「眠れない」 「無気力」 「不安」
7・13水害から1カ月 悩む人まだ多く
7・13水害から1カ月。三条市内では復旧作業も進み、開店する店舗も増え、表面上は回復しているが、災害時の凄惨な体験が原因で、心や体に不調を訴える人がまだ多く、これらの症状がひどくなるとさまざまなストレス障害を引き起こしかねない。
新潟県は7月20日に、心のケアホットラインを設置。8月11日までに38件の相談が寄せられている。精神科医などでつくるケアチームの延べ派遣回数は、10日現在で66回。利用はまだ少ないが、県では「今後、増えていくのでは」と見ている。
災害発生後、健康面に関しては、三条健康福祉環境事務所(松井一光所長)では、災害発生直後から、避難所での食中毒発生や、暑い中、冷房のない施設に避難した人たちに対して、脱水症状や熱中症に気をつけるよう呼びかけたほか、疫病の発生にも神経を尖らせたという。
また、新潟県や三条市、周辺市町村の職員などが協力して、7月24日から被災した多くの世帯を直接訪問し、健康面でのニーズ調査を行った。
被災者の精神面については、県が、20日付けで、心のケア対策会議を立ち上げ、同日付で、匿名で電話相談できる心のケアホットラインを開設。23日には、精神科医、精神保健福祉相談員ら専門家でつくるケアチームを結成し、ホットラインに寄せられた相談などをもとに、直接家庭を訪問して診療を行っている。
相談の主な内容は、「眠れない」、「水害時の怖い経験が蘇ってくる」、「無気力で仕事が手につかない」、「これからのことが不安」など。これらの症状がひどくなると、PTSD(ポスト・トラウマスティック・ストレス・ディスオーダー)といったストレス障害を引き起こしかねない。
県ではホットラインに寄せられた相談に対して「よく話を聞くことを心がけ、相談者の気持ちをほぐすことを第1にしている。また、異常時は、誰でも不安な心境になることを伝え、過剰な心配をさせないようにもしている」などのアドバイスをし、必要に応じて、ケアチームを派遣している。
まだ、県に寄せられている相談は少ないが、被災地では、健康面や精神面で悩んでいる人が多い様子。
被災地の東本成寺にある(医)川瀬神経内科クリニック(川瀬康裕理事長)では、20日から診療を再開している。その中で、心身が疲れたという人や、眠れないという人が多く訪れ、アドバイスを求めたという。「不安、憂うつ感などの話をよく聞いて、アドバイスをしている。肉体的には楽になったが、落ち込んでしまう人がいるようだ」と川瀬理事長。
また、同院には、膀胱炎や脱水症状を訴える高齢者も多く「避難所でトイレに行きにくかったり、復旧作業で高齢者の介護が行き届かなかったりする面が見られるのでは」と見ている。
なお、県の心のケアホットラインは、フリーダイヤル(TEL0120・913・600)、もしくは専用電話(TEL025・281・5773)へ。
開設時間は、午前8時半から午後10時まで。
(重藤)
