渡辺会頭 商議所大したことできない
災害、最終的に自己責任
 新潟県の渡辺勝利三条商工会議所会頭は、7月23日正午から開かれた常議員会の冒頭の挨拶で、30分に渡って、7・13水害に関する所感を述べ、水害に遭った会員事業所への見舞金について、あまりにも金額が大きくなり過ぎるので、正副会頭で協議した上で決めたいとした。

 まず、渡辺会頭は、「13日の午後、会議所で仕事をしていたら、三条市役所から、避難勧告が出たとの連絡があったので、職員に、『仕事を辞めて帰りなさい』と指示した。その時、職員は、『そんな』という感じがあった。五十嵐川に2つ目のダム、大谷ダムが完成し、みなさんが安心し、避難勧告が出ても『大変』というところまで頭が行かなかった」と、市民に水害に対する気の緩みがあったことを指摘した。

 商工会議所としては、「会員事業所に避難勧告の情報をメールで送ろうにも、会員全てのメールアドレスを把握しているわけでない。ファクスで連絡したが、ファクスは、昼間流しても、順次送られるので、夜にしかつかないところも。電話も水害と同時に停電になった。幸い燕三条FM放送が役だった。FMができた時、1社100万円、10社で1000万円の寄付を募って1万台のFM放送専用ラジオを作った。実費1000円以上かかったが、500円に割り引いて、1個500円で売ったが、なかなか売れなかった。今回、欲しい被災者に無料で提供した。被災された方にはFM放送を通して徹底できた」と、災害時の情報伝達について触れた。

 また、「高橋市長は、マスコミの取材に取り囲まれ、避難勧告の命令が徹底していなかったと追求されている。高橋市長は、『広報車を出し、避難勧告を行ったが、徹底できなかった』と言っている。24ある被災した自治会のうち、22までの自治会長は避難勧告を受けていないという。人災の部分が多いとか、リーダーの責任はどうかなど、被災地の市議さんが、行政や国に対して訴えたい気持ちはよくわかる。ただ、地域全体が、水害に対して気が緩んでいた。毎年行われる防災対策でも、新潟地震や阪神淡路大震災など震災ばかりになって、市自体がおかしくなっていた」と市、商工会議所自体も、「水害に対して備えていなかった」と反省していた。

 「コロナの内田社長から電話があって、冠水した機械の部品がないので、生産がストップしている。2000年の東海災害の時、トヨタが災害用の特・特・特急で、全国から部品を調達するようにしてもらったというので、国に陳情に行く県知事、市町にその旨を話し、中小企業庁から、全国の業界に特急で部品をつくるよう指示したという」と、商工会議所としての対応も紹介。

 嵐南地区で水に浸からなかった事業所から、「納品しなければならないので、橋を通せ」などの要望もきたが、対応は無理だったこと。融資など支援はしてくれるが、返済しなければならず、災害はあくまでも自己責任であることを強調した。

 また、「商工会議所には、会員事業所が災害に見舞われた時には見舞金を出す規約もあるが、あまりにも多い金額になる。商工会議所会館建設の時に集めたお金が残っているので、それを充ててはという考えもあるが、私一存では決められないので、正副会頭会議で協議して、最終的に私が判断したい」とした。

 「『これを機会に商売をやめよう』と言う人が多かった。後継者がなく、借金をしてまで改めて機械を買ってやる気力がない。意気消沈し、町全体に影響が出てくる。商工会議所として何をしてあげられるかなと考えると、やれることは大したことはない」と、心情を吐露した。  
                                                (社主)