高橋陣営 まさかの戦いに身震い
杉山元市長 「市議の支援なくとも勝つ」
新潟県燕市長選挙並びに市議補選は、多くの予想を覆して、市長選挙は、既に出馬表明している現職高橋甚一市長に、杉山光映元市長が出馬する決意を固め、着々と駒を進めており、一騎打ちの公算が大きい。逆に、一騎打ちと見られた市議補選は、吉田勝利前市議が出馬表明、出馬の動きをみせていた塙豊前市議が、「健康に自信がなくなった」などを理由に土壇場になって出馬断念、無投票当選の可能性が出てきた。
これにより、市民は、市長選挙の成り行き一点に注目している。
8月20日、本紙が出馬表明していないことから、杉山光映元市長の実名こそ挙げなかったが、燕市長選について、有力候補が出馬する可能性が大きいこと、すでに着実に駒を進めていることを報道。
この時点でも、高橋甚一市長陣営は、一部の報道の「無投票当選」を、信じ切って、対立候補は出ない、対立候補が出るにしても、市町合併のため、あと1年余の任期しかない現職の高橋市長に勝てないという読みをしていた。
杉山元市長が、先の市長選挙後の政治的な動きを通して、また、参議院議員選挙を戦う中で、市議、有権者のなかに高橋市長離れの現象が見られることを掴んだ。
前回杉山光映元市長を支持した県央東部での合併反対派の市議らが、高橋市長の180度の転換を受け入れて、反高橋色を弱め、県央東部合併派と主客が転倒した。
ところが、高橋市長を支持した県央東部での合併推進派の市議は、高橋市長が市長選後、直ちに180度転換を発言したことに驚愕し、その後の高橋市長の言動に、信頼感を失ってきた。
特に、燕市議会、吉田町議会を代表する議員の会合の席上、大岩勉副議長の、新庁舎の位置についての質問に対して、高橋市長が「法花堂」という地名を挙げたということで、燕市議会はもとより、吉田議会にまで問題が波及。「ともすると吉田町で新たな合併反対の動きが出る」という警戒感もある。「合併が成立するまで、『吉田町地内』にとどめておくべきだった」「地方主要道燕分水線に、県央大橋をせっかく架け、4車線化を目指しているのに、その沿線でなくて、なぜ法花堂なのか」といった高橋市長の発言の軽率さをいぶかる声が大きくなってきた。
そうした政治に関心の高い市民層の反応を的確にキャッチ。特に、高橋市長と県央東部での合併推進派との中がしっくりいっていないことを確認して立候補の準備に入っていた。
杉山元市長を支持した大岩副議長、星野義則市議らが、高橋市長と実にうまくいっている中で、たとえ、県央東部での合併派が、高橋市長に愛想を尽かしたとしても、対立候補は立ち得ないし、立っても勝てないという読みが、高橋市長陣営に色濃かったことは確か。
既に、杉山元市長の立候補が確実になった8月19日の段階でも、「まさか対立候補はあるまい」という状態だった。
翌20日、本紙の報道で無投票当選に疑問を投げかけた時点でも、燕市の政治通から杉山元市長の立候補を聞いた一部の幹部を除いて、状況は変わらなかった。
市議会の複雑な状況をよそに、「杉山元市長は、『市議会議員の力を借りなくとも必ず勝つ』と自信を深めている」と、側近の1人は、緊張した面持ちで話した。
既に、高橋市長陣営からは、前回が、県央東部での合併運動、続いての市長選挙で金と暇をかけて高橋市長を懸命に押した大山治郎前議長は、「どちらにもつかない。支持者にも、『それぞれの思うように勝手にやってほしい』と言っている」と事実上、高橋市長の運動を行わない宣言。
前回、「県央東部での合併」を公約に入れるという条件で、高橋市長を支持した酒井基市議も、高橋市長を支持しない。用務で海外出張。これまた県央東部での合併と高橋市長の当選に努力した田野隆夫市議も、用務で海外出張。前回高橋市長を押したほかの市議はどうするのか。
燕三条青年会議所の燕側の会員、OBも、県央東部での合併推進派市議同様、高橋市長の運動はやれないとしている。
さりとて、杉山元市長の出馬で、大岩副議長、星野市議らも「まさか、高橋市長支持には回れまい。動きが取れないだろう」というのが杉山元市長を支持してきた選挙通の話。
県央東部との合併反対派は、結束して、吉田勝利前市議の補選を戦うことになっていたが、こちらが無投票当選となると、身のもって行き場がない。
和平寅夫高橋甚一後援会長ら幹部は、「今回は正々堂々と戦う」としている。政治の裏表など知らない一般市民の高橋市長への信任に期待しているのか。
いずれにしても短期決戦であり、大岩副議長、星野市議ら杉山元市長支持の議員が、今回、どのような動きをするのか、両陣営とも、しっかりとにらみを利かせることになる。
(社主)
