個人に合ったケアを
いっぷく老健施設ユニットケア研修
「ユニットケアはコミュニティーをどうつくるか」と坂本さん 新潟県下田村長野地内で、老人保健施設、特別養護老人ホームなどを運営している医療法人社団・社会福祉法人しただ(北澤幹男理事長)は、6月1日午後6時半から、職員に対しての研修会を開き、生活介護研究所代表の坂本宗久さんの講演を聞いた。

 医療法人社団しただでは、昨年9月から介護老人保健施設いっぷくで、従来の、施設利用者を集団でケアする手法から、少人数で、ゆとりあるグループケアへの移行を目指しており、坂本さんのアドバイスを受けている。

 近年の高齢者施設介護は、グループケアやユニットケアなど、施設職員が、高齢者を少人数で把握しつつ、自由でゆとりのもてる生活空間を提供する方向となっている。

 また、平成14年の介護保険法などの改正で、新たな特別養護老人ホームを建設する際は、ユニットケアを導入することが義務化されており、社会福祉法人しただが、運営している特別養護老人ホームいっぷくでも、ユニットケアを導入し、定評を得ている。また、現在、同村内に建設中の病院も、ユニットケアを応用するという。

 この日の講演には、若手職員40人ほどが参加。

 最初に、坂本さんは、高齢者介護を知る上の前提として、「介護8法のうち、最初にできたのは、昭和22年に成立した障害者福祉法。戦争後、体が不自由になった人を救うためにできた。その後、24年に戦争孤児を救うための児童福祉法ができた。老人福祉法ができたのは、38年で、戦後18年が経過してから。47年から、高齢人口が全人口の7%を超え、高齢化社会が到来することが分かっていたため成立した法律。どの法律も戦後補償として成立している」と説明。

 また、「今の高齢者は、戦争を体験した人たち。そういう人に大規模ケアで、ご飯、お風呂などをしている」、「モノだけを与え続ける現在の日本の老人介護では、介護保険がいくらあっても足りない」と、従来の高齢者介護のあり方を批判。

 グループケアやユニットケアについては、「ご飯の世話よりも、相手のことを分かろうとする努力が重要。高齢者にゆとりが生まれると、本来の家庭での生活スタイルに戻る。職員が高齢者のことが、分かるようになってくることが、ユニットケアの入り口」と解説。

 具体的な事例としては「大切なのは、高齢者の満足感。食器を荒っぽく置いたり、頭上から話しかけたりしていては、ゆとりは生まれない。一番大事なのは、自由である。ユニットケアは、コミュニティーをどうつくるかにかかっている。ユニットケアがうまくいくと、家族が一番喜ぶ。みなさんは、毎日、同じ人を見ているから気付きにくいかもしれないが、たまに会いに来る家族には、変化がよく見える」とした。
                                                (重藤)