社を、ほぼ乗っ取った。プレッシャーに耐えられずに、自殺を考えたこともあったが、それを乗り越えて、自分の目指す方向に会社を持っていった。よく、仲間が、父親が言うことを聞かないとこぼすが、子どもが悪い。これから先の長い子どもの方が責任は重い。だから、禅譲ではなく奪い取るべき。私の場合は結果的には親の理解があったのだとは思っているが。また、私の社内でも営業と製造がケンカするが、私は営業が悪いと言っている。製造は外に出ない。営業は情報をもたらす。情報を仕入れることはイコール販売であり、作る人に情報を与え、そして売るものができる。

小林―若手に向けて、今後期待することは。

市長―結局は経営なのだから、儲からなければ駄目。それと、父親が何かをさせてくれないと言うのではなく、本当に正しいと思うのならば、飛び出してでもやるべき。しかし、今はそれが簡単にできる時代ではないので、若い人は親の世代にきちんと相談し、聞く側は何も言わないくらいの気持ちで聞くこと、こういう暗黙のルールが必要だと思う。

会頭―若いうちに大きな夢を持つことは大切。もちろん、責任が伴うが。

〜市制70周年事業の翼担う 4委員会で事業推進〜

 設立総会は4月15日三条商工会議所青年部の設立記念式典後の午後7時から開いた。

 会則、事業計画、収支予算の各案を承認し、山井会長ら役員を選出した。

 青年部の今年度事業は、総務、会員交流、まつり、BACAの4委員会で進める。

 うち、まつり委員会は、市制70周年として産業祭・農業祭をリニューアルする仮称・三条金物まつりの企画、運営を行う。三条の魅力を全国に発信する一大イベントにするという。

 BACA委員会では、首都圏や海外に、三条製品の販促を目指す事業を展開する。

 予算は、収支とも664万円。

 定年は45歳としている。      
                                                (重藤)

 会長、副会長は次の通り。
【会長】▼山井太・(株)スノーピーク
【副会長】▼坂田匠・(株)サカタ製作所▼渡辺富士男・梨屋木工(株)▼長岡信治・(株)ナガオカ・リコー▼小林知行・(株)諏訪田製作所