古代米通し 「米」 考える
県央研究所で古代米 「越前」 稲刈り
 (社)県央研究所(高野雅志理事長)は、8月31日午後1時から、新潟県三条市吉田地内の田んぼで、250年以上前からある古代米「越前」の稲刈りを行った。

 古代米「越前」は、400年以上昔の戦国時代、上杉謙信の養子、景勝が攻めて殺した佐渡の羽茂城主本間対馬守高貞の家老、海老名弾正真国が逃げ延び、住み着いた紋張集落で、代々植え継いできた稲のこと。

 紋張集落では、今でも正月4日にワラでしめ縄を編み、ワラ馬を作り、草履を編んで真言を唱え、住人の無病息災、家内安全、子孫繁栄、悪魔退散を祈願しているという。

 同研究所では、少なくとも250年間神事用として栽培されてきた古代米「越前」の種籾を研究用に入手し、田んぼで栽培。このたび収穫の時期を迎えた。

一番奥が古代米「越前」 当初は、初年度収穫で120株にも満たない小さな稲刈りであることから、職員が行う予定だったが、地域の子どもたちなどから問い合わせが多く寄せられたため、急きょ稲刈りしたい子どもを募集した。ところが、この日は台風16号の影響で、朝から強風が吹いていたため、子どもたちが参加を見合わせ、最終的には西鱈田小学校5年の桑原拓也くんと、3年の桑原かおりさん、坂上麻実さんの3人のみの参加となった。

 子どもたちはカマと軍手を受け取ると、地域のお年寄りのアドバイスを受けながら、稲刈りに挑戦。拓也くんは、家が農家ということもあり、慣れた手つきで刈り、古代米については「家のより稲が細かった」と感想を述べていた。

 かおりさんと麻実さんは、どちらも稲刈りは初めて。お年寄りに教わりながら楽しそうに刈っていた。

 子どもたちに混ざり、同研究所にインターンシップで来ていた新潟薬科大3年の3人も参加した。

 高野理事長は、古代米について「250年以上の歴史がある。それが無言のうちに、私たちが物質的な豊かさの中で忘れかけていたことを思い出させてくれると思う」とし、「250年以上前から先祖が持ち続けてきた、ご飯に対する思い、米に対する思いを、稲刈りを通して米と触れ合うことで感じてほしい。そして、ただお腹いっぱいになったので捨てるというのではなく、先祖がおいしいご飯を作るために栽培し続けてきた稲に対する考えを見直す機会にしてほしい」と期待を寄せていた。

 子どもたちは稲刈り終了後、古代米と「こしいぶき」、「こしひかり」の長さなどを図り、特徴を調べていた。古代米は、ほかの2種と比べ、稲が長く、緑が濃く、実の数も多いとか。

 また、古代米「越前」のワラは、神事用しめ縄などに用いられたことから、今回のような水害の再発防止と1日も早い復興を願い、10月中旬に、子どもたちと一緒にしめ縄を作り、奉納する予定だ。  
                                                (廣川)