エアコンない中 懸命に作業
通所授産施設、通勤寮も被害大きく
7・13水害により、新潟県三条市の嵐南地域一帯では、復旧作業に懸命な毎日が続いている。同市西本成寺1地内にある知的障害者のための通所授産施設、通勤寮などが並ぶ一角も同様。大きな被害を被り、再開に向け力を尽くしている。
その一角のうち、県央福祉会の通所授産施設・杉の子工房(坂井正弘所長)では、床上浸水により施設が使えない状況で、再開のめどが立っていない。利用者は、同市月岡、いからしの里体育館を臨時の作業場として、エアコンのない中、汗を流して作業に励んでいる。
杉の子工房は、水害が発生した13日朝、前日からの大雨を受けて、利用者に連絡網を通じて臨時休業を伝えた。隣接する福祉ホーム・杉の子の家では、10人の利用者が生活し、市内の事業所などに勤務している。当日、坂井所長や取り残された利用者6人は、夜になって救命ボートで救助され、体育文化センターに避難したが、4人が戻らなかった。
4人のうち、3人は、勤務先の人から自宅に送ってもらったり、燕三条エフエム放送のたずね人の放送で無事を確認できた。残りの1人は行方がつかめなかったが、国道8号線沿いを彷徨っているところを、運よく特別養護老人ホーム・長和園の職員が発見し、済生会三条病院に連れて行った。
坂井所長は「素直な方たちなので、水の中を歩いてでも杉の子の家に戻ってくることを心配したが、無事でよかった」と胸をなでおろしている。
水が引いた後の17日、職員に加えて、大勢の保護者の手伝いで、施設の清掃を行い、21日には電気が復旧したため、利用者も杉の子の家に戻ってきて、2階で生活を始めている。
杉の子工房は、周辺の建物よりも一段高く造ってあるが、それでも床上60センチまで浸水。木製の床板は、水に浸かってボコボコになり、機械類も多くが冠水。高い場所に上げたはずの仕掛品も水に浸かっているような状況。さらに、利用者の送迎に使っていたマイクロバスなど、自動車3台も水没した。
被害総額は、機械類がすべて修理不可能だった場合、3400万円にのぼるという。
杉の子の家では、1階の利用者の部屋が全滅。床は張り替える必要があるほか、押入れなどにカビが生え始めており、衛生面でも不安がある。
その後、杉の子工房では、23日に保護者会を開き、いからしの里体育館を当面の作業場とすることなどを決めた。送迎は、県央福祉会の各施設から自動車を借りて行っている。
作業が始まったのは、26日。体育館内は、当然エアコンなどの空調設備は設置されておらず、連日の猛暑で蒸し風呂状態。じっとしていても汗が流れてくる。保護者が差し入れた数台の扇風機があるが、「暖かい空気をかき混ぜているようなもの」。作業も遅れがちになるという。杉の子の家の一刻も早い再開が期待されている。
現在、4社からの仕事を受けているが、通常の状態に比べれば、仕事の量は半分以下。
杉の子工房、杉の子の家では、これから本格的に修理工事などに入る。坂井所長は「再開するには、少なくとも8月いっぱいはかかるだろう。この先、どうなるのか」と頭を悩ませている。
(重藤)
