ペイオフ全面解禁控え
財務、役員などさらに体質強化
貸倒引当金、積極的に有税積み増し
加茂信金、第51回通常総代会開催
 地域の企業と密接な関わりを持ちながら発展している新潟県加茂市本町、加茂信用金庫(梁取耕造理事長)は、6月18日の通常総代会で、来春のペイオフ全面解禁を控えて、経営体質の一層の強化を図り、融資先の支援体制を強化するため、貸出金償却・引当金処理に力を入れるなどの第50期(16年3月期)業務報告、決算、新潟経営大学の「大学前支店」の本店営業部への統合による廃止などを承認、理事及び監事の任期2年の満了に伴う選任などを行った。梁取理事長は再任された。

 梁取理事長は、通常総代会後、本紙のインタビューに答えた。

 営業エリアである加茂市、新津市、五泉市、白根市、田上町、村松町などの地域経済が、地方経済の景気の立ち直りが遅れていることから、振るわなかった。

 預金では、懸賞金付定期預金「あたる加茂定期預金」「50周年記念預金」を積極的にセールス、期末残高で、個人預金が前期比9億円増加し、537億円となった。しかし、法人預金は、景気低迷で4億円減少し、79億円に。公金・金融機関なども合わせ、預金合計は、635億円、前期比6億円のマイナスになった。

 貸出金は、中小企業の長引く景気低迷で、資金需要は依然低調。雇用問題や所得の減少で、住宅投資や個人消費も低迷で個人の資金利用も低調。法人、個人、公金・金融機関などの貸出金合計は、340億円で、前期比13億円の減。

 期首119人だった職員は、期末には109人に、10人削減。安全第一に有利な有価証券などの運用を増やした。本業の儲けを示すコア業務純益は前期比5200万円の増で、2億9400万円を計上した。

 一方、資産査定基準に基づき自己査定を行い、貸出金償却3億6800万円、貸倒引当金6億2900万円を損失処理し、税引前当期利益は7億400万円、当期利益が7億1500万円の、それぞれ損失となった。

 損失処理については、積立金の一部を取崩し補填処理。従来の健全経営により、取崩し後も、自己資本比率は、13.68%と、国内基準の4%を大きく上回っている。

 梁取理事長は、「個別貸倒引当金の内訳は、不渡発生、自己破産、任意整理などによるものは、8500万円で、資産査定基準の見直しを行い、債務者区分をより厳格に査定したことによるものが、5億300万円、地価が下落しているなかで、不動産担保の評価基準の変更などが3億1400万円などとなっている。今後の経済を見通し、貸倒引当金を有税で積み増すことで、さらに、積極的に、取引先企業を支援できる体制が整う」と、前向きにとらえている。

 人事異動については、6月10日に発令、西加茂支店長木津盛一氏を、本店営業部長に、業務部事務管理課調査役五十嵐治氏を西加茂支店長に異動。同月21日には、総務部長委嘱吉川健一氏を本部長兼監査部長兼人事部長委嘱(常務理事)、融資部長委嘱大橋時雄氏を同(常勤理事)、監査部長兼人事部長委嘱佐野正人氏を中小企業支援室長委嘱(常勤理事)、本店営業部長木津盛一氏を業務部長委嘱(常勤理事)に、業務部長坂上通男氏を業務部長委嘱(常勤理事)に、総務部副部長阿部貴行氏を総務部長に任命した。

 人事について梁取理事長は「今後は、若手の育成、強化を図っていく。法律関係、機械システム関係、事務部門など、専門的な知識を持った職員を育てることも重要。役員については、役員になったことで有頂天になることのないように、むしろ、任期2年が来て、再任されるということではないのだから、自覚を持って任務に当たってほしいと期待している」と、厳しい経営環境下、同信金が、一層地域の住民、企業など取引先の深耕を目指す決意を示した。

 第51期については、預金650億円、貸出金330億円、業務純益並びに経常利益とも2億8000万円、税引前当期利益3億5000万円を見込んでいる。
                                                (社主)