小泉首相来条
高橋市長 五十嵐川抜本改修の考え
事業所向け「温かい融資制度を」
概況説明受ける小泉首相 小泉純一郎総理大臣以下国の7・13新潟豪雨視察団が、7月19日、被災した三条市をはじめ、新潟県内の被災地を視察した。

 小泉総理は、到着後、燕・三条地域リサーチコアで、平山征夫県知事、高橋一夫三条市長らから概況説明を受けた。高橋市長は、激甚災害の地域指定、生活再建法の適用を求め、事業所向けでは、無担保無保証の融資制度創設を訴えた。また「五十嵐川の抜本的な改修を考えています」とも述べた。

 小泉総理は、建物被害などについて「床上浸水だと、もう使えないからねえ」などと被害状況を心配し、概況報告を受けた後、同市東本成寺、(株)タダフサ(曽根忠一郎社長)を視察した。

 視察団は、小泉首相以下、佐藤剛男・内閣府副大臣、柴田高博・内閣府政策統括官(防災担当)ら、関係各省庁の審議官など数十人。この日午後零時45分に、新幹線とき351号でJR燕三条駅に到着。小泉総理を乗せた黒塗りの大型乗用自動車のほか、小型バスなど十数台に分乗して、すぐに、リサーチコア7階の会場に入った。

 小泉首相のこの日の服装は、水色のシャツに紺のズボンの防災服。腕には内閣府の文字が入っていた。

説明に使われた資料 概況説明では、まず平山知事が、五十嵐川などの被害について「最初は、北側の地域で被害があったが、それが逆側に発展して、新興住宅地の多い、密集地がやられた。地場産業にも大きな被害があった。新潟県内の水害では死者15人と、過去2、3番目の規模。また、あまりにも水の広がりが早かったため、高齢者に多くの被害が出たことが残念な結果。今後の一番の課題は、ゴミや泥の処理。自動車もあちこちに流されている状況。住宅を建て替えるまでの仮設住宅も必要。地場産業では、県を代表する産地なので、急いで被害総額を調査して、融資などの対策を早急にお願いしたい。農業関連では、最低でも30億、40億円の被害になりそう」とした。

 続いて、高橋市長が「激甚災害の地域指定と、生活再建支援法の適用をお願いしたい。三条は中小企業のまちであり、被災した企業は全体の40%になる。先日も、更新したばかりの機械が水に浸かったなどの話を聞いた。被災地域で大規模な企業ではコロナがある。同社は自力で仕事はできるが、部品の調達ができない。そこで、愛知水害の時、トヨタがそうだったように、全国から部品調達ができるネットワークをつくるための支援を。融資では無担保無保証のものをお願いしたいが、5年で終わって、その後、返済できなければ不良債権となるようなものではなく、温かい融資制度を願いしたい」とした。

 また、高橋市長は「五十嵐川は、下流部の幅が狭い。今回のような異常気象に対応するためには、根本的な改修をと考えている。これまでも改修の声はあったのだが、全体を見直すことを考えている。今、公共事業は大変だが、1回、被害が出れば、改修した場合の何十倍もの被害になる」と、強く訴えた。

 小泉首相は、平山知事、高橋市長の説明時に、席を立って机上の詳細図を見ながら説明を受けるなど熱心な様子で説明を聞き、「一度、床上浸水すると、使えなくなるからねぇ」、「もう、水は引いているの?」、「交通遮断はどうなっているの?」などと、言葉数は少なかったが、現地の状況を詳細に把握しようとしていた。

 小泉首相は、15分ほど説明を受けた後、「じゃあ、現場に行きましょうか」と、切り上げ、刃物産地として知られる三条の地場産業の被害状況を見るため、五十嵐川の堤防決壊場所は視察せず、視察地のタダフサに向かった。

 タダフサを視察した後は、見附市や中之島町を訪れ、刈谷田川左岸の決壊現場の視察や、被災者を激励した。     
                                                (重藤)