高橋理事長 「より付加価値ある取引に」
純益増、自己資本比率16.3%
協栄信用組合 平成16年3月期決算
新潟県燕市東太田、協栄信用組合(高橋作衛理事長)は、このほど第51期(平成16年3月)決算で、自己資本比率が約1%増加の16.3%に、預金も県内信組の平均伸び率1.1%増を大きく上回り2.6%増となった。融資は3.2%の減となったものの、業務純益、経常利益、純利益とも前期比で増加した。
高橋理事長は、「預金好調、貸し付け不調、収益はまずまず」と評価。貸出金については、企業体質の変化などから「景気が好調となっても伸びは見込めない。地域ニーズをいち早く汲み上げるなどして、取り引きに付加価値をプラスしていく」とした。
決算の内容は、預金が前期比で30億4000万円増の1190億円、貸出金は前期比19億1100万円減の581億200万円。
預金は、定期性預金のペイオフ実施以降、落ち着き、先行きの不安感などから個人預金を中心に増加したことが要因。預金の約9割が個人預金だが、法人預金の下げ止まりも預金増加に働いた。
貸出金は、企業の先行き不安を反映して投資が低調。前期で好調だった個人ローンも増改築など小額の融資は多いものの、新築の住宅ローンなど額の大きなものは先行き不安を反映して控えめ。
預金に対する貸出金の比率を示す預貸率は47.5%。
だが、景気の回復基調が地域にも感じられるようになったのか、ここにきて企業で設備投資を中心に上向き傾向。
利益状況では、50周年事業を前期で終了したことや、リスク分散型の有価証券運用が堅調で貸出金の低調さをカバー、業務純益が前期比4億9800万円、158%増の8億1300万円。
経常利益は、地元企業の状態、地価の低調さを勘案して、貸倒引当金を3億7300万円積み増したため、4億1200万円で、前期比122%増。
当期純利益は、税引き前で、前年比2億1200万円、116%増の3億9500万円。これに法人税、住民税、事業税1億4400万円を引き当てると、前期比1億3100万円、96%増の2億6800万円。
自己資本にあたる組合員勘定は、利益の内部留保積み上げにより9億8600万円に、うち95%にあたる9億4100万円が利益の蓄積による無コスト資金。自己資本比率は、国内基準の4%を大幅に上回って16.3%になっている。
高橋理事長は、自己資本比率について「新規事業、投資に積極的だった、この地域の地場産業に支えられたかたち。自己資本比率だけでなく、融資のアップも望みたいところ」と、攻めの姿勢。「大企業や都市部中心と言われた景気の回復基調も、この地域で感じられるまでになった。一方で、企業もキャッシュフロー、減価償却と自己資本比率を見ながらの投資に移行していくと見られ、転換期を迎えている。貸出金が不調だったが、景気が上向いても貸出金の伸びには期待できない。リスク分散と言っても投資も100%確実ではないわけで、リスクに見合った金利設定や業務手数料の見直しも必要。金利の高い人、低い人の差別化が進んでいる」とした。
今後の運営については「地域のニーズをいち早く吸い上げ、情報やサービスを提供する。取引するメリット、付加価値のある取り引きを行いたい」と、話していた。
(外山)
