店も客も表情複雑 四日町市場再開
7月10日以来だが 以前の活気ほど遠く
 新潟県三条市四日町地内、四日町市場(5・10の市)が、8月5日、25日ぶりに再開された。

 出店が45店と通常どおりだったものの、人出は少なく、以前の活気が戻るには、もう少し時間がかかりそうだ。

 四日町市場は、7・13水害により、7月10日を最後に開催できない状態だった。

 復旧作業が進む中、市場再開に向け、8月2日に石灰などをまいて消毒するなど、この日のために準備を整えてきた。

 25日ぶりの市場には、通常とほぼ変わらない数の45業者が出店。しかし人手が少ないため、「店の数も半分くらいなんじゃないのかな。畑が沈んで泥かぶったという話も聞くしねぇ」と眉をひそめる業者も多かった。

 また、四日町市場管理事務組合が「食べ物を扱うので」と念入りにまいた、消毒の石灰が取れず、市場内の地面は一面真っ白。業者もお客も「何かすごいね」と驚いていた。

 いつもなら午前9時前には満杯になる駐車場も、常に余裕があり、お客の数もまばら。「店の人の数の方が多いかも」と業者も苦笑い。

石灰でまるでスキー場のような四日町市場 市場には野菜や果物、お菓子、魚、豆腐、衣類、花、種など、なじみの商品が並んだ。時折、「ありがとうございましたー」などと、業者の威勢のいい声が響いていたが、再開前の活気には程遠い印象だ。

 加えて、孫を連れた祖父母や親子連れの姿も目立ったが全体的に少なかった。

 四日町地内に住む女性は「1階が全部、水に浸かってダメになったので、今は上に住んでいます。3階建てだけど足が痛くて。もともと良くなかったけど、今回の水害でもっと悪くなったみたい。どんな状態でも1階部分に住みたい」と足をさすりながら、しみじみ話していた。それでも四日町市場の再開を聞き、駆けつけ、「やっぱりいいですね。ただ近いだけでなく、顔なじみの店のお母さんの顔を見るとホッとする。私にとって、憩いの場でもあるんですよ」と笑顔を見せ、店の人と話を弾ませていた。

 曲渕1地内の女性は、自宅は浸水しなかったが、近所の家が浸水したため、避難できなかった人などを、自宅に泊めたとのこと。「小さい家だけど、近所の人の役に立てたし、喜んでいただいて良かった。それに市が開いて安心しました」と、少し表情を和らげていた。

 本成寺地内の女性は「雨の様子を見て、『もしかしたら(家の中に水が)上がるかもしれない』と思い、玄関にある靴を10足、2階に上げて、下りてきたら、もう腰まで浸かりました」と水の勢いの早さを話した。「でも翌日、親戚の通夜だったけど、履いて行く靴は無事だったし、何より在宅介護しているおばあちゃんがショートステイに行っていたので助かって本当に良かった。おばあちゃんのベッドとか介護用品がすべてダメになったので、今もショートステイを延長して、1階部分が直るまで施設にいさせてもらえるようにお願いしました。おばあちゃんに『(ショートステイに)行く前の状態に戻ったら、迎えに来るからね』と話したら、よくしゃべれないんですけど、涙を流していました」とうっすら涙を浮かべながら話した。

 同事務組合では、「25日ぶりの再開なので、もう少し活気があるかと思ったけど、まだまだ被災した人の気持ちが、そこまで行っていないのかもしれない。それに、親戚の家に身を寄せている人も多いだろうし。これから徐々に活気が戻ってくるはず」と期待を寄せた。  
                                                (廣川)