「素材高騰 もう耐えられない」
15%以上の値上げへ 木鋏・ラシャ切洋鋏両組合
 新潟県の三条木鋏組合(鶴巻四郎組合長・20社)と三条ラシャ切洋鋏組合(鳥辺建治組合長・5社)は、昨今の素材急騰を受け、8月から、組合員全社揃って、15%以上の値上げに踏み切る。

 素材の値上がりは、ことしに入ってから続いているが、最近になって鋼材メーカーからの値上げ要請が相次ぎ、同組合としても製品を値上げしなければ難しい状況という。

 木鋏組合の鶴巻組合長は「オイルショック以来の素材高騰ぶりで、もう耐えられない」と話している。

 鋏の組合が、価格改定を行うのは、13年ぶりという。

 現在の素材高騰は、2008年の北京オリンピックを控えた中国が、世界中から鉄鉱石などを買い集め、品不足になっていることが原因。

 金属関係でなく、鋏に使う石油製品などの副資材の価格も高騰しており、かつてない様相。鋏生産の関係者らは一様に、「この急騰はいつまで続くのか」と頭を悩ませている状況だ。

 素材の値上がり自体は、昨年からあったが、ことしに入ってから加速したという。いわゆる工賃の少ないステンレス材に関しての値上げは早く、昨年4月から5%値上がった。その後、ことし4月に入ってからは柄に用いる鉄が5%上昇。さらに、6月、7月と3カ月連続で上昇するけはいを見せている。

 さらに、6月からは、刃に用いる鉄と鋼を合わせた刃材の値上がりも始まる。特に鋼が急騰している様子で、「どこのメーカーが3割上げたようだ」などの噂も飛んでいるという。 

 鶴巻組合長は「おそらく、素材メーカーも、もう限界なのだろう」とする。

 こうした状況を受け、木鋏とラシャ切洋鋏の両組合では、組合員が揃って値上げすることを決定。5月に開いた総会では、反対意見は上がらなかったという。

 両組合の15%の値上げは、各組合員は最低でも15%の値上げをするということ。それぞれの組合員の判断で、15%以上上げることもある。

 値上げの時期を8月に設定したのは、商社への影響を配慮してのこと。木鋏関係は、例年4月から6月が一番の需要期。「できるだけ、商社に迷惑をかけないようにした」と、鶴巻組合長。

 ただ、ホームセンター関係については、年単位で契約を取り交わしているため、当面は価格への影響はない。

 今後、個々の事業所などで、卸売商社、ホームセンターに価格改定を通達していく。  
                                                (重藤)